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汚染水流出 東京電力と幹部らを書類送検10月2日 19時00分
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東京電力福島第一原子力発電所で汚染水が海などへ流出し、住民グループが公害犯罪処罰法違反の疑いで告発したことについて、福島県警察本部は2日、東京電力と幹部らの書類を検察庁に送りました。
福島第一原発で高い放射線量の汚染水が海などに漏れ出したことについて、東京電力などの刑事責任を追及している福島県の住民グループは、おととし、公害犯罪処罰法違反の疑いで、東京電力と、現在と前の幹部を告発していました。
この中で住民グループは、東京電力が、汚染水を保管するタンクを適切に管理する義務や、地中に遮水壁を作るなどの対策を取る義務を怠ったなどと主張していました。
福島県警察本部は、東京電力の関係者に話を聞くなどして捜査を進め、2日、東京電力と、現在と前の幹部合わせて32人の書類を福島地方検察庁に送りました。
これを受けて、福島地方検察庁が、刑事責任を問うかどうか、今後、判断をすることになります。
この中で住民グループは、東京電力が、汚染水を保管するタンクを適切に管理する義務や、地中に遮水壁を作るなどの対策を取る義務を怠ったなどと主張していました。
福島県警察本部は、東京電力の関係者に話を聞くなどして捜査を進め、2日、東京電力と、現在と前の幹部合わせて32人の書類を福島地方検察庁に送りました。
これを受けて、福島地方検察庁が、刑事責任を問うかどうか、今後、判断をすることになります。
東京電力「捜査には真摯に対応」
東京電力は定例の記者会見で、「報道等で承知していますが、刑事告発に関することなので、コメントを差し控えます。捜査には真摯(しんし)に対応していきます」と話しています。
福島原発告訴団「起訴してほしい」
告発をした福島原発告訴団は記者会見を開き、武藤類子団長は「ずいぶん時間がかかったが、県警には詳細な捜査をしてもらえたと考えている。ただ、内容を認めているかや、検察に送った意見書の中身を知りたかった。検察はさらなる捜査をして幹部らを起訴してほしい」と述べました。
汚染水問題の経緯と現状
東京電力福島第一原子力発電所では、汚染水を巡って、外部への流出などたびたびトラブルが起き、大きな問題となってきました。
【増え続ける汚染水】
福島第一原発では1号機から3号機までの3基の核燃料が溶け落ち、これを冷やすために原子炉に注がれている冷却水が高濃度の汚染水となって地下にたまっています。さらに、建屋に流れ込む地下水も汚染水を増やす原因となっていて、東京電力は、増え続ける汚染水をくみ上げて、敷地内に設置したタンクに保管しています。
【相次いだトラブル】
こうしたなか、おととし5月以降、護岸近くで採取した地下水から高濃度の放射性物質が検出されました。
建屋内の汚染水が「トレンチ」と呼ばれるトンネルを通って地下に漏れ出したとみられ、東京電力は7月になって、「汚染された地下水が海に流れ出しているとみられる」と海への流出を認めました。
さらに、翌月の8月には、敷地内のタンクから高濃度の汚染水およそ300トンが漏れ出し、一部が排水溝を通じて原発の港湾の外の海に流れ出しました。このタンクは、鉄板をボルトでつなぎ合わせる簡易型のもので、汚染水はこの継ぎ目の部分から漏れ出していました。
相次ぐ汚染水の漏えいに加え、有効な対策が行われていないことに、地元の漁業関係者などから強い批判の声が上がりました。
【対策は】
その後、東京電力は、簡易型の汚染水タンクを継ぎ目のないものに置き換える作業を進めるとともに、汚染水が外に流れ出さないように、周囲に2重のせきを設けました。
また、建屋への地下水の流入を抑えるため、1号機から4号機までの周囲の地盤を凍らせて全長1500メートルの氷の壁で取り囲む「凍土壁」の建設が去年から進められています。
さらに、地下水を汚染する主な原因とされてきた「トレンチ」内の高濃度の汚染水は、ことし7月までに抜き取られ、その後、セメントで埋め立てられました。
護岸沿いでは、「遮水壁」と呼ばれる鉄の壁を地下に打ち込んで地下水の海への流出を遮断する工事が進んでいて、今月末にも完成する見通しです。
【増え続ける汚染水】
福島第一原発では1号機から3号機までの3基の核燃料が溶け落ち、これを冷やすために原子炉に注がれている冷却水が高濃度の汚染水となって地下にたまっています。さらに、建屋に流れ込む地下水も汚染水を増やす原因となっていて、東京電力は、増え続ける汚染水をくみ上げて、敷地内に設置したタンクに保管しています。
【相次いだトラブル】
こうしたなか、おととし5月以降、護岸近くで採取した地下水から高濃度の放射性物質が検出されました。
建屋内の汚染水が「トレンチ」と呼ばれるトンネルを通って地下に漏れ出したとみられ、東京電力は7月になって、「汚染された地下水が海に流れ出しているとみられる」と海への流出を認めました。
さらに、翌月の8月には、敷地内のタンクから高濃度の汚染水およそ300トンが漏れ出し、一部が排水溝を通じて原発の港湾の外の海に流れ出しました。このタンクは、鉄板をボルトでつなぎ合わせる簡易型のもので、汚染水はこの継ぎ目の部分から漏れ出していました。
相次ぐ汚染水の漏えいに加え、有効な対策が行われていないことに、地元の漁業関係者などから強い批判の声が上がりました。
【対策は】
その後、東京電力は、簡易型の汚染水タンクを継ぎ目のないものに置き換える作業を進めるとともに、汚染水が外に流れ出さないように、周囲に2重のせきを設けました。
また、建屋への地下水の流入を抑えるため、1号機から4号機までの周囲の地盤を凍らせて全長1500メートルの氷の壁で取り囲む「凍土壁」の建設が去年から進められています。
さらに、地下水を汚染する主な原因とされてきた「トレンチ」内の高濃度の汚染水は、ことし7月までに抜き取られ、その後、セメントで埋め立てられました。
護岸沿いでは、「遮水壁」と呼ばれる鉄の壁を地下に打ち込んで地下水の海への流出を遮断する工事が進んでいて、今月末にも完成する見通しです。