チャイナショックで僕が4000万円負けた理由

HARBOR BUSINESS Online / 2015年10月5日 9時0分

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 浮き沈みの激しい投資家生活だったが、相続で2000万円が転がり込んだこともあって、タネ銭だけはどうにか尽きずに済んできた。そんな沖本さんがFXを本格的に始めたのは3年前のことだ。

「周りもFXで勝ってる頃で、取り組むことにしたんです」

 そもそも、「金利で暮らす」という価値観を刷り込まれてきた沖本さんがFXをやれば、スワップの高い通貨を選ぶのは必然だった。好んでトレードしていたのは豪ドル、そしてトルコリラだ。

◆102円の高値掴み一発で市場退場間近の事態に……

「豪ドルは200枚も持っていれば、一日で1万2000円のスワップポイントが付きます。これが月30日なら36万円、十分暮らせていけるだけの稼ぎになる。トルコリラだって、90枚も持てば一日7200円のスワップが付くわけで、非常に魅力的でした」

 豪ドルの値動きが中国経済と密接に関わっている点もやりやすかった。相場が大きく動く指標発表の前に買って後で売る、なんて取引をスキャルピングで繰り返しつつ、上昇局面ではロングしてスワップで手堅く稼ぐ。最初の3年で2500万円ほど勝っていた。

「豪ドルがどんどん上がっていって、スワップもたくさん入ってくる。こうなると勘違いしちゃうんですよねえ。’14年の11月20日に豪ドルは102円まで上がったのだけど、僕はもっと上がると思って200枚、2億円分を買い増した。ところが、とんだ高値掴みでした。ここをピークに落ち始めていくんです……。97円になって95円になって。そしてついに8月24日に87円を切ったところで、ロスカットで全滅しました。この日だけで、2600万円超の損失です。4月にも1400万円ほどロスカットされてますから、合計4000万円のマイナスになってしまった」

 悪夢となった忌まわしき8月24日のことを思い出してしまったのか、ガックリとうなだれる沖本さん。トレードで何がいけなかったと思うか? と聞くと、声を絞り出すように答えた。

「下がった時点で損切りすればね、よかったのだけど。僕はいずれ上がるんだから、それまでスワップで耐えてしまえ!ってね。あとは手持ちの資金をまとめて突っ込んだのもよくないですよね。我流で3年もやってきたから、当たり前のことができなかったね」

 沖本さんはトレード日記を詳細につけている。1400万円のロスカットを食らったという4月。102円で買った豪ドルが92円まで下がっているのに、ノートにはこう書かれている。

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