2015年10月5日07時19分
「裁判で無実を証明して、歩いて塀の外に出る」。こう訴え続けた奥西勝死刑囚(89)が4日、肺炎のため医療刑務所で息を引き取った。三重県名張市の地元の住民は複雑な心境を、それぞれ語った。
54年前に事件が起きた三重県名張市の葛尾(くずお)地区。公民館での懇親会で、犠牲者5人を含む17人が中毒症状になった。山の斜面に田畑が点在する集落の住民は、事件当時の半分以下の約40人。奥西勝死刑囚の訃報(ふほう)に接し口をつく思いに、今も暗い記憶が影を落とす。
浜田能子さん(83)は当時、懇親会に出た。周りの人が次々と倒れ、自身もブドウ酒を数口飲み気分が悪くなった。奥西死刑囚の死亡に、「思い出したくないことばかり。仲の良い平和な村でこんなことが起きるなんて」と涙を浮かべた。
事件について、地区の人と話したことはない。「それぞれが自分の胸だけに抱えてきた。奥西さんが毒を入れたかどうか、私にはわからない。誰が犯人かは神様だけが知っている」
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朝日新聞社会部
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