隕石(いんせき)の衝突でできたロシア・シベリア地表の巨大クレーターで見つかったダイヤモンドが、極めて硬い「ナノ多結晶ダイヤモンド」と分かったとの研究成果を、愛媛大地球深部ダイナミクス研究センターのチームがまとめ、このほど英科学誌電子版に発表した。
チームによると、約3500万年前の隕石衝突時の超高圧と高温により、地表付近にあった炭素の塊「単結晶グラファイト」が変化しダイヤになったとみられる。
ナノ多結晶ダイヤモンドは超高圧技術により合成された世界で最も硬いダイヤとされるが、天然のものは世界初という。
同センターの大藤弘明准教授(鉱物学)らのチームは、中央シベリアにある直径約100キロのポピガイクレーターで見つかったダイヤを分析。このうち黄色を帯びた透明のダイヤが、5~50ナノ(ナノは10億分の1)メートルという極めて細かな粒のダイヤからできているナノ多結晶ダイヤモンドだと突き止めた。
ポピガイクレーターでは、ダイヤが発見されたとの報告が1970年代にあったが、その特性や生成過程の詳細はよく分かっていなかった。
今回見つかったダイヤは、極めて硬い素材として、切削工具などへの応用が考えられるという。〔共同〕
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