「みんな、分かってたんじゃないの?」という疑念
東芝は9月30日に臨時の株主総会を開き、11人の取締役のうち過半数の7人を社外の取締役にするなど、外部による経営への監視を強める対策を講じた。
マスコミは、当初「不適切会計」という用語で報道していた。独立系のメディアでは、この点の指摘は早くから行われきたが、大手紙ではようやく最近になって「不正会計」といっている(それでも一部はまだ不適正といっている http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45464)。
これに対して、「不正会計」と言えなかったのは、東芝から広告費をもらっているからとか、東芝出身で、東京証券取引所会長を経て現日本郵政社長となった西室泰三氏を守るためだとか、いろいろな噂もあった。
たしかに、西室氏が東京証券取引所会長をやっていたのは、2005年6月から2010年6月であり、東芝が粉飾決算を行っていた期間(2009年3月期~2015年3月期の第3四半期)とダブっている。
こうした噂が飛び交う中、東芝問題は歴代3人の社長が辞任ということで終わりそうだ。その根拠となっている第三者委員会(委員長、上田広一・元東京高検検事長)による報告書をみても、なぜ3人の期間だけなのか、また監査法人である新日本監査法人への言及がない点など、不思議なことが多い。
そして、株価下落の損害賠償、役員の任務懈怠に対する株主代表訴訟などの民事訴訟は今後起こされるだろうが、刑事訴訟、行政処分はどうなるのだろうか。
少なくとも有価証券報告書虚偽記載による「金融商品取引法違反」、利益操作・背任で「商法違反」、金融庁による「課徴金納付命令」などが考えられる。
これらは、主務官庁の胸三寸であるが、「市場を欺く悪意は見えなかった」という観測気球が上がっているので、そうならない可能性が高いだろう。
なにか、触れたくないという空気があるようだ。日本を代表するエクセレントカンパニーなので「手を出しにくいのかな」と素人ながらに思っていた。
しかし、最近は「結局、みんな、うすうす東芝の不正をわかっていて見逃していたんじゃないの?」「みんな一蓮托生なのではないか?」と思うようになった。
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