「スパイ行為」の疑いで日本人が拘束
10月1日は、中国の国慶節だった。66回目の建国記念日である。
9月30日には、習近平総書記以下、中国共産党の「トップ7」が勢揃いして記念式典に臨んだ。東京のホテルニューオータニでも9月29日、程永華駐日中国大使が主催した建国66周年を祝うパーティが開かれた。
だが、この晴れの日に水を差すような記事が、9月30日付『朝日新聞』に出て、日本と中国が騒然となった。
〈 中国遼寧省と浙江省で5月、「スパイ行為」にかかわった疑いで日本人男性2人が相次いで中国当局に拘束されたことがわかった。スパイ行為の疑いで日本人が中国で拘束されたことが明らかになるのは極めて異例・・・ 〉
書いたのは、同紙の金順姫上海支局長だった。私が北京に駐在していた時、彼女も北京に留学に来ていた。眼光鋭い眼差しが特徴的で、いつかはこのようなスクープ記事を飛ばすのではと思っていた(余談だが、朝日新聞の「中国屋」には、なぜか眼光の鋭い人が多い)。
菅義偉官房長官は同日夕刻の記者会見で、この事実をあっさり認めた。中国外交部の洪磊(ホンレイ)報道官も同日午後の会見で、「スパイ行為の嫌疑で日本人2人を逮捕した。そのことはすでに日本側に通知している」と述べた。
さらに取材を進めていくと、どうやらもう一人、北京に拘束されているらしいことが分かった。6月に北京で捕まった70歳の日本人男性である。つまり合計3人もの日本人が、3ヵ月以上にわたって「スパイ容疑」のカドで中国当局に拘束されているのである。
これは一体どういうことなのか?
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