新たな「定番」になるのかも?
近年はアジアメーカーが精力的に日本市場へSIMフリー機を投入しています。先日もHuaweiから新たなエントリークラスのSIMフリースマホ「Huawei P8lite」が発売されました。2万8600円(税・送料込で約3万円)と価格的には、いわゆる「格安スマホ」のひとつですが、CPUにオクタ(8)コアを採用し、RAM2GB、ROM16GBと、従来の格安スマホと比べると一回り上のスペックを持っています。
「ついに格安価格帯でも、満足できるスペックの物が登場した!」
と独りモニターの前で盛り上がってしまった結果、気がついたらカートに入れていて、気がついたら届いていたので、早速レビューをお届けします。
P8lite開封の儀。パッケージ・内容物を確認
届いたP8liteのパッケージ、そしてオマケのレザーケースです。Huaweiの公式オンラインストア(楽天店)から購入すると先着順でレザーケースがもらえるというキャンペーンを行っていました。今回はそちらから購入した形です。パッケージはシンプルなボックス型。
内容物は本体・説明書類・付属品類。付属品はホワイトで統一されています。
付属品類。なお、ケーブルは一般的なMicroUSBケーブルです。
金属フレームはヘアライン加工されていて、スタイリッシュ。
背面はシンプル。ホワイトだと目立ちませんが、フレーム部と同じくヘアライン加工が施されています。サイズは143×71×7.7mmで131g。カラーバリエーションはホワイト、ブラック、ゴールドの3種類。
オマケのレザーケースをつけたところ。カメラレンズ部は穴が空いているので、ケースを付けたままでもカメラは利用できます。ただしオートスリープには対応していないので、閉じても画面は点いたままなので注意が必要かもしれません。スリープ時間を短めにしておくといいかも。
5インチのHD液晶はどうだ?
液晶は5.0インチのHD(720x1280)、IPS液晶です。発色の良さはさすがのIPS。最近のフラッグシップ機ではフルHDサイズの液晶を搭載していますが、個人的にはHDサイズでも十分であるように思えます。顔を近づけてもドットはほぼ見えません。
液晶は色温度設定が可能です。高級機では同様の機能は珍しくありませんが、この価格帯のスマホでこの調整ができるのは稀です。
microSD+デュアルSIMスロットを搭載
SIMスロットは最近のトレンドであるデュアルスロット仕様となっています。スロット1が「microSIM」、スロット2が「nanoSIMもしくはmicroSDカード」となります。
nanoSIMも利用できますが、その場合はmicroSDカードが利用できなくなるので、microSIMを用意したほうがよいでしょう。
これまでの多くのデュアルスロット端末が、どちらかのスロットが2G専用となっているのに対し、P8liteでは、「4G/3Gスロット」と「2Gスロット」を切り替えることができます。どちらかを「4G/3G」に設定すると、もう片方が「2G」になるという形。2枚セットしておいて必要に応じて通信・通話するSIMを変えられるのは便利です(それ以上にmicroSDカードを使えたほうが便利ですが…)。
プリセットされているAPNはごらんのとおり。国内主要なMVNOは網羅されています。
ベンチマークで判明! 旧世代の格安スマホを突き放す8コアの実力!
1.Geekbench 3での調査
CPUは「Hisilicon Kirin 620 オクタコア (A53/1.2GHz)」。クロック数自体はそれほど高くは無いものの、格安スマホの価格帯で初めて8コアを搭載する機種となります。「Geekbench 3」のスコアは以上のようにシングルコアで「587」、マルチコアで「2731」となりました。
比較するとシングルコアでは2013年のNexus 7とほぼ同等。マルチコアではなんとGalaxy S5に迫るスコアです。
2.AnTuTu Bench(64bit)での調査
AnTuTu Bench(64bit)でのスコアはこちら。やはり1世代前の格安スマホよりも性能は上のようです。
カメラはやや重めながら多機能で画質は良好
カメラアプリ。フォーカスポイントを上下にスワイプして明るさを調整できたり、画面を左右にスワイプして撮影モードを切り替えたりと、どことなく見たことがあるようなスタイル。しかし使いやすくまとまっています。
機能自体はフォーカスチェンジができる「全フォーカス」をはじめ、「HDR撮影」「カラーエフェクト」「ベストショット」などにも対応と豊富ですが、ややカメラアプリ自体が重い印象です。こちらは今後バージョンアップで見直してほしいポイント。
メインカメラ:1300万画素(開口部 F2.0/AF/BSI)、インカメラ:500万画素(開口部 F2.4/FF/BSI)と、カメラ性能自体は悪くありません。光量の少ない曇天の下での撮影でしたが、色の再現度は高い印象。ソニーセンサーを搭載した高級モデルには敵いませんが、従来の格安スマホの上を行くのではないでしょうか。インカメラでも500万画素なので、セルフィーも綺麗に撮れます。
独自の「Emotion UI 3.1」はかなり使いやすいかも?
OSはAndroid 5.0 Lolipopですが、画面のUIには「Emotion UI 3.1」という独自UIを採用しています。アプリ一覧という概念が無く、インストールしたアプリは常にホーム画面に追加され、ドラッグしてフォルダにまとめることができます。また、画面を下にスワイプすると端末内の検索が行なえるなど直感的な操作。感覚的にはAndroid OSよりもiOSに近いようなUIです。
ホーム画面をシンプルなスタイルへと変更できるのもポイントです。シニア層も視野に入れたUIをちゃんと用意しているあたりには好感が持てますね!
タスク切り替え画面では、現在の専有メモリをチェックできたり、メンテナンスツールを標準搭載しているのも特徴的。省電力モードも搭載しているなど、メンテナンス性の良さが目立ちます。
P8liteの良い点、微妙な点
1.P8liteのここが良い!
綺麗で大きめな液晶、8コアのCPU、デュアルSIM、UIの使いやすさなど、良い点はいくつもあります。また、ドコモで利用されているLTEのB1、B3、B19の3周波数帯に対応しているなどエリア的な不安もありません。それでいて値段も3万円ほどと、総じてコストパフォーマンスの良さが光ります。既存の格安スマホと比べると一回り上のスペックを持っていますし、このスマホは今年の格安スマホ界で新たな定番となるかもしれません。
2.P8liteのここはイマイチ
格安スマホに共通することですが、おサイフケータイ機能はありません。また、使っていて気がついた点としては、標準のメールアプリでGmailのアカウント設定ができませんでした。ファイルマネージャーアプリでの更新を確認するも、なぜかネットワーク利用不可と返されてしまってタイムアウト。この辺りの詰めの甘さは気になりました。
P8liteを購入できるところは?
現在のところHuaweiの公式ショップでの単品購入(税・送料込で3万0888円)。そして「楽天モバイル」、「NifMo」、「DMMmobile」がセット端末として取り扱いがあり、7月からは「IIJmio」からもセット端末で登場するようです。
最近のエントリークラスの格安スマホは2万円ほどで購入できるものもあるため、格安スマホの中でもちょっぴり背伸びしたミドルクラスとなるのかもしれません。しかしそれらがクアッド(4)コア、RAM1GB、ROM8GB程度なのに対し、P8liteはオクタ(8)コア、RAM2GB、ROM16GB。さらに対応Bandも良好! といったように、その差は歴然。快適度でいうと間違いなくP8liteのほうが上で、長い間楽しめる1機となるでしょう。このタイミングで格安スマホ、格安SIMへの乗り換えを検討しているなら、候補に入れてみてはいかがでしょうか。
■Huawei P8liteスペック
OS:Android 5.0 Lollipop
CPU:Hisilicon Kirin 620 オクタコア (A53/1.2GHz)
液晶:5インチIPS(720x1280)
RAM:2GB
ROM:16GB
外部メモリ:micro SDHC(最大32GB)
カメラ:アウト1300万画素/イン500万画素
バッテリー:2200mAh
通信:3G/LTE/Wi-Fi/Bluetooth 4.0+LE
対応Band:
FDD-LTE=B1/B3/B5/B7/B8/B19/B28
TDD-LTE=B40
UMTS=B1/B5/B6/B8/B19
GSM=850/900/1800/1900
サイズ:143×71×7.7mm
重量:131g
カラー:ホワイト/ブラック/ゴールド(ゴールドは7月中旬発送)
価格:3万888円(公式ショップ)(税・送料込み)