兵庫県尼崎市内の歴史的建築物で音楽とアートを楽しむ「あまがさき歴史音楽祭」が4日、同市城内地区の市文化財収蔵庫と旧尼崎警察署内の4会場で開かれた。市内外から約3500人が訪れ、建物の歴史を感じながら生演奏に酔いしれた。
来年の市制100周年を前に、同市初の市役所などがあった同地区の魅力を発信しようと、市や実行委が企画。大正~昭和初期に建設された二つの建物内で、尼崎にゆかりのあるプロミュージシャンやアマチュアバンド52団体が出演した。
旧警察署内では、コンクリートの壁がむき出しになった地下留置場もステージとなった。薄暗い照明の中でフォークやポップス、ジャズなどが演奏され、来場者は普段とは違う雰囲気の中で音楽に聴き入った。
取調室などでは、現代アート作品の展示もあった。文化財収蔵庫では、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」で、音楽室としてロケ撮影が行われた部屋が演奏会場となった。
留置場のステージを見ていた男性会社員(40)=尼崎市南武庫之荘=は、「音の響き方も独特。不思議な感覚で楽しめた」。息子(6)は「少し怖いけどかっこいい」と話した。
(石川 翠)