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2015-10-04

「ファン漫画」の歴史を年表化してたどってみる【創作系譜論】

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徳光康之「ファン烈伝」配信中

@dk97f3

よろしければ拡散をお願いいたします!「最狂 」第4巻の新しい表紙描きました!

f:id:gryphon:20151004095546j:image

よろしくお願いいたします!

第1巻はこちらです!

この作品の電子書籍版(個人運営)がスタートしたとき、こういう論文?をかきました。

徳光康之氏の「最狂超プロレスファン烈伝 」が電子書籍に。作者が直接Kindle化 -http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150817/p1

そこで、こう書いた…

「何かに熱狂してるファンの愛すべき滑稽さ」を描き…、そのジャンルはいまや確立された

 

この作品は「ファンがファンという立場で、あるジャンルを熱狂的に愛するさまは、それだけでギャグになる」「どんなふうに好きか、を、ある種の工夫を凝らして面白おかしく語れば、それもギャグになる」

というものを確立し、それがひとつのジャンルになった・・・という仮説を立てました。

今回、烈伝の「4」の発売が迫っているようなので、それを機会に検証。

こういうときは年表をつくれば、それ自体が語ってくれる。


「ファン漫画」年表(仮設中)

1970年代いしいひさいち「がんばれ! タブチくん」ヤクルトの「応援団長」が重要キャラクターとして登場し、4コマ内では『主役』にもなる
1080年代ゆうきまさみとり・みきなど(「愛のさかあがり」など)台頭し始めたエッセイ漫画という形式で「原田知世はいいっ」をテーマに打ち出し、売りにする
1990年代前半押川雲太朗「なにがなんでも阪神ファン阪神ファン」がテーマ。当時、阪神は88年の優勝後、成績が低迷する『暗黒時代』であり”自虐ギャグ”の側面も強かった。
1990年代前半徳光康之「最狂超プロレスファン烈伝」プロレスは当時、TVのゴールデンタイムをしりぞいたものの、逆に東京ドーム興行や格闘技系(U系)、インディ、ルチャなどへの多彩化、活字プロレスなど別の意味で活性化していた。メジャー雑誌「月刊マガジン」での連載という意味も大きい
1993年唐沢なをき電脳なをさんパソコン業界、技術系のネタと並行して、それぞれのメーカーソフトの「信者」も重要テーマだった。
1990年代後半?サムシング吉松メガドラ兄さん」「セガゲームは世界いちぃぃぃ!」 電脳なをさんもどうだが、ゲーム雑誌など、業界誌連載の漫画は『ファン漫画』の要素を当然持つから、どこまでを定義するのかは難しいところ。これを入れたのは単に自分の視界に入ったから、であるが、タイトルの通り『ファン』な要素が多いということで…
1999年中島沙帆子電脳やおい少女」教えてくれた方の評ネット初期の話でもあるので、いわゆるネットコミュニティ形成だとか、ファンサイト(裏)の作成過程などを知るにも貴重な資料作品
2000年単行本発刊年)細野不二彦ビールとメガホン」プロ野球の『ファン』をテーマにした短編連作集。
2000年単行本発刊年)徳光康之「濃爆おたく先生プロレスファン」を描いた作者が「ガンダムファン」でもファン漫画が描けるという引き出しの多さよ(笑)
2002年木尾志目「げんしけんここらの時期から、なぜか一番近すぎたゆえに?取り上げられなかった「漫画アニメオタク」自身のテーマ化が始まる。また、従来の漫画だと『ファンはその後、創作者に…』という展開のほうが普通だったけど、分離が始まったのかもしれない。メジャーアフタヌーンでの連載でもあり、『げんしけん』の商業的な大成功は多くの影響を与えた。
2002年菊池直恵鉄子の旅編集長もテツであったために実現した企画、とも聞くが、ファン層が多く、漫画好き以外にも広いこともあったし、「一線を越えたマニアの様子や言動は、それだけで面白い」ということもうまく描いていて、アニメ化など大きな人気を博した。案外、今の『ファン漫画』隆盛の源流はここかもしれない。作者自身はこの分野に興味がそれほどなく、「熱狂を外からやや冷めて眺めている」とう構図も面白かったが、それを受け継ぐのはあまり無いかな?
2004年紺條夏生妄想少女オタク系いわゆるBL系の「オタク漫画」の先駆け…といっていいのかな?げんしけんにも当然そんな要素はあったけど。
2005年山田圭子「心おきなく正気を捨てえ!! 阪神タイガース応援団熱血青春物語!!」twitter情報を寄せてもらった。「マンガ図書館Z」で読める由。
2006年小島アジコとなりの801ちゃんネットで発表でされる漫画となると、専業作家ではない層も参加するため『ファンの生態を描いた漫画』はさらに一般的テーマになる…ただこの漫画は、むしろそれを生む先駆けになったのかも。
2007年押切蓮介『ピコピコ少年下の「ハイスコアガール」に盛り込もうと思ったが、こっちが先だと知ってここに追加した(笑)
2010年石田敦子球場ラヴァーズ野球ファンを描く漫画。「広島ファン」が対象なのは作者もそうだからかな?
2010年はるな檸檬ZUCCA×ZUCA」雑誌公式サイトも運営し、ネットコミック雑誌漫画の境界が曖昧になった時代に登場。雑誌週刊モーニング」でも連載された
2010年押切蓮介ハイスコアガール1990年代ゲームセンターファミコンなどの対戦型ゲーム舞台にしている。超人気作品だったが思わぬ
2012年カネシゲタカシベイスたん推薦受けた。『横浜DeNAベイスターズとしての初シーズンが始まったばかりの4月、ベイスターズの勝ち星を食べて育つ「ベイスたん」が登場しました』…思わず「いま、飢餓状態では?」とか思ってしまったことはナイショ(笑)
2014年さかなこうじ「俺のプロレスネタ、誰も食いつかないんだが。」上で紹介した『ファン烈伝』の遺伝子継承されている、と個人的には思っている。ただ興味深いのは舞台が「1993年」であること。ハイスコアガールと同様だ。ファン漫画は、『現在進行形』のものと、『あの当時は、熱かったよな!』というノスタルジーが混じるものの二つにわけることができるのかもしれない。
2014年丹羽庭「トクサガガガ仲村さんは26歳のOLさん。職場では女子力が高いと見られているけど、実は“女死力”たぎる「特オタ(特撮オタク)」! オタバレが怖くて、一人ぼっちでコソコソしながら生きてるよ。人目につかないフィールドのカプセルトイを求めて街をさすらったり、一人カラオケで“特ソン(特撮ソング)”歌いまくったり… ヒーローの言葉を胸に、今日も進むよ「特オタ」道!
2015年王嶋環「お前も阪神ファンにしてやろうか。」最近始まったばかりですね。どんなふうになるのか。


あとがき

あー、簡単にできると思ったら、けっこう時間かかった・・・

・当然、自分の観測範囲でしか知らないので、皆さんの「集合知」で補ってほしい

ゲーム系、麻雀四コマ、少女雑誌周辺の情報がはなはだ不十分。

・上にもちょっと書いたが、専門誌で連載されている漫画は「その専門誌の人気を越える影響力があったか?」ということも加味する必要があるだろう。

・「漫画好きが漫画を描く」「音楽好きが音楽をやる」「プラモ好きがバトルをする(笑)」のように、ストーリー上で実行者になる場合もあるんだよね。

・あと「連載開始年」てけっこうわからないものだね。最近のウィキペディアはそれなりに充実しているけど、ないものも多い。このへんも正確な情報がわかれば。

阪神ファンおまえら何なんだよ(笑)

・「年表」のおもしろさについて書いた過去記事。

「年表」に花束を!「大タモリ年表」(てれびのスキマ水道橋博士課外授業ようこそ先輩」… http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140314/p6

  

サブカルの「起源」「はじめて」を年表で整理する試みを絶賛する。「年表」ブームよ来たれ【創作系譜論】 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140424/p4

gryphongryphon 2015/10/04 10:12 創作系譜論では、まだ調べたいことがいろいろあるんだよねえ。

fullkichi1964fullkichi1964 2015/10/04 13:13 おそらく視野には入ってらしたと思うけど、「1・2の三四郎」の前半は明らかに「ファン漫画」ですわね。三四郎らの卒業に当たって、プロレスラー以外の進路を導きえなかったからこそ「ファン漫画」を逸脱したのであって。

で、もう一つ指摘しておくと「最狂超プロレスファン烈伝」においては進級も卒業も描かれないわけです(笑)。わずかに猪木ファンの大先輩がいつまでも留年を繰り返して居残ってる存在として描かれてるだけで。時間の経過は明らかに劇中3年以上経過してるのですけどね。
あげくに完結後に描かれた4巻では徳光先生自身が「退学」しちゃうという(苦笑)。まあ後に「復学」されるわけですけどね(^^;)。

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