書くまでは意気揚々で、書いたあと投稿した瞬間にぷるぷる震えてくる。反論が来ようものなら口の中が乾き始め、胃の付近にある筋肉が縮み上がるのが体感できる。
反論があると必ずすまし顔の口調で対応して相手のヘイトを高めるように務めるものの、正直負けたあとの悔しさを被らないために無理してるだけで、勝負から降りたい気満々で二投目を済ませる。
ブクマされようものなら心臓が早鐘を打ち始め、ブコメに対して怒りでキータッチもおぼつかなくなりタイポを連発する。タイポを悟られないように復唱しつつ脈拍を安定させ、破綻がないかどうかをよくよく吟味して返信攻撃。
見なければいいと思いつつも反論が気になって仕方ない時もある。こいつに馬鹿にされている自分がいてはならない、という誤った感情だ。常にマウントを取り続けられる人などいないというのに。
しかしこの精神の軟禁状態からぬけ出す方法が一つだけある。それが最低50以上のブクマホッテントリに入ることだ。多少の反論も事実上の支持を受けているという万能感の前ではチリ程度でしかない。
勝利者は俺なのだ、と思い込むことができる。何に勝利してるのか主語が抜けているが、当然プライドの削り合いに勝利しているという誤った自負だ。
他者の立場に回ってみれば、標的が大きくなった分集中攻撃しやすくなったに過ぎない。しかしそれだけが下らない増田の一時の休息なのだ。
「(前略)――だと思う。俺、気が弱いし反論とか超恐いから、反論とかあったらそれが正解でいいです……」
レス:
「>?? これは新しいw」
「>?? 新手の口封じか」
「>?? あなたの仰るとおりですよw」
今でも見ない新しさ。