何度も話題に上がるので言っておくが、『惑星のさみだれ』はエヴァの劣化版パクリで、伏線回収しないから続きを読まなきゃいけなくなるタイプでしか無く、伏線が明かされてもなお面白い作り方をしている作品じゃない。少なくとも自分は全巻退屈だった。主人公の成長が頭脳を駆使したものであるところを評価する向きもあるが、それは数多あるデスゲーム系作者並に頭が良い場合にのみ有効であって、あの程度の工夫を見せられても鼻をほじくるしかない。少なくともジョジョの、「大して成長はしないが機転のみでやりくりする」、という手法を越えすらしていない。ジョジョファンではない自分が思わず例に上げたのは、それが純然たるデスゲーム系の知恵の絞り方ではなくアイディア勝負でやりくりする点が似ていたからだ。展開の組み方も最悪だ。全く展開がなく心理面や関係性だけで掘り下げる一巻は少年系漫画がやるべき姿ではない。あれはほぼ日常系に堕ちてしまっている。別にやっても構わないが、それならなぜハンマーなどの外装を用意してしまったのか、と突っ込まれることは必死だろう。自分は一巻時点でそう思ってしまった。というより、むしろなぜ少年漫画で一巻を日常系風味にしてしまったのか。
安っぽい例示が多いので安っぽく解説してやると、例えばNARUTOの一巻なんぞは少年誌なりの程よい盛り込み方をしている。過去話の泣きを入れつつその前提での主人公の努力あり(個人試練の乗り越え)、サブキャラの変化あるキャラクター性(三人の個性はホット、ウィット、クールに分かれている。モイストがないのはシュチュエーションで代用している為)、師匠と弟子の関係(共感的な乗り越え関係)、敵わない教官(敵対的乗り越え関係)などの明確なファクターも用意されている。こうした設定上の話を組み合わせてゆくわけだが、その組み方もとてもうまい。主人公の動機と物語の進行を同期させている。下手な作者は動機や心理パートと展開をバラバラに描写してしまう。言うまでもなくバラバラとは『さみだれ』のことだ。ジャンプ漫画は阿呆に見えて賢い作者もいるのだ。阿呆に対して如何に阿呆っぽく面白さと構造を提示できるかが少年漫画の重要なポイントと言ってもいい。沙村に憧れるだけあって岸本は賢いのである。
この糞漫画系の系譜にある自分の中でのもう一つの有名作品が『クレイモア』だ。これも本当に酷い。少年と半妖の女がメインとなって謎の組織が絡みつつ話が進むのだが、劣化ベルセルクなシーン連発とありきたりな心理描写、追いかけたくもない謎と設定のいい加減さなど挙げればきりがない。最後まで読めばわかるが、「あの島の人口どうなってんだよ。彼岸島かよ」、等と思わせるレベルで設定が破綻しているし、巨大な化け物級の敵が思わせぶりな事を言いながら人間を取り逃したりして、もう失笑するしかないシーンが多数。作者の感性が古臭く剣術漫画のような成長要素を入れていて、古い忍者漫画や侍漫画でもやらないような新技発明なんてことをやっている。まるで聖闘士星矢を見てるかよう(ここまで書くと設定が彼岸島と大差ないことに気づく)。飽和した見飽きた展開がダラダラと続き、伏線らしい伏線もほぼ用意せずにいきなりあの裏設定はこうだったんすよ、と言い始める謎の主要人物の一人、黒眼鏡(しかもその設定自体が前述の彼岸島じゃないの、という疑問に繋がっている無理矢理な話)。あれだけは本当に苦痛だった。『エンジェル伝説』の元気さと奇抜さは皆無だったよね。まあ『エンジェル』もコントの名手アンジャッシュなんかがよくやってる、王道すれ違い系ギャグなんだけど。
なんか論点に散漫な箇所があるけどいいや。だってつまんない漫画をまじめに論じる気になれないし。
あとナルトを例示したが、ワンピースはエンタメ部位も感情表現も分離しまくった上にありきたりで、構造としても娯楽作品としても駄作漫画だと思っている。
因みに普段はアングラ・サブカル誌か青年系しか読んでない。終わり。
惑星のさみだれが糞漫画とか、日下部君の生き様(死に様?)に増田は何も思わなかったの?
むしろ作者が後日談をTwitterで語っていて、それがまとめられているのを見ましたけど正直自慰行為みたいで寒かったです。他作ではなんとも思わないので、感性が違いすぎるんでしょうね。
感傷的すぎるものをありがたがるのはどうなんでしょうか。陰謀家のデブはいい味出してたと思います。