■放し飼い、平飼いは「健康にいい」
食品業界の調査会社、テクノミックの「ヘルシー・イーティング・コンシューマー・トレンド・リポート」によれば、外食店にとって、家畜を大切に扱っているというメッセージをメニューに掲げることは、商品のヘルシーさや味に対する消費者の評価を向上させるうえで最も効果的な方法なのだという。5人の消費者のうち3人近くが、「放し飼い」「平飼い」をうたい文句にした食品のほうが他の食品より健康にいいと答えており、「ビーガン(完全菜食主義)」「地元産」「持続可能」「フェアトレード(公正な貿易)」といった表示の食品が健康にいいと答えた人々を上回った。
また「農場で飼育」「牧草で飼育」「ベジタリアン」など、農家の家畜の飼育法を表示した言葉も、「平飼い」という言葉以上に、消費者の食品に対するヘルシーなイメージの向上に役立った。
食品の味に関しては、消費者の45%が、「放し飼い」「平飼い」と表示された食品の方が、他の食品よりも味がいいと答えており、さらに消費者の49%が「牧草で飼育」と表示された食品の方が他の食品より味がいいと回答している。消費者のうち約3分の2が「牧草で飼育」「平飼い」「農場で飼育」と表示された食品の方を買いたくなると答えており、こうした回答者の約2分の1が、こうした表示のある食品なら少し割高でも買ってもよいという意向を示している。
より多くの外食チェーン店がマクドナルドにならって食材の仕入れチェーンを見直すなか、消費者は料金をやや上乗せして支払う必要に迫られそうだ。ダンキンドーナツも平飼いものの鶏卵を仕入れることを検討しており、サンドイッチのサブウェイは販売している食品から人工の食材や添加物をとり除こうと計画している。人工の食材や添加物については、メキシカンフードのタコベルやピザハットも同様の約束をしている。だがマクドナルドをはじめとする外食チェーン店にとって最も重要なのは、商品の質の向上を消費者が好感し、メニューの価格を少し上げられるようになることだろう。
By Darren Tristano, Contributor
(2015年9月9日 Forbes.com)
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