司法試験考査委員だった明治大法科大学院の青柳幸一教授（６７）が受験生に試験問題を漏らしたとして告発された国家公務員法違反事件で、明治大は１１日、青柳教授を１２日付で懲戒免職処分とすることを決めたと発表した。「事態を真摯（しんし）に受け止め、調査と再発防止に尽力する」としている。

　明治大によると、教職員就業規則に基づき今回の事件を「著しく信用を傷つけ、名誉を汚す行為があった」と判断したという。

　法務省などによると、青柳教授は今年の司法試験で、明治大法科大学院を修了した教え子の２０代の女性受験生に、自ら作成した憲法分野の論文式試験の問題を漏らした上、解答となる論文の書き方も細かく指導したとされる。同大や東京地検特捜部に事実関係を認めていた。【近松仁太郎】