消費税軽減:財務省の還付金案を正式提示 公明党内反発も
毎日新聞 2015年09月10日 20時19分
自民、公明両党の税制協議会は10日、生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率の制度検討委員会を開き、財務省が軽減税率に代わって提案している還付金制度案を正式に提示した。与党税協は同案をたたき台に議論を進めることで一致したが、公明内には同案への反発が強く、取りまとめは難航必至だ。
財務省が提示した「日本型軽減税率制度」案は、2017年の消費税率10%への引き上げが前提。消費者は酒類を除く飲食料品(外食を含む)の買い物時に10%分を支払うが、その際にマイナンバーカードを提示すると2%分のポイントが付与され、インターネットなどで申請すれば、後日ポイント分の金額が個人の口座に還付される仕組みとなっている。一方、税収の大幅減につながりかねないことなどから、還付金の上限を設定。低所得者世帯の対象品目に関する年間平均消費額の2%分を参考に決めるとしており、年4000円程度が検討されている。
与党税協はこれまで、軽減税率の導入に向けて議論を進めてきたが、対象品目の線引きなどで調整がつかず、5月下旬から協議が止まっていた。終了後、記者会見した野田毅自民税調会長は「丁寧に議論したいが、行きつ戻りつでは困る」として、同案を軸に今秋までに制度設計を進める考えを強調。一方、斉藤鉄夫公明税調会長は「軽減税率制度と言えるのか、与党合意と整合しているかも含めて党内でも議論したい」と述べ、与党内の温度差が浮き彫りになった。【小倉祥徳】