GDP:年1.2%減に上方修正 4〜6月期

毎日新聞 2015年09月08日 09時55分(最終更新 09月08日 13時58分)

4〜6月期のGDP
4〜6月期のGDP

 内閣府が8日発表した2015年4〜6月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)の改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期(15年1〜3月期)比0.3%減、年率換算で1.2%減となり、8月発表の速報値(前期比0.4%減、年換算1.6%減)から小幅に上方修正された。企業の設備投資が下方修正された一方、在庫投資が上方修正されたためだ。個人消費と輸出が力強さを欠くなかでの在庫増は、売れ行き不振による在庫積み上がりの側面が強く、上方修正とはいえ景気回復の弱さを際立たせる格好となった。

 改定値は、速報値公表後に発表される最新の経済統計を反映して作成される。項目別にみると、企業の設備投資が前期比0.9%減と、速報値(0.1%減)から0.8ポイント下方修正。財務省が1日発表した4〜6月期の法人企業統計で化学工業や食料品製造、鉄鋼、建設業などの投資の減少が反映された。

 一方、民間在庫投資のGDP成長率への寄与度は、速報値に比べ0.2ポイント高い0.3ポイントになった。生産から流通までのすべての段階で在庫が積み上がっていることが判明したため。GDP統計上は在庫の増加はプラスに働く。

 GDPの約6割を占める個人消費は0.7%減で速報値より0.1ポイント上方修正された。自動車や飲料などのマイナス幅が速報値より改善したためだ。住宅投資は1.9%増、輸出は4.4%減、輸入は2.6%減といずれも速報値と変わらなかった。公共投資は2.1%増で速報値より0.5ポイント下方に修正された。物価の動きを反映し、生活実感に近いとされる名目成長率は、前期比0.1%増、年率で0.2%増と、速報値(0.02%増、年率0.1%増)から小幅に上方修正された。【横田恵美】

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