栗田優美
2015年10月3日15時12分
指折りの観光地でありながら、泊まって滞在する人が全国で最も少ない奈良県。宿泊客を増やそうと、試行錯誤が続く。
まだ明け切らぬ午前5時。奈良市の薬師寺金堂に男女5人が集まった。鐘の音とともに僧侶たちが読経を始めると、本尊・薬師如来の前に腰掛けた5人も静かに手を合わせた。
その後、僧侶の列に続いて境内をめぐり、東西両塔や玄奘(げんじょう)三蔵院にお参り。決まった作法にのっとって茶がゆを食べ、普段立ち入ることができない建物からハスの花をめでた。
札幌市の小泉由佳さん(54)は前夜、奈良市のホテルに泊まり、参加した。「得難い経験ができ、奈良ならではのゆったりした時間に浸れた」
薬師寺と唐招提寺、喜光寺は今夏、奈良市観光協会とともに、初めて朝のお勤め体験のプランをつくった。前日から泊まって奈良の朝を味わってもらおうという試みで、計6回の体験に約70人が参加した。
夜遅くまでの滞在を促すため、観光協会などは若草山の夜景観賞バスも9月23日まで運行。中間集計で1日あたり約30人の利用があったという。観光協会の担当者は「外国人観光客の増加など様々な要因があるが、宿泊施設からは夏場の稼働率が上がったと聞く」と話す。
残り:1117文字/本文:1629文字
おすすめコンテンツ
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
PR比べてお得!