損保J日本興亜-好配当グローバルREITプレミアム・ファンドが人気らしいが私は買わない理由
1.はじめに
SBI証券に登録すると、たまに投資信託の売り上げランキングに関するメルマガが来たりします。
私は、損保J日本興亜-損保ジャパン・グローバルREITファンド(毎月分配型)を保有していますが、ちょっと名前の似ている損保J日本興亜-好配当グローバルREITプレミアム・ファンド 通貨セレクトコースが人気らしいです。
でも、この人気の投信には簡単には飛びつかないよ!と思ったのでメモる。
2.損保J日本興亜-好配当グローバルREITプレミアム・ファンド 通貨セレクトコースとは?
主に北米のリートに投資するファンドです。
常に200円の分配金を出す毎月分配型で、基準価額が10,000円を割っていることから良く買われるみたいです。
週間売り上げで1位でぶっちぎりですね。
購入者が多いために資産の流入が多く、現時点で2,300億円の純資産があるそうです。
それはすごい。
3.買ってはいけない理由
損保J日本興亜-好配当グローバルREITプレミアム・ファンド 通貨セレクトコースを買わないと判断した理由を記載します。
まず、分配金についてのおさらい。
分配金についてのおさらい
分配金が、普通分配金(購入者の利益に相当)になるか特別分配金(元本払い戻し)になるかの分岐点は、購入者の取得単価と分配日の基準価額の比較です。(個別元本方式)
基準価額が取得単価を上回っていると、その上回った分のみが普通分配金になります。
特別分配金は、投資した額の一部が払い戻しとみなされるため、非課税となります。
例えば、購入時点の基準価額が10,000円、分配時の基準価額が9,000円だったとします。
この時点で既に1,000円の含み損を抱えています。
その時の分配金が200円出たとします。
その分配金は、購入時の10,000円を割り込んでるので、もともとの購入者の資産であるとみなされ、全額非課税の特別分配金(元本払い戻し)になります。
結果、購入者は200円を手にしますが、保有する投信は、200円分の資産価値がなくなりますので、保有する投信の資産価値は8,800円になります。
投資信託は元本保証ではないため、10,200円にはならないのです。
つまり、基準価額が下落する投信を持ってしまうと、いずれ購入時の資産価値を割ってしまい、含み損を抱えることになります。
そして、こういった投信から出てくる分配金は、非課税の特別分配金がほとんどになります。
というわけで、損保J日本興亜-好配当グローバルREITプレミアム・ファンド 通貨セレクトコースは、純資産は増えていても、分配後の基準価額は順調に右肩下がりになっているため、買っても普通分配金はなかなか出てこないように思います。
基準価額だけは順調に下がっていくので、購入者の資産を減らすことになります。
そもそも、税引き前の分配再投資時の基準価額推移を見ても、あんまり伸びてないです。
実際のチャートは下記リンクを。
好配当グローバルREITプレミアム・ファンド通貨セレクトコース
4.2015年2月追記
好配当グローバルREITプレミアム・ファンドの評判を求めた流入が非常に多いので、追記しておきます。
もし、あなたが、「証券会社の売れ筋投信だから選んで間違いないだろう」や「10,000円を割っているから割安だ」という基準でこの投信を購入しようとしているのであれば、購入前に少し考え直すことをお勧めいたします。
基準価額が6000円まで落ちたのはなぜ?
毎月200円も出てくるなんて不思議に思いません?分配原資はどこから?
カバードコール戦略ってどんなものか説明できます?
10月末の追加緩和で一気に円安になったのに、基準価額が跳ね上がっていないのはなぜ?
これらを説明できないなら、購入はやめたほうがいいです。
なぜ儲かるかもわからないものに投資しようとしているのですから。
「みんな買ってるから安心だ」では危ないです。
もし、用語などが良くわからず、分配金の多さだけで投信を選んでいるのであれば、「図解 はじめての投資信託」や「入門投資信託のしくみ」でご紹介しているような本でも読んでみてください。
前者は特に40~50代以上向け、後者は20~30代向けだと思います。
基準価額と純資産だけをみた投資信託の簡単な選び方あたりの記事も参考になりましたら幸いです。
なお、上記納得の上で好配当グローバルREITプレミアム・ファンドを買おうと考えているのでしたら、こんな記事なんかに惑わされず購入すれば良いと思います。
ただし、直近では分配再投資後の成績でさえ、マイナスになっています。
それでも分配金200円が欲しいですか?
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