シンドラー社:元社員を逮捕 エレベーター故意に停止
毎日新聞 2015年10月03日 11時27分
首都圏の賃貸住宅などでエレベーターが故意に止められるトラブルが相次いだ問題で、警視庁と千葉県警は3日、エレベーターの保守点検を担当していたシンドラーエレベータ(東京都江東区)元社員、李雄大容疑者(36)=東京都板橋区若木3=を威力業務妨害容疑で逮捕した。同社は8月に李容疑者を懲戒解雇し、警視庁に告訴していた。同庁は李容疑者が10件前後に関与したとみて捜査している。
逮捕容疑は8月2日午後10時54分から同11時17分ごろにかけ、茨城県つくば市のホテルでエレベーターの安全装置を作動させて1〜2階に非常停止させ、同社に安全点検などの対応をさせたとしている。容疑を認めているという。
李容疑者は当時、自分がエレベーターに閉じ込められたとホテルに通報して逃げていた。その後、同社の調査で過去にこのホテルで保守を担当していたことなどが判明して関与が浮上。社内調査に「会社といざこざがあり、困らせたかった」と説明していた。
国土交通省の調査では、李容疑者がこのホテル以外に、東京都内や千葉県内の都市再生機構(UR)の賃貸住宅でエレベーターを計7回停止させたことが確認されていた。住人ら7人が最長で約45分間にわたって閉じ込められ、うち30代の女性が気分が悪いと訴えて救急車で搬送された。【神保圭作、深津誠】