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【プロ野球】

山田が引っ張った MVP当確

2015年10月3日 紙面から

ヤクルト−阪神 11回裏2死一、三塁、雄平(左手前)のサヨナラ打で14年ぶりのセ・リーグ優勝を決め、ベンチから飛び出す山田(中央)らヤクルトナイン=神宮球場で(沢田将人撮影)

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◇ヤクルト2−1阪神

 山田の目に涙はなかった。「人生で一度も泣いたことがない」と豪語する23歳。プレッシャーから解放されて涙を浮かべる真中監督らを尻目に、さわやかな笑顔で初めての優勝の味をかみ締めた。

 この日の試合前は「緊張していますよ。早く終わってほしい」と漏らしていた。初回1死一塁で選んだ四球が先制点に結び付く。4打数無安打に終わったが、シーズンを通しての存在感は絶大だった。

 初めてレギュラーを勝ち取った昨季、193安打を放ち、日本人右打者最多安打記録を64年ぶりに更新。だが、昨年12月にへんとうの切除手術を受けたこともあり、春季キャンプでは「去年は出来過ぎ。今年はあんなに打てない。不安でいっぱい」と重圧を口にした。

 他球団からのマークが厳しくなり、今季序盤は苦しんだ。復調のきっかけは、5月の秋田遠征で受けた杉村チーフ打撃コーチの指摘。「(1)体の右の壁を意識する(2)ボールの上からバットを入れる(3)始動を早くする」と具体的な修正点を指示され、意識して練習することで徐々に効果が表れた。

 37本塁打、34盗塁はリーグトップを独走し、打率は川端と、打点は畠山と争った。トリプルスリーも確実にしており、履正社高時代を知る松田スカウトでさえも「打率3割、30盗塁はあり得ると思ったが、30本塁打は想像していなかった」と急速な成長曲線に舌を巻く。

 体の線の細さが課題だった。昨年1月の自主トレでは「体重を増やすため、寝る前にチーズバーガーを食べている」と話したのが記事になり、先輩にしかられたことも。だが昨季の途中からは食事のバランスにも気を使うようになった。最近のお気に入りは旬のサンマの塩焼き。一緒に食事する機会が多い小川は「しっかりご飯を食べるために、食事中はお酒を飲まないようにしているみたい」と意識の変化に気付いている。

 リーグMVPもほぼ確実。クライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズへ、ツバメのプリンスがチームを引っ張る。 (小林孝一郎)

 

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