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【プロ野球】真中涙、ヤクルト14年ぶりV 2年連続最下位から頂点2015年10月3日 紙面から
◇ヤクルト2−1阪神ヤクルトが2日の阪神戦(神宮)に延長11回、サヨナラ勝ちで14年ぶり7度目のリーグ優勝を飾った。真中満監督(44)は、ソフトバンクの工藤監督とともに就任1年目での胴上げとなった。前年最下位のチームが優勝するのはセ・リーグ4球団目だ。 傘の波から投げ込まれた七色のテープが、ヤクルト・真中監督の胴上げを彩った。延長11回2死一、三塁、雄平の打球が一塁線を抜けた瞬間、一塁ベンチは空っぽだ。ベンチ内では涙ぐむ指揮官を中心に、コーチ陣ががっちり抱き合って喜びを分かち合った。 2年連続最下位からの再建を託された青年監督は、一気に頂点まで駆け上がり、7度宙に舞った。 「素晴らしいですね。1試合も気の抜けない、ずっと苦しい戦いだったので、一気に力が全部抜けるような気持ち。選手はホントによく頑張ってくれた。声援が後押しになりました」 前回優勝時の若松監督の名言「ファンの皆さま、優勝おめでとうございます!」を、14年ぶりにファンに贈った。 厳しい1年を象徴するような、苦しい優勝決定戦だった。セ・リーグは歴史的混戦となり、9月18日の時点でも1位から3位までが1ゲーム差にひしめいた。「9月までは意外に早かったけど、残り20試合くらいからが長かった」。マジック1で1つ足踏みし、この日は本拠地で胴上げするラストチャンス。自慢の勝利の方程式で1点差を逃げ切れず、延長戦にもちこまれたが、「最後まで選手たちが粘って粘って戦った結果。ホントに素晴らしいゲームだった」とねぎらった。 選手に01年優勝時の主力メンバーはいないが、首脳陣は90年代黄金期のスターぞろい。真中監督も、俊足巧打のリードオフマンとして4度の日本一に貢献した。 「入団した時、野村(克也)監督から『現役時代から自分が監督になるつもりで試合を見ろ』と言われ、意識してきた」。ID野球に「考える野球」、「自主性と自己責任」の真中イズムを融合。スタンドで見守る恩師の目の前で、大輪の花を咲かせた。 黄金時代を振り返り「強いチームの選手は、自分で考えて動くもの」。キャンプでは夜の素振りを廃止、自主練習は自己責任で帰る時間を決めさせた。「サラリーマンなら5時に仕事が終わっても、部長が残っていれば帰れないかもしれない。でも、プロはそういう気遣いは必要ない。自分の練習が終わり、休養が必要なら監督が残っていても帰ればいい」。雨中の試合で、ベンチの最前列でぬれながら声援を送るのも「ナンセンス。それで体調を崩したら元も子もない」。優先順位は何かと、試合中も自分で考えて動ける『大人のチーム』を目指し、接戦を勝ちきった。 「まだCS、日本シリーズがある。きょうだけ喜んだら、今まで通り一つ一つ戦っていく」。一夜だけは美酒に酔い、14年ぶりの日本一に向かっていく。 (竹村和佳子) PR情報
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