2015年10月2日09時31分
政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)による迂回(うかい)寄付は、2007年の参院選前から手法を変えつつ繰り返されてきた疑いが強まっている。朝日新聞が入手した当時の内部文書には、迂回の理由について「寄付の限度額が年間5千万円となりましたため……」と書かれていた。
石井みどり参院議員(自民)が初当選を果たした参院選の前年の06年7月。「石井みどり中央後援会への寄付のお願い」と題した1枚のペーパーが、各都道府県にある政治団体の歯科医師連盟に届いた。
「先般の政治資金規正法の改正に伴い寄付金の限度額が年間5千万円となりましたため、このたび都道府県歯科医師連盟よりのご寄付をお願いすることとなりました」
日歯連は従来、選挙前に組織内候補の後援会に多額の寄付を一括で送っていた。たとえば01年参院選前には、当時日歯連が支援していた中原爽氏の後援会に8千万円を寄付している。
ところが、04年に自民党旧橋本派への1億円ヤミ献金事件などが発覚。日歯連は東京地検特捜部の捜査を受けた。これを機に05年に政治資金規正法が改正され、政治団体間の年間寄付額の上限は5千万円となった。
この規制を免れるため、04年の事件の捜査中に会計担当の副理事長に就任した村田憙信(よしのぶ)容疑者(70)は「迂回寄付」の手法を考案したとみられている。
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朝日新聞社会部
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