流す日々

主にアートについて語ろうと思います。


テーマ:

 リチャード・キンブル。職業、医師。

 正しかるべき正義も時としてめしいることがある。

彼は身に覚えのない妻殺しの罪で死刑を宣告され、護送の途中、列車事故

に遭って、からくも脱走した。

孤独と絶望の逃亡生活が始まる。

髪の色を変え、重労働に耐えながら、犯行現場から走り去った片腕の男を

捜し求める。

彼は逃げる。執拗なジェラード警部の追跡をかわしながら・・・現在を、

今夜を、そして明日を生きるために



TVドラマ「逃亡者」冒頭のナレーションである。矢島正明の名調子を思い出す。4月17日から始まった「リーガル・ハイ」の感想を書いている時思い出した。この4年も続いたドラマの冒頭に毎回このナレーションが入るのである。いやでも覚えてしまう。(もっとも、私が正確に覚えていたのは「死刑を宣告され」くらいまでであるが。)このドラマは日米共に高視聴率を記録したようである。私も見ていた。私の中学3年生から高校生時代にかけてである。(したがって、団塊世代は無論、50歳以上の人は懐かしく思うだろう。)この冒頭のナレーションのあと、アメリカ中を逃げ回る逃亡者でありながら、持ち前の(アメリカ人が大好きな)ヒューマニズムから、危険を承知しつつも、逃亡先で事件やトラブルに介入してしまう。そして、そこにいられなくなり、別の地に移る。そんな繰り返しだった。「あまりにも長く続いたため、その人道主義も押しつけがましく感じられようになってしまった。そろそろ終局を迎えさせるべきではないか」と高校生時代、新聞に投稿した記憶がある。(掲載されました。)

この冒頭のナレーションを正確に知りたくて検索してみるとけっこうヒットした。ただし、私が(4月19日付ブログにて)引用した「正しかるべき正義も時としてめしいることがある」の「めしいる」をこのように仮名書きや「召し入る」と書いてあるものが多かった。確かに、このナレーション以外に、現代人の言葉や文から実際に聞いたり読んだりすることは無い。(だからワープロでも変換されない。)しかし、これは間違いなく「盲る」である。でないと意味が全く通じなくなる。古語由来の立派な日本語である。

そういえば、原題(The Fugitive)からfugitiveの意味を知ったが、その後それが役に立った記憶はない。あまり使われる語ではないのだろう。



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