作者の恋愛観って、、、
乾くるみさんって男だったんだ
あらすじ(Amazonより引用)
1983年元旦、僕は、会社の先輩から誘われたスキー旅行で、春香と出会った。やがて付き合い始めた僕たちはとても幸せだった。そこに春香とそっくりな女、美奈子が現れるまでは……。清楚な春香と大胆な美奈子、対照的な二人の間で揺れる、僕の心。ラストで読者を驚愕の淵へと叩き込む、恋愛ミステリー。ベストセラー『イニシエーション・ラブ』に続く、二度読み必至の傑作!
感想
恋愛小説のふりをしたミステリー。
「イニシエーション・ラブ」を読んでいたため、騙されると知りながら読書を進めた。
読後はとにかく女性って怖い。
というよりも残酷だ。
「イニシエーション・ラブ」以上に酷い女性と、純粋な男性。
読んでいて、モヤモヤ、イライラする。
それでも読み進めていけるだけの、文章力が素晴らしい。
揺れ動く感情の表現が丁寧で優しく描かれている。
そして、女性の残酷さが随所に散りばめられている。
作者の恋愛観って、歪んでるのかなぁと思ってしまう。
しかし、この本はそういった感情の揺れや葛藤を描くことがメインではない。
丁寧に伏線を回収して、矛盾を解消していくことを楽しみに読む本だ。
そういった面での作りこみは、「イニシエーション・ラブ」の遺伝子を見事に引き継いでいる。
ただ、登場人物がひどい人間だらけなので、トリックに気付いてもモヤモヤしてしまう。
女性不信になってしまう「セカンド・ラブ」。
トリック以上に、女性のずるさ、不誠実さに目がいってしまう。
こんな女性のずるさを裸のまま描けるなんて、どんな作者なのかな。
検索してみると、おじさんがでてきた。
ずっと女性作者かと思っていたが、どうやら男性だったみたいだ。
恋愛描写は、瑞々しくて、柔らかい。
しかし描かれた女性像は残酷。
完璧に女性作者だと思い込んでいた。
そこでもう一度、作者に騙されていたことに気付いた。
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