第七感の長文相場部屋




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[2274] 最新版エクコメ?

投稿者: 第十感 投稿日:2015年10月 3日(土)09時18分8秒 softbank126078075037.bbtec.net  通報   返信・引用

◇今日の相場見通し


 今日の日本株も底堅い動きが期待できそうだ。米国株が大幅上昇となり、相対的に軟調だったNASDAQ指数も7営業日ぶりに大幅反発したことで、不安心理もやや後退しそう。なお、シカゴ日経平均先物は、OSE比165円高の1万7495円で終えているので、寄付きはこの水準が意識されそうだ。

 ただ、直近の株価急落に対する市場参加者の警戒感は完全に払拭できたわけではないだろう。これほど株価が下落したものの、某企業年金からも株を買い増しするとの話は聞かない。ターゲットレンジの下限まで株式比率は低下しても、レンジを下回っているわけではないので、慌てて買い増す必要性を感じていない模様。やはり、ボラタイルなマーケットとなっているだけに、リスクへの警戒感が根強いようだ。

 ただ、エクコメユーザーやQUICKユーザーは、こうした機関投資家の判断を別に参考にする必要もない。後ほど、今回の急落の背景を説明するが、今回の急落の要因としてメディアや市場関係者が指摘している内容は恐らく本質ではなく、単なる需給相場でもたらされた可能性が高いため、逆に割安感が異常に高まっただけと考えるべきだ。


 そもそもエクコメの相場見通しの日本株の買い根拠はデフレ脱却をベースとした経済政策を評価したものであり、その評価は消費増税を除きほぼ適切であるとの見方にも変化がないため、強気の投資判断を修正する必要など全くないからだ。

 また、エクコメでは、そもそも投資妙味の高さは、安定的なキャッシュフローの創造と総株主還元率改善のポテンシャルの高さ、そして現状の株価水準の割安感からバリュー株投資を中心に考えるべきだと繰り返し説明してきたはず。その代表がメガバンクを中心とした金融株だった。この投資魅力には全く変化もなく、むしろ直近の急落相場によるとばっちりで、同じように調整したことから、更に割安感が高まる結果となっている。

 直近の急落相場の背景も恐らく今後鎮静化に向かうだろう。なお、米国経済は、直近のCBによる消費者信頼感指数も市場予想に反して上昇し、前日のADP民間雇用者数も良好な数字が維持されている。シカゴ購買部協会景気指数は、48.7と5月以来の低水準だが、製造業のモメンタム鈍化は今に始まった事ではない。

 むしろ米国では、個人消費の方が重要であり、消費が堅調なので雇用環境も良好な状態を維持しているのである。直近の8月からの株価急落でも雇用環境の悪化がみられず、9月のCBの消費者信頼感指数も1月以来の高水準を維持しているのは、米国経済をみるべきポイントが製造業ではなく個人消費にあることを改めて理解するべき。その個人消費が堅調なのは、エネルギー価格の低下による家計の購買力の向上である。いつまでもシェール革命の発想から抜け出せず、エネルギー価格の下落→鉱山投資の減少→関連企業の収益悪化→米国経済の悪化という、その辺の素人個人投資家的発想は、改めるべきだろう。

 そもそも米国は、経常収支の赤字、つまり内需主導型経済であることから、ポイントは個人消費であるのは常識だろう。だから、米国経済は相対的に底堅いのである。

 よって、米国経済への懸念も今後払拭するだろう。年後半は、エネルギー下落とドル高による要因が剥げてくるため、その分だけ企業業績のモメンタム改善にも寄与してくる。内需の堅調さが維持されている間は、やはり米国株も更に大きく崩れていくリスクも低下していくだろう。

 日本は、デフレ脱却と名目経済成長率ターゲットを掲げたことで、株式市場にはもちろんポジティブ。600兆円の名目GDPは不可能だという指摘は多いが、別に不可能でも何でもない。適切な経済政策を行なえば、名目GDP成長率3.5%程度の成長など十分可能。よって、直近の株価急落で日本株の割安感が更に高まっているので、引き続き強気の投資姿勢でいいだろう。

 欧州はやはり地盤沈下でCPIはマイナスになった。S&Pは、ECBの資産買入が倍増されるとコメントしているようだが、このデフレ傾向は景気低迷の中で発生している悪い物価下落なので、恐らく緩和強化の可能性も高まるだろう。


 直近は、ドイツがVWによる不正問題で偉そうに言える立場でもなくなった。経済統計の不正を行っていたギリシャに対して強硬姿勢を維持していたが、あろうことかドイツを代表する民間大企業のVWが世界で不正を行っていたという笑えない状況となっている。もちろん、ドイツ政府の監督責任にも繋がる話。恐らくドイツ経済が国内要因で悪化すれば、過剰な緊縮財政への圧力も後退する可能性が出てくるだろう。

 中国も矢継ぎ早に経済対策を打ち出し、米国経済も底堅い、欧州の経済悪化も緊縮路線の修正期待に繋がる可能性もあるだろう。日本は、今後安全保障から経済立て直しに軸足を移す。今回の世界同時株安の要因も、今後は徐々に後退する可能性も高いことを考えても、やはり日本株は買い場という認識でよさそうだ。

 ただ、日本株の上昇期待があっても、日経レバといった安易なものには手を出すべきではない。あくまで投資に徹するべき。日経レバは、投資でなく投機だ。そして、投資の基本は安く買って高く売ること。なら、選ぶべき対象はバリュー株になる。エクコメユーザーやQUICKユーザーは、引き続きバリュー株を愚直に買い貯める投資を維持すればいいだろう。もちろん、バリュー株と言えば、どのセクターかは改めて指摘する必要もない。




 なお、ブローカーのレポートでは、大和証券が新日鉄住金ソリューションズ(2327)の投資判断を「3」から「2」、目標株価を4700円から5510円に引き上げているようだ。メガバンク案件の減少を新規・追加のフィンテック需要の増加で吸収できるとの見方から、業績予想を引き上げた模様。それに伴い目標株価を引き上げたことで、現状株価からの上値余地から投資判断も引き上げたとの観測。


 野村證券が大阪製鐵(5449)の投資判断を「ニュートラル」から「バイ」、目標株価を2400円から2450円に引き上げたようだ。東京製鐵(5448)のTOBによる子会社化を評価して、業績予想を上方修正し、目標株価を引き上げた模様。現状株価からのアップサイドから投資判断も併せて引き上げたようだ。


 クレディスイスが日産自(7201)の投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」、目標株価を1300円から1450円にそれぞれ引き上げたとの観測。販売寄与度の高い中国の自動車取得税半減策の恩恵を受けるとして業績予想を上方修正したことで、ターゲットプライスも併せて引き上げたようだ。現状株価からの上値余地が更に拡大したことで、投資判断も引き上げた模様。


 モルガンスタンレーMUFGは、JT(2914)の投資判断を「オーバーウエイト」から「イコールウエイト」、目標株価を5000円から4000円にそれぞれ引き下げたようだ。NASの買収によりM&A戦略に対する評価の低下、為替前提の変更による業績予想の下方修正、株主還元期待の後退を理由に投資判断を引き下げた模様。目標株価も業績予想の下方修正を理由に併せて引き下げたとの観測。


 バークレイズがHOYA(7741)の投資判断を「イコールウエイト」から「オーバーウエイト」に引き上げたようだ。2Qの業績も1Qに続き全般的に堅調な業績が続いていると予想されるものの、株価が直近に高値から26%も下落。TOPIXの下落を大きく上回る下落率となっており、割高感が逆に解消したと判断している模様。セクター内の相対感から投資判断を引き上げたようだ。なお、目標株価は中期的に期待される株主還元額の1株当たり150円に対し利回り3%にあたる5000円を据え置いているとの観測。
 また、バークレイズは、GSユアサ(6674)の投資判断を「ウンダーウエイト」から「イコールウエイト」に引き上げているようだ。事業戦略の方向性が不透明な部分も少なくないものの、足元の株価はそうしたリスク要因もある程度織り込んだ水準だと判断。セクター内相対感も考慮し、レーティングを引き上げたようだ。なお、目標株価は480円を据え置いている模様。



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 さて、29日の東京市場で日経平均は、9月1日以来となる700円超の大幅下落となった。流石にここまで一方的に売りまくる相場は想定外だった。でも、この700円超の下落を見せつけられても日本株は買い場であるという見方に全く変化はない。これは、ここまでの下げの見通しが予測できなかったので、今更見方を変えられないから買い場と言い続けているわけではもちろんない!断じてない!改めて言う。そして、何度も言う。この急落相場は、買い場であるという点には全く変化がない。

 以前から言っているだろう。日本は、デフレ脱却を最優先にし、インフレ目標2%の持続性(ディマンド・プル・インフレ)の政策を掲げ、その目標達成の為に日本銀行が動き、そして名目GDP成長率3%を政権が目指すと公約した時点で、日本株投資は中長期投資の対象になったと。そのベースに変更がない限り、強気の見方にも全く変化はないのである。

 なお、未だに市場関係者の大半(ほぼ全員と言ってもいい水準だろう)やメディアは、火曜日の急落は、中国経済懸念を理由にしている。本当に懲りない人たちである。本当に中国懸念なら、なぜ火曜日の中国株の下落率の倍以上に日本の株価指数は下げなければならなかったのか?景気の悪化の影響は、中国自身よりも日本経済の方に影響が大きいのだろうか?そもそも、日本の輸出の絶対額が増加しているのは、中国要因でも何でもなく、米国向け輸出が好調だったからである。だから、ポイントは中国ではなく米国だと何度も言っているだろう。なお、日本の対輸出先では、円安効果もあって、再び米国であることぐらい認識しているはずだ。よって、日本経済にとって、注目するべき点は、米国経済であって、中国経済ではないのである。もちろん、中国経済も重要だが、中国経済懸念はリセッション、つまりマイナス成長になるなら話は別だが、あくまでモメンタムの鈍化である。

 以前から言っているだろう。中国は消費経済に移行していると。そのことは、既に大手企業の経営トップの発言や外資系企業の中国向け売上の増加傾向からも確認できる内容だろう。なら、質問である。中国の賃金上昇率はどの程度なのか?中国懸念を指摘するぐらいなら、もちろんそんなことは頭に入っているはずだろう。中国の財新PMIのモメンタム動向だけなら、その辺の素人投資家でも今なら注目し確認している話だろう。

 人事コンサルタント会社の香港HRBS社の今年の予想賃金上昇率では、中国は8.8%になっていた。香港大企業でも4.4%の上昇が見込まれていたはず。中国の製造業のモメンタム鈍化の要因は、様々なものが含まれているが、その最大の要因が賃金上昇率と元高である。特に農村部からの出稼ぎ労働者への配慮から、中国はこれまで最低賃金の引き上げを大幅に政策面で進めていた。これが、逆に中国の製造業の競争力の鈍化に繋がった。そこにきて日本のアベノミクスによる量的緩和策で日本の円高が大きく修正されたことから、更に中国製造業の国際競争力が鈍化していったのである。

 また、急速な工業化と過剰なインフラ投資が公害問題を引き起こし、その過度な投資による弊害に対応するため、投資の抑制も行ったことで、中国経済のモメンタムは鈍化したのである。未だに中国統計は信用ならないという意見もあるが、信用できないのは先進国も同じ。日本でも東芝やオリンパスの不正会計、ドイツでもVW問題で露呈しただろう。なお、中国のGDPは信用ならないといっているベンダー記事があったが、まさか一般に公表されているGDP成長率が本当の成長率だなんて思っている人間などいないだろう。こうした統計で捕捉できない経済活動をなんというか。アングラ経済である。中国はその比率が恐らく高いだろう。だから、不正摘発で恐ろしいほどの逮捕者が出るのである。また、イタリアもアングラ経済の規模は大きいと言われているが、その規模はGDPの30%にも達するという見方もある。政府でさえ捕捉できない経済状態を一民間調査機関が捕捉できるはずがないだろう。だから、一応公表数字を基本に考えるしかないのである。その部分を補うものとして、ミクロの個別企業の業績などで補うのだ。そんなに中国経済が悪化しているなら、消費の堅調は何なのか?それは、やはり賃金上昇率の高さにあるだろう。

 なお、この高い賃金上昇率が逆にある経済構造変化をもたらした。そう!それが消費型経済への移行である。既に中国は消費型経済に移行しつつある。だから、ナイキの販売は大幅増で、またファーストリテイは出店に積極的なのである。直近は、iPhone6sの中国での販売も好調となっていると思われる。

 製造業のモメンタムが鈍化しているにもかかわらず、この堅調な消費は一体何なのか?日本での「爆買い」は一体何なのか?以前からエクコメでは説明しているだろう。直近の世界同時株安が発生し、中国経済懸念とメディアや市場関係者が騒ぐので、恐らくその背景も忘れているものが大半だろうが。金融業界にも長年いたのでよく思うが、金融業で働いていても、別に常日頃から経済を自分で理解するように心掛けたり、統計データを自分で繰り返し確認する人はほとんどいない。大半は、今日の相場の動きでもっともらしい説明ができればそれで良いというレベルで満足してしまっているのではないだろうか?私がいた機関投資家営業でも、ほとんどがそんな感じだった。だから、相場の動きに意見がブレるのである。意志が萎えるのである!それは自分の頭で考えないからだ。そのことをはっきりとエクコメユーザーやQUICKユーザーは認識してほしい。

 では、なぜ中国経済が消費型経済に短期間で移行できてきているのだろうか?それは、政策面で最低賃金の引き上げをもたらす一方、ある数値が大きく鈍化しているからである。ある数値とは一体何か?直ぐに思い浮かぶ人は、本質を理解している人だろう。そうである。CPIである。では質問である。中国のCPIの直近の数値はどの程度なのだろう?

 2015年8月のCPIは2%である。つまり、賃金上昇率とCPIを考慮すると明らかに実質賃金の上昇率が高くなる。これは、企業側からすれば労働コストの上昇を意味するが、一方で購買力の向上をもたらす事で、消費動向にはプラスの影響を及ぼすことになる。中国は、この消費型経済を進めてきた。何故だかわかるだろうか?それは、賃金格差を解消させないと中国共産党一党独裁の社会主義体制が維持できなくなるからである。そんなことまで考えている市場関係者がどれだけいるのか疑問だが。もちろん、経済データを時系列に並べ、モメンタムの動向だけで中国経済を語っているメディアは、全くそうした分析などもしていないのだろう。

 この高い実質賃金は、低所得者層の最低賃金率の引き上げ率の方がかなり大きいから、高い経済成長に影響を及ぼすある現象を引き起こすことになる。このある現象とは何か?そう、中間所得者層の規模が拡大することを意味する。

 エクコメの相場見通しでは、何度も高い経済成長となった国の共通点として、中間所得者層の規模拡大があったことを説明してきたはずだ。米国のゴールデン60、日本の高度経済成長、BRICsの高い経済成長、アジアNIEs(香港、シンガポール、韓国、台湾のアジアの四小龍)の成長も中間所得者層の拡大が成長の源泉となっている。

 だから、何度も言っているだろう。中国は経済産業構造に変化が出てきているので、従来の視点でそれに関連する統計データをトレースして数値を眺めるだけだと本質など全く分からないのである。昨日は、経団連の榊原会長が中国経済の6%台の達成は可能だという見方を示していた。ただ、この組織は消費増税10%への再引き上げを確実にしなければならないとも指摘しているので、経済分析力がそもそも高い組織では全くないが、現場感覚のある財界でも中国の6%台成長は可能だと指摘するのは、別に違和感のある指摘でも何でもないだろう。因みに、日本の財政は、極めて危機的な状況にあるとも経団連は指摘していたが、そのような状況になった要因は、全く理解できないようだ。

 日本の財政赤字がこれほど拡大したのは、景気低迷の長期化による相次ぐ大規模景気対策と為替介入による国債発行の急増、そして景気低迷によるプライマリーバランスの悪化である。恐らく、国債発行残高の中に、為替介入に絡んだ国債を考慮して議論などまずメディアや市場関係者の大半はしない。この部分を考慮して考えても国債残高は多いが、上記で指摘した国債発行増加要因である景気低迷とプライマリーバランスの悪化は、共に景気に絡んだものである。不景気だから、社会保障費も増加し、景気対策費用も増加した結果、国債発行額も急増した。また、プライマリーバランスとは、歳入と歳出の差額、正確に言えば、国債利払費を除いた純粋な収支のことだが、これが赤字となったのは、歳入が低下したからである。歳入つまり税収が減少したのは、納税額が減少したからである。なぜ納税額が減少したのか?

 税金は経済活動を行う事で発生する。消費税、所得税、法人税、キャピタルゲイン課税など歳入の大部分を占める税金は経済活動の結果発生する。固定資産税や相続税は別だが、基本は経済活動の結果発生するのである。

 なら、何故こうした税収が減ったのか?デフレ経済になるほどの経済状態になったからである。なら、何故デフレになったのか?それは景気が悪化し、最終需要が低下したので、設備投資も減少し、経済活動が低迷したからである。バブル崩壊による海外投資のリパトリと貨幣保有願望の上昇で、円高も進んだことから更に景気が悪化し、デフレを深刻化させた。

 この円高の要因から発生した輸入物価の下落でデフレになったと言っている分析力がゼロに近い残念な人が未だにメディアや市場関係者にいるが、円高による輸入物価の下落でデフレになどならない。この輸入物価の下落は、個人消費にとっては逆にプラスになる。企業の製造コストも減少することになり、可処分所得の上昇や企業収益の改善に繋がり、総需要にとってはプラスになるからだ。

 この点を理解できないのが債券系エコノミストやメディアなどの「チーム御用」である。しかも、中国の製品コストが安い時の輸入物価の下落は日本のデフレには全く関係がない。これも、家計の可処分所得の上昇と企業の製造コストの低下に繋がり、総需要にとってはプラスに左右するからだ。だから、日本がデフレの時でも中国本土との貿易が日本以上に高かった香港がデフレになどならなかったのである!人口問題もドイツは日本よりも先に労働人口が減少したが、デフレになど陥っていない。本当に日本では、メディアやメディアに登場する市場関係者の話を鵜呑みにして聞いていると頭が悪くなる(恐ろしく頭が悪くなる)。このことを再認識するべきだろう。なお、円高は別の意味でデフレ要因になることは事実だ。それは、輸出競争力の低下に繋がり、国内製造の優位性が低下することで、国内生産の減少や投資の低下を招くことで総需要が減少するからだ。ただ、円高による輸入物価の減少自体はデフレ要因でも何でもない!このことが分からない人は恐ろしいほど多いが。

 だから、エネルギー価格の低下が逆に先進国の国内需要の改善に繋がっているだろう。直近は、市場予想に反して米国の消費者信頼感指数は、逆に上昇していた。その要因は、何といわれていたのだろうか?そう、エネルギー価格の減少による家計のコスト低下が、購買力の改善に繋がり、消費者の心理的改善に繋がっていると指摘されているだろう。だから、米国消費は堅調なのだ。米国経済については、後ほど改めて説明する。


 なお、消費税は、戦後最大の悪税であることをそろそろ認識するべきなのである!1970年代以降に先進国が低成長に陥った(これを経済分析力のない人間達は、成熟経済に移行したなどと言っている)最大の要因は、インフレ率を過剰に低下させたことで、価格効果による付加価値の増加を抑えてしまったことから、付加価値の分配原資の増加が抑えられ、結果的に家計の所得増加率が低下してしまったからである。そして、その分を補うために、米国企業は、日本よりも先にグローバル化した。また、付加価値の低下が労働者の交渉力を低下させ、それが労働組織率の低下も招くことになり、賃金交渉力の低迷に繋がったことから家計への実質所得の上昇の鈍化を招き、経済成長率が大きく低下することになったのである。

 これで、インフレ率は人為的に抑えられ、その結果市場金利も大きく低下した。その時期に米国は金融自由化の流れとなる。これが、1970年代以降にグローバルでバブル経済の生成と崩壊の短期化が進む結果となったのである。付加価値増加率が低下し、それをレバレッジ経済で補えば、バブル経済をもたらしやすく、崩壊もしやすくなるのは簡単にわかるだろう。

 エクコメでは何度も説明しているので、エクコメユーザーやQUICKユーザーは既に認識しているだろう。こうした世界経済史についても金融業界にいるならしっかりと勉強してもらいたいと思う。

 では、1970年代以降に消費が低迷したことが経済成長を低成長にさせてしまった要因だとわかれば、なぜ消費税が戦後最悪の悪税であるのかもわかるだろう。そう、消費税は家計の可処分所得を更に低下させてしまうため、経済成長の鈍化を必ずもたらすからだ。だから、日本は1980年代の消費税導入でバブルが崩壊し、97年の税率引き上げでデフレ経済に陥り、2014年の増税でも2期連続のマイナス成長というテクニカルリセッションに陥ったのである。もちろん、それ以外の要因も大きい。その要因もエクコメでは過去に説明済み。

 日本以上にリーマンショック後に量的緩和を積極的に行ったイギリスは、消費増税で未だに金融緩和から抜け出せていないだろう。イギリスと言えば、労働党の新党首コービン氏には期待したい。経済顧問には、何とピケティ氏とスティグリッツ氏を起用するという。また、インフレターゲットに加え、中銀に経済成長ターゲットの導入も検討されている。次の総選挙は2020年とかなり先だが、次回の労働党には個人的には期待したい。

 なお、日本の税収が悪化したのは、個人消費の低迷だった。1970年代の先進国の経済成長鈍化も個人所得の伸び鈍化による消費の鈍化である。だから、個人消費が期待できるところにグローバル企業は積極的に投資し、それが更に投資先の経済成長を引き上げることに繋がっているのである。BRICsの成長や東欧や東南アジアの成長も中間層の拡大による個人消費の堅調が高い経済をもたらしたのである。つまり、家計(特に低・中所得者層)の負担を極力避ける税制を目指すべきなのである。だから、逆進性が高く、低・中間所得者層への負担が特に大きくなる消費増税はやるべきではないのである。こんな当たり前の事すらわからない人間が未だに日本では腐るほどいる。本当にどこまで頭が悪いのだろうか?

 だから、経済活動が低迷し、プライマリーバランスの改善がなかなか進まず、財政赤字が拡大し続けているのである。納税とは、働いた対価として納めるのが本来あるべき姿である。その納税する大前提となる経済活動にマイナスとなる消費税が今の日本でやるべきことであるはずがないだろう。

 だから、直近でもクルーグマン氏は消費増税に否定で、逆に日銀引き受けをやってでも財政政策を拡充させるべきだと言っているのである。でも、日本のメディアや市場関係者の大半は、日銀の直接引き受けになるとハイパーインフレになると未だに思っている。本気で思ってるなら、相当頭が悪いのだろう。需要が顕在化せず、恐ろしいほどの超過需要にならないとハイパーインフレになどならない。ドイツ、ハンガリー、直近のジンバブエのハイパーインフレや北朝鮮のデノミによる高いインフレは、全て需要超過で発生している。戦後に日本の高いインフレも本土空襲による供給力の大幅減少の中で、退役軍人の本土帰還による手当やGHQへの予算肩代わりなど貨幣増発を招き、戦前の価格等統制令による人為的物価抑制のタガが外れ、一気に物不足に陥ったことで高いインフレ率となったのである。もちろん、戦時体制時は軍需産業に資源が集中されていたので、民間需要を満たす供給力が大きく減少していたことなども影響している。こうした歴史を理解もせず、未だに日銀引き受け=ハイパーインフレと言っている人は、まともに歴史の勉強もしたことがないのだろう。歴史も知らないでいい加減なことを言う人間が本当に多すぎる。

 ナチスドイツの初代国民啓蒙・宣伝大臣のヨーゼフ・ゲッペルスは、嘘も100回言えば真実になると言ったが、日本ではメディアや市場関係者の大半が繰り返し嘘を言うので、消費増税しないと財政危機になるだとか、ハイパーインフレになるだとか本気で思っている国民は未だに恐ろしいほどいる。だから、この国は駄目なのである。まともなことがコンセンサスにならないからだ。

 なお、100の嘘に1つでも真実を紛れ込ませれば、人は簡単に信用させることができると言われているが、それは、嘘は理解できなくても、1つの真実が理解できれば、残りの99が本当の事ではないかと思ってしまうからである。人間は、全部が分からなくても類推する能力があるため、1つでも真実であると理解できると、全体が真実だと認識してしまうのである。特に知識や自分で論理的に分析できない人間ほどこうした簡単な嘘に引っかかる。それは、人間には恥を避ける傾向があるという心理状態も上手く騙す人間は使うからだ。仮に、おかしいと思っていても、「そんなこともしらないの?」といった雰囲気で話されると、反論できなくなるだろう。それと同じなのだ。特に日本は、権威主義の社会なので、肩書があると反論する度胸すらなくなる人間が多い。是非、エクコメユーザーやQUICKユーザーは、肩書で信用するのではなく、内容で信用できるようになってもらいたいと思っている。二浪一留で、就職活動も落ちまくった私でも超エリート(?)の「チーム御用」を斬りまくるように(笑)。自信は自らの頭を磨いて、自分で勝ち取るものなのである。

 消費増税の愚策については、何度も指摘しているので話を元に戻そう。

 中国は、直近も小型乗用車に対する自動車購入税を10%から5%に引き下げた。中国経済が本当の意味で崩壊しないのは、中国政府の対応が自由主義国に対してあまりにも対応が早いからである。これが中国の最大の強みであるのだ。なぜ、サブプライムショックからリーマンショックに繋がり、先進国の世界同時恐慌状態に陥ったのかわかるだろうか?信用の膨張と崩壊が事態を深刻化させたことは間違いないが、あそこまで危機を深刻化させた最大の理由は、自由主義国の意思決定、つまり対応が遅いからである。

 金融支援についても、安易に救済すればモラルハザードに繋がるとして、危機が深刻化するまで対応が遅れた。信用の崩壊が始まっている中で、金利を引き下げても意味がないのに、量的緩和策を導入するのも遅れた。市場が求めているのは、流動性なのに、金融コストの引き下げてある利下げを行っても効果がないなど当たり前なのである。これが危機を深刻化させたのだ。

 だから、積極的な財政政策と量的緩和を行うと、100年に1度の経済危機だと言われながら、わずか数年で危機は鎮静化しただろう。これが現実なのである。正しい政策を行えば、危機は早期に収束するし、経済成長も高めることができるのである。

 だから、アベノミクスの「新三本の矢」で、名目GDP600兆円も非現実的な目標でも何でもない。きちんと経済政策を行なえば、達成は十分可能なのである。2020年に600兆円を達成するために必要な名目経済成長率は3.5%弱の名目GDP成長率で達成は可能。ただ、前日は経済同友会がこの目標値は非現実的だと言っていた。全く根拠も示さず、否定するなどあってはならない。人口減少など目標達成の障害になどならない。資本回転率を高められるデフレ脱却を進め、そして可処分所得を向上させてあげれば、この程度の成長率の達成など不可能でも何でもないのである。本当に経済分析も出来ない人がなぜ日本ではこれほどいい加減なことを言える環境であるのか不思議である。恐らく、それはプロであるはずの経済学者やエコノミストの大半のレベルが恐ろしいほど低いからだろう。

 だから、直近の日本株の大幅下落の要因も中国経済懸念だと未だに本気で思っているのだ。

 では、直近の日本株の大幅下落の要因をはっきり説明しよう。既に、エクイティコメント内では29日の急落時にそのポイントは指摘し、記事として配信したので理解しているはず。エクコメユーザーには繰り返しになる点も多いが勘弁してほしい。QUICKユーザーの為にもこの相場見通しは書いているので・・・。

 直近の世界同時株安が強烈に進んだ最大の理由が何かQUICKユーザーは分かるだろうか?まさにブラックマンデー並みの下落(一日あたりの下落ではブラックマンデーの方が相当凄いが)となった理由は何なのか。なお、ブラックマンデー時のNYダウの下落率は22.6%、日経平均は14.9%となっているので、そこまでの下落率ではないが、一日の下落ではかなり大きなものになった。

 さて、直近の下げ方の特徴は、ほぼ全面安になるという点。つまり、先物主導で下げを主導するので、一方向に下落するのが特徴となっている。メディアや市場関係者の大半は、この下げの主因は、中国経済懸念だと未だに思っているようだが、その中国懸念で特に注目されている上海総合指数は、既に1カ月も横ばい圏で推移している。

 上海株急落がそもそも中国懸念のスタートとなっていることを考えても、中国要因のみで今の先進国の世界同時株安を説明するのはかなり無理がある。

 なお、直近の投資主体別売買動向で、特に売りの主体は海外投資家である。なら、この海外投資家に一体何が起こったのだろうか?直近の下落は、日本だけではなく、欧州や米国でも発生しており、グローバルで発生している。

 実は、この急落の謎を解くポイントとなる面白い話を某大手機関投資家営業が教えてくれた。彼は、この下げのポイントとして注目しているのは、ターゲットボラティリティやリスクパリティのアセットがエクイティの比率を下げていることから、相場の本格反転はまだ難しいとの指摘だった。

 QUICKユーザーは、個人営業の方が多いと思うので、ターゲットボラティリティやリスクパリティというファンドが何かというのが今一よくわからないという人もいるかもしれないので、一応簡単に説明しておこう。

 ターゲットボラティリティとは、ターゲットとするボラティリティを超えると超えた割合に応じて株式の割合を減らすことで、ボラティリティリスクを抑制するオペレーションを採る。リスクパリティとは、組入資産クラスのリスクを均等配分するように資産クラスの変動に左右されないポートを構築するオペレーションを行う。

 つまり、株のボラティリティが上昇すると、リスクを落とす為にエクイティの割合を自動的に落としていくことになるのである。これが直近にボラティリティが急激に上昇したことで、一気にエクイティの比率を下げ始めたことが急落を大きくさせている可能性が極めて高い。

 ということで、バイサイドの某大手信託銀のPMにこの点を確認してみた。

 「確かに、ターゲットボラティリティは、当社を含めてリーマン・ショック後に流行りましたね。なお、見ているリスク指標や合成割合もバラバラですが、方向性は同じなので、ここまで下がってくるとリバランスが重なる可能性は高いと思います。また、リスクパリティは、異なる資産を跨がず、株式資産は内外株でリスク量を均等に、債券も内債とヘッジ外債のリスク量を均等になるように試算し、これをターゲットボラティリティとセットにしているファンドが多いと思いますので、ターゲットリスクまで下げるために株を売っている影響は大きいかもしれませんね」とのことだった。

 何やら直近の急落の背景が解けそうだ。では、今回の急落のタイミングからして、切っ掛けはやはりFRBの利上げ懸念によるボラティリティの上昇にあると考えられるだろう。それが、こうしたリーマンショック後に年金基金や資産運用会社、年金コンサルなどでブームになったターゲットボラティリティやリスクパリティのアセットの売りを一斉に誘発させたことで、先進国の異常な下げに繋がったとみるべきだろう。

 特に中国経済懸念の元凶とされていた上海総合指数の急落当初は、以前も指摘したように上海株と米国や日本株の相関係数は極めて低かった。それが8月後半からの先進国内の異常な株価下落が発生すると、日本株と米国株の相関係数が異常に高まっていたことを考えても、やはり急落の背景は米国の利上げ懸念によるボラティリティの上昇にあると考えるべきだろう。

 では、その仮説を検証してみよう。便利なことに、米国にはボラテリティの指数であるVIX指数というものが存在する。この指数のチャートを2012年から確認してみると、凡そ10-20の間で推移していた。直近では、ギリシャショックなどのグローバル経済懸念があった時でも30を超えたことはなかったのである。それが直近の8月下旬から上昇し、8月24日には瞬間的に53.29まで上昇したのである。このボラティリティが上昇し始めるのと呼応して米国株の下落幅も大きくなっている。もちろん、これは株価が下落したのでボラティリティが上昇したということも言えるが、ボラティリティターゲットには、この異常なボラの上昇が発生するとエクイティ比率を引き下げる動きに繋がっていく。これがその後の異常の株価変動とボラの高止まりで継続的にエクイティ比率を低下させているのだろう。恐らくこの背景を理解している人にとっては、このアセットの継続的な売りが確認できる間は、この下げ相場がなかなか沈静化しないと思うことになる。

 なお、ここでボラティリティが直近の水準まで上昇した時期が実は2011年の夏場にも発生している。当時の急落では、ギリシャ問題、米国債務上限問題、そして新興国の景気減速懸念などがあった。この時も世界同時株安が発生しているのである。ただ、この当時のVIX指数の上昇でも50を超える水準までの上昇はなかったのである。如何に直近のボラティリティの上昇が瞬間的ではあれ大きかったのかもわかるだろう。ただ、VIX指数はその後低下し、20台まで低下しているが、それまでのレンジ水準からはまだ高い水準に位置している。

 このボラティリティターゲットなどは、先ほども説明したようにボラティリティの上昇がターゲットを上回るとエクイティ比率を下げていくことになる。では、ボラティリティは、どういったときに上昇するのだろうか?株価変動が大きくなった時である。これは、株価が急騰した時もボラティリティは上昇する。しかし、追加緩和などで株価が急騰してボラティリティが上昇して、仮にこうしたアセットがエクイティ比率を下げるために売りに回っても、緩和を好感した買いが一方で発生するため、この時の売りは市場に影響をもたらさずに吸収できる。

 しかし、急落によるボラティリティが上昇した時はどうなるのだろうか?そう、市場で売りが優勢になるなかで、こうしたアセットの売りが出てくると、更に需給を悪化させることになる。なら、直近のボラティリティ上昇は、株価上昇に伴って発生したものなのか?それとも下落に伴って発生したものなのか?そう、下落時のボラティリティの上昇である。なら、相場がどのような動きになるのかも凡そ理解できるだろう。だから、直近の世界同時株安では、先進国の株価下落が強烈に発生したのである。

 なお、このボラティリティターゲットやリスクパリティについて調べていた時に面白いレポートを発見した。2012年に米資産運用会社であるプリンシパル・グローバル・インベスターズ社と英調査機関のCREATE-Research社が共同で発表した資産運用ビジネスに関する調査報告書というものがあった。ここには、投資家は、ボラティリティ管理と資産配分によりダイナミックなアプローチを求めていることが明らかになったとしている。

 このレポートには、調査対象企業の78%が市場の値動きの不安定さが長期化していると感じており、ボラティリティを投資機会に変えられるかどうかは疑問を呈しているという結果となっていた。なお、この調査報告書の対象は、世界29ヵ国の年金基金、資産運用会社、年金コンサルタント、管理代行会社、ファンド販売会社に籍を置く289名を対象に行われた調査に基づいたもので、調査対象となった運用資産規模は、なんと合計で25兆ドル(約3000兆円)以上に上るとしていた。

 こんなバカでかい運用資産規模の運用者の大半が、ボラティリティ管理の重要性を認識していたなら、先ほどの某信託のPMが言っていたように、リーマンショック後にボラティリティターゲットがブームになっていたという指摘とも整合性が取れるだろう。このリサーチレポートには、リターン面で資産運用会社が取るべき行動の一つとして、リスクの最小化を図る必要性を(66%)にも及ぶ回答があったということである。こうしたリスク管理を重視するようになってきていたことが、逆に今回のような大きな変動を生み出したと考えていいだろう。

 しかし、この動きがある問題を引き起こしている。まさにブラックマンデーと同じである。ブラックマンデーの要因には様々な点が指摘されていたが、その一つにポートフォリオ・インシュアランスが急落を大きくさせたと言われている。当時の運用業界では、下落に対するヘッジとして、先物を自動的に売っていく、このファンドがブームとなっていたと言われていた。これが下げを大きくさせた。下げるから先物で売る。だから更に下がるので、更に先物でヘッジ売りが出てくることになり、事態を深刻化させた。

 つまり、個々のリスクヘッジの行動が、全体の売りを誘発させ、危機的な下落に結びついていったといことである。つまり、個々のリスクヘッジが全体のリスクをより大きくさせたのである。つまり、合成の誤謬である。部分最適が全体最適に繋がらないという悲惨な結果を招いた。

 サブプライムショックでも、合成債券のCDOがリスク軽減に全くつながらなかっただろう。リスクの総量自体はどうやっても減らないのである。しかも、経済危機が発生した時は、危機は伝播する。マクロ経済の影響を全く受けない経済主体など存在しないのだ。しかし、リスクアセットのリスクの違いを組み合わせれば、リスクが軽減するという誤った発想から、信用の膨張を招き、それがリーマンショックという金融システム危機をもたらし、100年に1度の経済危機を招くことになったのだ。CDSも同じである。この受け手となったAIGは、危機が伝搬することを想定せずにCDSを発行しまくり、結果的に経済危機が発生すると、支払余力がなく、資本が大幅に劣化し、国有化の憂き目にあった。経済の不安定化は、投資の不安定化をもたらし、そのことが問題だと指摘したケインズの言葉を忘れ、金融工学という非現実的な仮定を基に、経済学が進化してしまい、より現実から遠ざかるという使えない学問となったのである。

 また、リスク管理を統計に頼るという愚かな状況にもなった。これは未だに続いている。なお、テールリスクは、人為的にインフレ率を抑え、レバレッジ経済を拡大させたことで容易に発生することは現実社会を理解している人間ならわかるはずなのだが、現実のビジネス経験も乏しい人間達が制度設計すると、逆にリスク管理が不十分になった。リスク管理ができていると思い込んで、恐ろしいほどのレバレッジをかけたものの、流動性危機になるという不測の事態に対応できずに破綻したヘッジファンドがあっただろう。そう、LTCMである。

 しかし、今度はこのリスク管理を徹底しようとするあまり逆に全体のリスクをより高めるという問題を引き起こしている。それが直近の世界同時株安である。

 こうした実体経済と全く違った要因で逆にリスクが大きくなるという視点がない人間ほど、直近の世界同時株安の要因を中国経済懸念などと言い出すのである。しかし、その中国経済懸念のはずなのに、ナイキは中国で売上が3割も伸び、ユニクロをはじめとする日本の小売企業などは中国に積極的に進出するという動きとなっているのである。

 株価も上海総合指数やハンセン指数、また中国経済との結びつきを更に強化しているはずの韓国のKOSPI指数が一段安しているわけでもないのに、なぜか中国株以上に日本株が下落するという「ナニコレ珍百景」状態となっている。エクコメでは、以前から中国経済懸念で日本株などは下げていないと繰り返し述べてきたが、メディアや市場関係者の大半は未だに中国懸念で日本株が売られていると解説している。しかし、中国での外資系企業の小売販売の動向、財界から中国の6%台成長は可能だと指摘されるというマーケットを解説するメディアや市場関係者の見方と現実社会は違った動きになっているのである。

 しかし、今回ボラティリティファンドのブームによるリスク管理の共通化が逆に株価下落時に大きく株価を下げさせる要因として機能しているだけだったと考えれば、直近の世界同時株安の背景もクリアになるだろう。ファンダメンタルズを逸脱した売りが発生する要因もわかるだろう。せめてエクコメユーザーとQUICKユーザーだけは、直近の下落は中国懸念で売られているというお寒い解説を顧客にしないでほしい。逆にアドバイザーとしての質の高さを見せつけるべきだろう。

 直近の先進国の世界同時株安の背景が何となくわかっただろうか?中国懸念でも何でもないのである。だから、中国と関連の乏しい銘柄まで強烈に下落したりするのだ。また、上海総合指数がそれほど反応していないのに、先進国の株価が異常に反応するのである。

 ただし、こうした要因であってもまず株価が急落してボラが高まったから、エクイティの比率を下げることになり、それが更に事態を悪化させたので、彼らの動きが下げの切っ掛けではない。つまり、売りを最初に仕掛けたのは、彼らではないのである。リスク管理に対応しただけだ。なら、この急落をもたらした別の主体がいることになる。

 恐らく、このような指数の大幅下落をもたらした売りを仕掛けた連中がいる。今回の世界同時株安をもたらすほどの売りを仕掛けることができる連中など限られている。しかも、その切っ掛けがマクロ政策変更のFRBの利上げ懸念にあるとすれば、こうした材料を売買のネタにする連中など限られている。そう、マクロ系ファンドである。

 マクロ系ファンドの代表人物と言えば一体誰が思い出されるのだろうか?あの方である!そう、ジョージ・ソロス氏である。実は、今年の米国株が急落するリスクを指摘していた。実際、ソロス・ファンドはプットオプションを買っていたはずだ。また、ソロス氏は、今年になってアリババと百度株の大半を売却していた。アップルやウォルマート、インテルの株も売却している。

 また、著名投資家では、ロング・ショート運用のデイヴィッド・アインホーン氏のグリーンライト・キャピタルも米国株の買い持ちを減らしていた。この方もアップル株を売却していたはずだ。

 特にヘッジファンドリサーチの直近のパフォーマンスを確認すると。マクロ/CTAのファンドのパフォーマンスは、指数が大きく下落するなかでも、ほとんどパフォーマンスが悪化していない。あと、6月からの上海株急落、8月の先進国の大幅下落の中でも、右肩上がりでパフォーマンスが上昇し続けているヘッジファンドがある。それが株式中立型、所謂マーケットニュートラルである。この指数は右肩上がりで上昇している。このファンドは、割高株を売って、割安株を買うという運用方針を採る。恐らく、アップルなどを売却していることを考えると、株式市場の上昇はしない、むしろ下落リスクがあるとの判断から、割高株をショートし、割安株をロングにしているのだろう。直近の先進国の下落では、ハイテクなどのバリュエーションの高い銘柄がバリュー株よりも大きく下がる傾向にあった。ロングの下げが小さく、ショートの下げが大きくなれば、このポジションではリターンが出る。だから、6月から右肩上がりでこのファンドの指数は上昇し続けているのだろう。

 昨年の世界同時金融緩和で世界同時株高の時は、こうしたマクロファンドが大きく上昇していた。しかし、その後トレンドが出なくなるとパフォーマンスは悪化した。そうした中で、直近の急落にもかかわらず、マクロ/CTA指数はほとんど影響を受けていない。恐らく、大きくやられているファンドがある一方で、かなりの好パフォーマンスとなっているファンドがいるのだろう。

 このマクロ/CTA指数のピークは4月。しかし、S&P500などの指数は、直近までほぼ史上最高値の高値圏で推移していた。指数なので、様々なファンドがいる為具体的な内容は分からないが、恐らくこの水準で売りを増やしていた可能性が高いのだろう。

 それが、FRBの利上げが目前に迫り一気に売りに出た可能性が高い。しかも、指数は高値懸念で上値も重かった。利上げが見送られても、追加緩和をするわけではないので、大きく担ぎ上げられるリスクも乏しいと踏んだのだろう。特にFRBの利上げで、バイサイドでは一旦ボラティリティが、やや高まるとみているところは多かった。そのタイミングでボラティリティを大幅に高めることが出来れば、先ほどのターゲットボラティリティの売りも巻き込める。しかも、それまでのボラティリティが異常に低かった期間が長かった。タイミングとしては、ドンピシャだろう。

 だから、何度も繰り返して言っているのだ。8月からの先進国の世界同時株安は、中国懸念など関係ないと。実際、上海株の暴落でも直近の訪日外国人客の統計で、中国からの旅行者は過去最高で、全く影響がなかっただろう。本当にメディアやメディアで相場を語る市場関係者のコメント内容などいい加減なものだと改めて認識しただろうか?

 しかし、やってくれたぜ!恐らく指数が急落しているところをみると、CTA(大佐)も積極的に売っていたのだろう。

 「謀ったな!シャアアアアアア!」(機動戦士ガンダム:第10話「ガルマ散る」より)

 何かこんなセリフを書くと、まるで私がガルマ・ザビではみたいではないか!(笑)

 否!

 「エクコメは死にましぇ~ん!」

 (101回目のプロポーズの武田鉄矢さんのセリフ「僕は死にましぇん!僕が幸せにしますからぁ!」風でお願いします)。実はこのセリフ、次のエクコメで引っ張ろうと思ったんですが・・・。ヘッドラインのネタを考えるのも結構大変なんで。本文の内容を組み立て、それに沿ったものを作るのって結構大変なんです。「なら普通に書けよ!」と言われそうですが、真面目に書いて、文章が長いと飽きるでしょ?結構、私努力してます!(笑)。

 そうである。エクコメは、ユーザーを勝たせるといった。その気持ちに全く変化などない。今回の先進国の世界同時株安は、流石にここまでの急落は読めなかった。しかし、この急落相場を見ても全く強気の日本株には変化はない。まして、売りの背景が分かれば別にたいしたことなど全くない。

 米国もメディアや市場関係者の大半は、世界景気の減速という発想から抜けられないので、どうしても製造業などの経済統計に反応してしまう。

 しかし、米国のGDPの70%は個人消費である。また、米国は以前から景気の改善のポイントは、個人消費と言われており、企業の設備投資ではない!いつのまに、米国の見るべき視点は変わったのだろうか?結局、結論ありきで本質が捉えられない人間が多いということなのである。

 だから、企業の生産動向があまり芳しくないので、足元で堅調な個人消費や不動産市況も悪化するという認識になるのだろう。しかし、CBが発表した消費者信頼感指数は、103.0ptとなり、前月の改定値から1.7ptも逆に上昇した。市場予想は、低下の96.1pt程度に悪化を予想していた。

 この市場予想と真逆の結果となった最大の理由は、エネルギー価格の下落による家計の購買力の上昇が背景にあると言われていただろう。なお、米国の1人当たりのエネルギー使用量は、日本の8割増しぐらいとなっている。だから、米国市場では、エネルギー価格の低下の効果は大きいと以前から言われていただろうが!以前は、ガソリン価格は1ガロン=4ドルを超えると急激に消費に影響を及ぼすと言われていた。現在、RBOBの価格は、1ガロン=1.3632ドル水準で、6月以降大幅に低下している。

 だから、何度も説明しているだろう。資源価格の急落は、資源国から先進国に付加価値の移転が発生することになり、先進国の景気にはプラスだと。しかし、市場関係者の大半とメディアは、シェール革命による鉱山開発のブームから思考が抜け出せず、原油価格の下落は、米国のエネルギー産業の景気後退を招き、米国経済にネガティブだと言っていた。そう言えば、米国の4-6月期のGDPは更に上方修正されていましたけど?名目GDPは6%を超える成長となっていますけど?GDPデフレータが2%まで上昇したので、逆に名目成長率は大きく上昇していたのである。だから、雇用も住宅市況も堅調なのだ!そろそろ、経済統計の読み方のポイントや分析ぐらいまともにしてもらいたいものである。そのGDPデフレータの改善は、明らかに資源価格の下落によるプラス効果だろう。米国の輸出は他の先進国や新興国の景気減速で冴えない。でも、経済は好調。だから、FRBは利上げができる環境だと説明しているのである。本当に市場関係者の経済分析もいい加減なものである。そもそもマクロ経済分析や政策分析がまともにできないので、見るべきポイントも分からないのだろう。

 以前も説明したはずだ。シェール革命と言われ、エネルギー産業の投資が活発化していた時でも、米国の雇用の改善は限定的だった。当たり前である。エネルギー産業は、労働集約型ではなく、資本集約型産業なのだから。

 直近の雇用の改善も雇用増加をもたらしているのは、小売業やサービス業などの労働集約型産業である。この業界の雇用が増加しているのは、個人消費が堅調だからだ。しかも、GDP構成比の70%が個人消費である。だから、馬鹿げた市場関係者の経済分析とは真逆の消費者信頼感指数になっているのである。

 米国経済への懸念も払拭できただろうか?それが認識されているから、利上げ先送りに対して金融株が下落で反応しているのである。だから何度も言っているだろう。くだらないメディアと分析できない市場関係者の話を鵜呑みにするから本質が見えなくなり、不安心理に支配され、投資のチャンスもみえなくなるのである。普段は強気に語ってても、急落相場を見せつけられると途端に弱気になるのは、本質を読み解く能力がないからなのである。

 エクコメユーザーとQUICKユーザーは、一流のアドバイザーを目指している方々だろう。なら、そうした低レベルメディアの解説を鵜呑みにすることからそろそろ卒業してもらいたいと思う。

 では、最後の質問である。何故、日本株がこれほどまでに大きく下落する羽目になったのだろうか?

 それは、本質が分からない投資家が急落相場で手が出なくなり様子見するなかで、今回説明したファンドの性質上で売りを行う投資家の売りを吸収できないからである。しかも、なぜ日本株の下落が大きくなっているのかは理由がある。それは、グローバル投資家の期待がアベノミクスで高かったことで、日本株のウエイトがオーバーウエイトになっていたからである。だから、直近の海外投資家の売りが先物と現物で直近の5週間で5兆円程度も売られたのである。この5兆円を吸収できる国内投資家が日本に存在するのだろうか?だから、下げ方が大きかったのである。

 しかし、この売りの背景は、今回説明した。アベノミクスへの失望から売られているわけではないのである。日本の投資魅力のポイントをもう一度振り返っていただきたい。日本株の投資のポイントはデフレ脱却期待であった。そして、名目成長率の上昇にあった。だから、そのポイントが分かっているから、アベノミクスの第二幕である「新三本の矢」で名目GDPの目標値を敢えて掲げているのである。恐らく、国内投資家の大半は、その背景もポイントなども全く分かっていないだろうが。安保法制の本質も理解できない人間も多い状況を鑑みれば、経済政策のポイントも重要性も全く理解できていない人間もまた多いだろう。

 だから、下げ幅だけみて手が出なくなるのである。日本株の終着点は、あくまで2%のインフレ目標の持続的達成経済である。その目標を掲げ続け、政権と日銀がその目標にぶれない限り、日本株は基本的に買いなのである。

 しかし、日本の投資家も本質が分からないので、投資のポイントも分からない。だから、手っ取り早く稼げる日経レバなどに手を出すのである。その安易な投資家達が今回のような下げ相場になると揃ってご臨終となるのである。

 しかし、インフレ経済への過渡期で、しかも低金利状態でも既に2007年の利益水準を超えているメガバンクなどの金融株は、インフレ経済への移行になると市場金利が上昇し始めるので、資金利益が大きく改善する。つまり、バリュー株が恐ろしいほどの超バリューになるのである。

 その時は増配・自社株買いが行なわれることになるだろう。すると、インカムの上昇に加えて、キャピタルゲインの大幅な上昇まで期待できる。だから、バリュー株の銀行株と繰り返し指摘しているのだ。下がっても買い、上がっても買い、横ばいでも買いと言い続けるのは、そのポテンシャルへの期待値に変化がないからである。経済や政策分析、今回の急落相場のマーケット分析も出来ない投資家達にはそのことが認識できないのだろうが。

 もう一度言う。そして、何度も言う。エクコメは、エクコメユーザーとQUICKユーザーを一流のアドバイザーにし、そして市場で勝ち組にする為にコメントを書いている。寝ずに書いている。自分の時間を削り、分析し、この間は本の支払いで10万円も請求書が来たが身銭を切って自己研鑽し(請求書見て泣きそうになったが)、その上でユーザーが担当する顧客の為になるコメントを書いているのである。だから、エクコメユーザーやQUICKユーザーもそれに応えて、ぜひ一流のアドバイザーになってほしいと思う。

 直近の米国株急落の前に、バリュー投資家のウォーレンバフェット氏は、IBMを買い増ししていた。現在のIBMは140ドル程度だが、バフェット氏の平均買い単価は、170ドルぐらいと言われていた。普通の発想なら、彼の投資は失敗だと指摘するだろう。しかし、彼は迷わず買っている。何故か?それはIBMのビジネスモデルが安定的なキャッシュフローを生み出す可能性が高いからだ。

 IBMは、収益性の低いPC事業を売却し、現在はIT業界へのサービス・コンサルタント事業を中核事業としている。つまり、競争の激しいIT業界でも、そのためのサポートで稼げるビジネスモデルだからIBMに積極的に投資しているのだ。

 これは、ゴールドラッシュで資産を築いた者たちと同じ発想である。ゴールドラッシュで一番儲けた人たちは誰だろう?実は、金を掘り当てた人物ではない。この金を目当てにやってきた大量の人たちにスコップや発掘ための作業着などを販売した人達である。そう、リーバイスなどである。実際に競争する人間達にそのツールを与えるビジネスモデルの方がもうかることが分かっているから、バフェット氏はIBMに積極投資しているのだ。しかも、IBMは自社株買いを行なうなど、株主還元にも積極的な企業である。安定的なキャッシュフローが稼げるビジネスモデルで、しかも株主還元が期待できる企業。だから、少々の株価評価損など全く彼には関係がないのである。長期投資で、インカムゲインを株主還元で補い、そのうち株価が大きく上昇すれば、売却すればいいだけだからである。そのインカムが期待できるためには、安定的なキャッシュフローが稼げるビジネスモデルである必要があるのだ。

 なら、なぜ私がメガバンクなどの金融株を取り上げるのかもわかるだろう。自ら競争するわけではなく、その勝ち組に貸すことで安定的なキャッシュフローが稼げる。実は、日本の銀行業は、バブル崩壊で毎年多額の不良債権処理を行っていた90年代でも、実は資金利益は増加していたのである。しかし、不良債権の額があまりにも多く、結果的に最終損益が悪化するので、評価が低かった。

 それがこの低金利水準でも既に利益の絶対値は、2007年の水準を超えている。これで、デフレを脱却し、2%のインフレ率が達成できたとき、メガバンクの収益は一体どれほどの額になるのか?既に三菱UFJは、自社株買いや増配を行い始めている。この動きは、何れ他のメガバンクにも波及する。この厳しい収益環境(低金利状態)ですら、高いインカムゲインが得られる。しかもブック割れだ。こんなおいしい投資先などありえないだろう。

 目先の株価変動でキャピタルゲインを取りに行くだけの投機では、その価値の重要性は理解できないだろうが、バフェット流投資のポイントなどを理解し、そしてマクロ経済政策の重要性なども理解できれば、直近の相場急落で一緒になって下がったところで、何を懸念する必要があるのだろうか?むしろ、買い場なだけだろう。株価を買いに行くから変動で投資スタイルがブレるのである。そんな投資家は、一流の投資家とは言わない!バフェット氏も言っているだろう。相場が下がる局面ほどワクワクすると!本質が分かれば、目先の変動ではなく本質から相場や株価がみることができる。すると、買い場であるのか本当の売り場なのかもわかるだろう。

 「日本株は死にましぇん!日本株は死にましぇん!日本が好きだから!」(2度目の101回目のプロポーズ風でお願いします!)

 因みに、オリジナルは「僕は死にましぇん!僕は死にましぇん!あなたが好きだから、僕は死にましぇん!」です(笑)



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