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ロシア国防省 IS対象に空爆継続を強調
10月3日 6時28分

ロシア国防省 IS対象に空爆継続を強調
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シリアでの空爆に乗り出したロシアの国防省は、2日も、シリア北部にある過激派組織IS=イスラミックステートの拠点など10か所以上を破壊したことを明らかにし、ISに対象を絞って空爆を続けていると強調しました。
ロシアは先月30日、シリアのアサド政権への軍事支援を強化するとして、アサド政権に対して攻勢をかける過激派組織ISへの空爆に乗り出しました。
ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は2日、夜間も含めて複数の攻撃機と爆撃機を出撃させ、1日から2日にかけてシリア北部にあるISの拠点など10か所以上を破壊したことを明らかにしました。
このうち、北部のアレッポではISの拠点を破壊したほか、北西部のイドリブでもISのメンバーの宿営地を爆撃したということです。
また、ISの武器の保管庫や燃料の貯蔵施設も完全に破壊したとしています。
ロシアによる空爆についてアメリカは、実際にはISだけではなく、アサド政権に抵抗している反政府勢力に対しても無差別に行っていると批判を強めています。
これに対して、ロシア国防省はISに対象を絞った空爆を続けていると強調したもので、空爆を巡る両者の溝が深まっています。

7か国が共同声明「ロシアの空爆に懸念」

ロシアがISを狙ったものだとして開始したシリアでの空爆について、トルコ外務省はアメリカ、フランス、ドイツ、UAE=アラブ首長国連邦、カタール、それにサウジアラビアと共同で今月1日付けで声明を発表しました。
この中で、7か国は「ロシア空軍がシリアのハマ、ホムス、それにイドリブで、ISを標的としない空爆を行ったことに深い懸念を示す」と述べ、ロシアがアサド政権に抵抗している反政府勢力に対して空爆を行ったと指摘して、強く非難しました。
そして、「緊張をさらに高める軍事行動は過激派を勢いづけることになる。ロシアがシリアの反体制派と民間人に対する攻撃をただちに中止し、ISに立ち向かうよう呼びかける」として、空爆の標的をISに絞るよう求めています。
ロシアはISの掃討作戦の一環だとしてシリアでの空爆に乗り出しましたが、7か国はロシアがアサド政権と対じする反政府勢力も標的にしているという認識で足並みをそろえた形で、双方の溝がさらに深まっています。

米大統領 ロシアの空爆を批判

オバマ大統領は2日、ホワイトハウスで記者会見し、内戦が続くシリアでロシアがISを狙って実施しているとする空爆について「プーチン大統領はISと、アサド政権の打倒を目指す反政府勢力を区別していない」と指摘しました。
そのうえで「われわれはシリア情勢を懸念するあらゆる勢力とともに取り組む用意があるが、アサド大統領を批判する人たちすべてを滅ぼそうとするロシアの軍事作戦とは協力しない」と述べました。
そして「ロシアの政策は穏健な反政府勢力を排除し、ISを強化するだけだ」として強く批判しました。
ロシアによるシリアでの空爆を巡っては、ロシアがISに限定して行っていると主張しているのに対し、アメリカやフランスなどは、アサド政権に抵抗している反政府勢力に対しても行っているとして批判を強めており、対立が深まっています。

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