韓国で最後の中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)患者が最終的に陰性の判定を受け、韓国からMERSコロナウイルスが消滅した。保健福祉部(省に相当)は1日「国内でただ一人、MERSコロナウイルスの陽性反応を示していた80番目の患者(35歳男性)が、最終的に陰性の判定を受け、これ以上国内にMERS患者は存在しないことになる」と発表した。保健福祉部は世界保健機関(WHO)の基準に従い、1日から今月28日まで(潜伏期間14日の2倍)様子を見て、29日にMERSの流行が完全に終息したことを宣言する方針だ。
同部は「80番目の患者がMERSコロナウイルスの陽性反応を示していた116日間は、WHOの集計や海外の患者の事例と比較しても最も長いことが分かった」と話した。この患者の治療に当たった医師たちは「患者がもともと免疫不全の状態にあったため、陰性反応が出るまでに長い時間がかかった」と説明した。
また同部は、MERSの第1号患者(68)が先月25日に退院したと発表した。この患者は今年6月29日に隔離病棟から一般病棟に移された後、リハビリや精神科の治療を受けてきた。この患者は今年4月から5月に中東バーレーンで農作物の栽培をした後、サウジアラビアなどを経て帰国し、5月20日に韓国で最初のMERS患者と判定されていた。
第1号患者の退院により、現在入院しているMERS患者は計5人となった。いずれも遺伝子検査で陰性となり、一般病棟で治療を受けている。