優勝インタビューに臨むヤクルト・真中満監督 =2日午後、東京都新宿区の神宮球場 (撮影・大橋純人)【拡大】
最下位チームが生ぬるい! 外野の声にも揺るがぬ思いがあった。2軍コーチ時代から見てきた現在の主力は『ゆとり世代』。性格面も重視して獲得するチーム方針で、まじめな選手がそろっていた。「指示を正直に完璧にこなす。この選手たちなら任せていい。自分で答えを見つけることが強さにつながる」。強い信念で、成長に賭けた。
戦術も効率重視。2番・川端、3番・山田…。打席が多く回る上位に好打者を並べ、投手の立ち上がりを攻める。川端には一度も犠打のサインを出さなかった。簡単にアウトを献上するのは無駄。「併殺打を気にするな」と背中を押した川端は、2番打者では異例の首位打者に手を伸ばす。
まさに「鳥瞰(ちょうかん)」-。明るいキャラクターの一方で、選手と距離を保ち、チームを客観的に見渡す。大勢の前で選手を面罵しないポリシーを、たった一度だけ、破った。