先制タイムリーを放った燕・畠山和洋。カップを持ち笑顔=神宮球場(撮影・安部光翁)【拡大】
(セ・リーグ、ヤクルト2x-1阪神=延長十一回、最終戦、阪神13勝12敗、2日、神宮)ヤクルトは2日、阪神最終戦(神宮)に延長十一回、雄平外野手(31)のサヨナラ安打で2-1で勝ち、14年ぶり7度目のリーグ優勝を果たした。
全速力で駆け抜けた。そこはサヨナラのホームであり優勝の“ゴール”。川端が歓喜の涙にくれた。
「こんなにうれしいとは思わなかった。自然に涙が出てきた。こういう経験は何度でもしたい」
延長十一回、先頭で左前打を放った。劇的サヨナラVのおぜん立てとなる快音。一回に、先制点につながる中前打で出塁したのも川端だった。
この夜のマルチ安打で打率・338。首位打者争いのトップをいく。“打のヤクルト”を象徴する1人は、優勝を決めた大舞台でも輝いた。夏場、人知れず左手首の痛みと闘ったのも、いまとなっては勲章だ。
“4番のお仕事”も見事だった。畠山だ。一回の中前適時打で今季105打点。1977年、大杉勝男さん(故人)がマークした104打点を抜いて、球団の日本人最多打点記録を更新した。
「この優勝でまたチームは強くなると思う」
ヤクルト一筋15年。目には涙があった。こちらは打点王争いのトップ。96キロの巨体が3度宙に舞った。入団した2001年にチームは優勝したが、自身は高卒1年目で2軍生活。今回が初めて味わう優勝の美酒だ。
「ここが終わりじゃない。先がある」。慢性的な股関節痛を抱えながらも主砲は次のステージをにらんだ。 (西村浩一)
(紙面から)