サラブレッドが磐田市大逃走２６時間　小中２校休校に

　静岡県磐田市の民家で飼育されていたサラブレッドが逃げ出し、行方不明になり、付近の児童の安全を考慮した市が１日、学校を休校にするなどの騒ぎがあった。

　県警磐田署によると９月３０日午後４時５分ごろ、磐田市福田（ふくで）の無職野田勝治さん（７６）が自宅で飼っていた牝馬を散歩に連れ出す際、装着した鞍がずれ、驚いた馬が手綱を振り切って逃げだした。

　馬は６歳で毛は茶色、体重は約４５０キロ。逃走５分後、約１・８キロ北西にある橋付近で小学生が姿を見掛けたのを最後に目撃情報がなくなった。

　野田さん宅周辺は、海沿いに住宅や工場、農地が点在する地域。市は登下校時の児童や生徒に危険を及ぼす可能性があるとして、付近の市立小中２校を休校にした。県警や地元消防、市は約１００人態勢で捜索を続けた。見つかったのは、行方不明になってから約２６時間後の１日午後５時半すぎ。野田さん宅から約３・５キロ離れた市内の海岸近くで発見され、保護された。

　野田さんは趣味で飼育しており、近くの海岸を乗馬しながら散歩するのが日課だった。飼育で義務付けられている県への届けは出していなかったという。

　２０１１年に家畜伝染病予防法が改正され、馬を飼うには飼育状況を毎年報告する義務があった。