[PR]

 スマートフォンのカメラで、布やプラスチックでできた製品が、本物か偽物かを見抜く技術をNECが開発した。製品の表面にできた細かな模様を読み取ることで判別する。11月に発売される人気ブランドの抱っこひもで初めて実用化され、偽物の撲滅を目指す。

 同じ工程で作られた工業製品でも、人間の指紋のようにそれぞれ特有の凹凸や模様ができるといい、NECは、独自の指紋・顔認証技術を応用し、製品表面の細かい模様を照合できるようにした。出荷時に製品の一部をスマホで撮影して画像を登録すれば、小売店やインターネットで販売された製品を同様にスマホで撮影して照合することで、偽物を見分けられるという。

 NECは昨年11月、ねじなどの金属製品で技術開発に成功。今回、さらに読み取りが難しいプラスチックや布製品でも照合できるようになったという。

 この技術を、抱っこひもの米国人気ブランド「エルゴベビー」の国内正規総代理店「ダッドウェイ」が11月1日に発売の「エルゴベビー・ベビーキャリア」で初採用。布部分など製品の特定の部分の情報が登録されており、そこをスマホで撮影することで本物かどうか確認できる。

 抱っこひもは安全性が重視されるため、偽物の防止に力を入れてきたが、ネット上では偽物の販売業者とのいたちごっこが続いてきた。ダッドウェイ・エルゴベビー事業本部の布施真行氏は「新たな設備投資がいらず、追加コストをほとんどかけずに、効果的に偽物を見抜ける」と期待する。(鈴木友里子)