WebサイトビルダーWeeblyがWebビジネスビルダーへ飛躍、そのためのアプリケーションセンターを立ち上げ
WebサイトビルダーWeeblyを作っているWeeblyが今日(米国時間10/1)、同社の第三世代のプロダクトをローンチした。Carbonという名前で、CEOのDavid Rusenkoによると、それは同社が新しい方向へ踏み出す最初の“大きな一歩”だそうだ。
WeeblyはWebサイトやオンラインストアを作るための使いやすいツールとして人気があり、これまでに3000万人の人がWeeblyを使ってサイトを作り、今やそれらのサイトの合計月間ビジター数が2億5000万に達する。同社はすでに黒字企業で、昨年シリーズCで調達した3500万ドルは一銭も使っていない。
同社の顧客の2/3は自称起業家だ(ぼくなんかはそっちに入らないが)。そしてRusenkoによれば、Webサイトやストアを作ることは今でも彼らにとって“最初で最大の技術的問題”だが、ほかにも多くの課題がある。たとえば、“マーケティングとカスタマサポートとソーシャルとフルフィルメント…これらはどれも完全に別々の課題だ”。
Rusenkoによると、“Carbonはこれらの多様な課題を踏まえて、Webサイトを作るというよりもWeeblyを利用してユーザが自分のビジネスを作るためのツールだ”。
具体的には、Carbonにはアプリケーションセンター(App Center)があり、今すでに40のパートナーのアプリケーションがある。いずれも、ユーザのビジネスを支えるアプリケーションで、たとえば発送業務で助けが必要ならShippoがある。下図は、アプリケーション一覧の一部だ。
アプリケーションを、デザインを一新したダッシュボードに統合することもできる。そのダッシュボードをRusenkoは“強力な統計分析エンジン”と呼ぶ。ビジネスのためのアプリケーションをダッシュボードに統合すると、そのアプリケーション関連の分析データを見られる。それはWebサイトのビジター数だけでなく、たとえばカスタマサポートサービスSimpleChatをWeeblyの顧客のビジネスが利用すれば、そのサービスのユーザに関するデータを見られる。
アプリケーションセンターに提供されるアプリケーションは、そのクォリティをWeeblyのチームがチェックしてから承認される。またデベロッパは、新たに公開されたWeeblyのAPIを使って自分のためのアプリケーションを構築できる。Rusenkoによると、“APIを使えばやりたいことを何でもプログラミングできる”。たとえば不動産サイトは、新しい物件が入るたびに自動的にその物件のページを作ることができるだろう。
Weebly本体もあちこちがリフレッシュされた。ドラッグ&ドロップでWebサイトを作っていけるWeeblyのエディタは、デザインを一新した。またWeeblyのiOS/Androidアプリを使えば、スマートフォンやタブレットからWebサイトをエディットできる。Webサイト全体をスマートフォンから作りたい人はいないと思うが、ちょっとしたアップデートや修正などは簡単に手早くできる。サイトを美麗にするための新しいテーマが加わり、新たにテーマエディタ(Theme Editor)も提供される。
単なるWebサイトビルダーから、ユーザのオンラインビジネスの実装と展開のための場所になりたいというRusenkoの思いを見ていると、いっそのことアプリケーション構築機能もあればよいのに、と思う。
でも彼は、“アプリケーションを単独で提供することが目的ではない。Weebly/Carbonの場合は、アプリケーションはあくまでも、ユーザのビジネスのホームスクリーンにあるものだ。そのビジネスサイトと、その上の(そのビジネスのための)アプリケーションをロングテールが使っていくのが、Webの本来の姿だ。アプリケーションそのものをビジネスにする顧客は、うちの場合たぶんないだろう”、と語る。つまり、アプリケーションビジネスは彼が今回目指した方向性ではない。
Weeblyは好調なようだが、最近はWebサイトビルダーとしてSquarespaceの名が挙がることが多い。地下鉄や、ぼくの好きなポッドキャストでも、宣伝している。Weeblyの足元が、危うくないか? この懸念に対しRusenkoは、Weeblyもマーケティングを無視していない、テレビの広告キャンペーンもやってる、と述べた。ただし彼が強調するのは、口コミの広がりと、それによる成長だ。
彼は言う: “Webサイト〜Webビジネスの構築はすごく大きな市場なのに、これまで正当に評価されなかったようだ”。
Weeblyの顧客は今日からCarbonを利用できる。
[Carbon紹介ビデオ]