奥田民生 VS フリッパーズ・ギター」の代理戦争

『奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール』が大人気のマンガ家・渋谷直角さんと、10月15日にフリッパーズ・ギターをモチーフにした小説『ドルフィン・ソングを救え!』を上梓する作家・樋口毅宏さん。1975年生まれの渋谷さんと、1971年生まれの樋口さんは同じ90年代カルチャーにどっぷり浸かった筋金入りの「サブカルクソ野郎」です。サブカルのパロディを連発するパクリストふたりによる“強い気持ち・強い愛”があふれるトークをお楽しみください。

「フリッパーズ・ギター VS 奥田民生」の代理戦争?

樋口毅宏(以下、樋口) 渋谷さんって、天才ですよね?

渋谷直角(以下、渋谷) えっ、いきなり?

樋口 2013年に出された『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』がほんとにおもしろくて、これだけでもすごいのに、また今年『奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール』なんて傑作を。

渋谷 のっけから誉め殺し(笑)。“誉め殺しコーナー”、ようやく出来ました。

樋口 いやいや殺してないですよ! だって、いまさらですけど、このコマ割りとか天才的じゃないですか。

『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』P76,77より

渋谷 そこは以前、久保ミツロウ先生にも「なんでこうしたの?」って急に聞かれて、アワアワして答えられなかったんですけど。

樋口 もうね、異常ですよ。あるいはこれ。BUMP OF CHICKENの歌詞にこの絵。

『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』P104,105より

樋口 挙げてったらキリがないですけど、絶対にマンガにしかできない表現ですよね。小説にも、映画にも、アニメにもできない。マンガというフォーマットを十二分に生かしてる。加えて、作中に見られる固有名詞や引用から察するに、おそらく僕も渋谷さんも同じものを見聞きして育ってきたはずなので、ぜひ一度お話ししたかったんですよ。

渋谷 ありがとうございます。光栄です。

樋口 でね、僕は『BRUTUS』で連載してた『ドルフィン・ソングを救え!』という小説をマガジンハウスから10月に出すんですけど、これはタイトルから丸わかりの通りフリッパーズ・ギターをモチーフにしてるんですよ。だから今回の対談は「フリッパーズ・ギター VS 奥田民生」の代理戦争といえるかもしれない。

※「ドルフィン・ソング」はフリッパーズ・ギターが1991年にリリースした3rdアルバム『DOCTOR HEAD'S WORLD TOWER -ヘッド博士の世界塔-』の収録曲。

渋谷 そうか……、僕は民生を背負うのか。

樋口 本当は、奥田民生はそこまで好きでもない?

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