感情がない人を身近でみた事があるでしょうか。私はありません。
ただ、僕は高校から社会人になるまでの間に様々な所で「感情あるの?」と周りの人から言われました。
県を変えても、職場を変えても言われていました。ここ最近は言われなくなりましたが、場所が変わり人間関係が変わっても同じ事を言われるので僕自身に問題があるのは明白でした。
感情がない。言葉に気持ちが気持ちがこもっていない。そんな事いわれたってどうしようもない。
こっちは込めているつもりなのに、相手からはそう言われてしまう。
感情がない人なんていません。「感情あるの?」って言われてイラついたり、面倒だなと思う時点で感情があるのですから。
普段、感情を表に出さない人や気持ちを出さない人も心の奥では激情が渦巻いているのだと思います。
気持ちを素直に前面に出す事ができる人と違って、喜び、悲しみ、怒り、嬉しさ、諸々の感情を自分でも気づかぬうちに抑圧している人もいるんです。
特に怒りや、悲しみの感情を表に出さずに抑圧してしまっている人はそれらの感情が鬱積しています。
感情を表に出さない人はそれぞれ理由はあると思います。
僕自身の場合は口ではあれこれ言うけど結局行動が伴っていない人達がいて、それなら言葉に感情を乗せる意味なんてない。
と考えたのが始まりでした。そして言葉に感情を乗せる事にエネルギーを使うくらいだったら行動する事に使おうと考えていました。
言葉よりも行動にエネルギーを使う、だから言葉にエネルギーを込める事をやめる。
これは僕の例ですが、色々な事情があって表に出す事をしていない人がいると思います。
感情を素直に表に出す人と抑圧してしまう人は何が違うのでしょうか。
僕が思うに感情を抑圧してしまう人は
人に拒絶されるのを恐れている
からなのではないかと思っています。
感情を抑え込んでしまう人は内側には物凄い気持ちの喜怒哀楽が渦巻いているのだと思います。
ゴムボールは押さえつければ押さえつける程反発力が上がりますが、心もそれと似たようなものだと思っています。
自分の今思っている事を思いっきり吐き出したい、ぶつけたい、言ってやりたいと考えながらもそれをやめて、とにかく抑え込もうとしてしまう。
それは、その感情を周りの人達にみせた時に拒絶されるのを恐れているからではないでしょうか。
自分の思いをぶつけた結果、人に嫌われたら、怒られたら、理解されなかったら、仲間外れにされたら...。
それなら最初から感情なんて押し込めて、誰にも伝えなければ良い。
自分の中だけに留めておけば、誰を傷つける事もないし、傷つけられる事もないと考えているのではないでしょうか。
僕自身はそうでしたし、今もそれは残っている所があります。
自分の感情を否定される事は自分自身を否定される事だと考えてしまってそれを出せない。
ひたすらに心の中にマイナスなものが鬱積している様な感覚に陥る事がありました。
感情を抑圧して、心を抑圧しつづけるといつしか相手の気持ちにも素直に応える事ができなくなってしまいます。
相手が怒っていても、相手が悲しんでいても、相手が楽しんでいても、それに応じて感情を出す事ができないので一緒に喜んで、一緒に悲しんで、一緒に憤る事ができないのです。
どこか一歩引いた所から見ている感覚。
自分には関係なくて傍観している感覚といえば良いのでしょうか。本当は一緒に喜んで悲しんで憤りたいのに、それができない。
そしてそれが悲しいと感じてしまう。
感情を、心の動きを抑える人は全てを自己完結させていると思います。
湧き出た感情も、受け取った感情も全て自分の中だけで終わらせる。
外に出さずに内側に閉じ込めるのが当たり前になってしまった時に、言葉に抑揚がなくなり、周りから感情の有無を問いただされるのだと思います。
酷い状態だと自分自身の感情からも目をそむけて、向き合おうとしなくなります。
僕の場合は特に悲しい感情に対して目を背けていました。自分が悲しいと感じるなんておかしいと思って、悲しいと思う事に向き合わず抑え込んでいました。
自分の内側から湧き出る感情とすら向き合おうとしないので体と心がちぐはぐになった感覚がありました。
今では大分マシになったと思いますが、心が弱いからこそ自分の感情と向き合う事もしなかったのだと思います。
悲しい時は泣いたら良いし。嬉しい時は笑えば良い。そんな普通の事さえしないのは向き合うのが怖かったからだと思います。
人と向き合うのも怖いし、自分と向き合うのも怖い。だから全部拒絶して自分でも気づかない内にドス黒い感情だけが奥底に鬱積してしまう。
そして、鬱積した感情が心の器を超えてしまった時に「鬱」や「破壊行動」に繋がってしまうのではないかと思います。
破壊行動は周りの人を傷つける暴力行為から自分自身を傷つける自傷行為や自殺となって表れるのではないかと思います。
心に収まりきらずにいた感情が堰を切ったように溢れるので、鬱や破壊行動といった行き過ぎたものに繋がるのではないでしょうか。
では、感情抑え込まずに素直に表に出すにはどうすれば良いのでしょうか。
自分の内に感情を閉じ込め続けるのはしんどいですし、それが良くない事に結びついてしまう事は往々にしてあると思います。
ではどうすれば良いのか。
これは感情表現をする他にないと思います。自分の内側に貯めるだけでなく外に出してあげるのです。
楽しさや怒りといった喜怒哀楽をそのまま表現するのが苦手なら絵で表現したり、音楽で表現するなど創作活動に励むのも手だと思います。
僕自身は元々体を動かすのが好きだったので筋トレやランニングに励みましたし、とにかく本を読んで、音楽を聞きました。
このブログも一つの表現です。ネット上であれば自分の感情を文章で出す事ができる人もいるでしょう。
他の誰とも違って良いので自分なりの表現方法をみつけて、それを実行するのが良いと思います。
僕は違いますが、創作活動に結び付けれる人は、他人の感情を動かせる素晴らしいものが作れるのではないでしょうか。
もう一つ大事なのは自分の感情と向き合う事だと思います。悲しいと自分が感じている時は思いっきり悲しんで泣いたら良いのです。
楽しいと感じているなら思いっきり笑って楽しめば良いのです。
怒りを感じている時もそうです。
大切なのは今自分がどんな感情にあるかを認める事です。そしてその感情から目を背けて逃げずに真正面から向き合う事です。
難しいと感じる人は自分が一人きりの時にやってみてください。
その時に、感情とリンクした音楽を聞くのはオススメです。悲しい時には悲しい曲を怒っている時には激しい曲を聞く事で、自分の中にある感情を認めやすくなると思います。
最初は自分の感情と向き合うのがが辛いと思うかもしれません。ですが、しっかりと向き合った後は気持ちがスッと楽になると思います。
最初の一歩は本当に小さなもので良いのです。いきなり大股で歩き出す必要はないです。
自分の感情がわからないし、表に出す事もできずにいて、しんどいと思う人は試してみてください。
同じように苦しんでいる人はいますし、あなたが感情を表に出す事を喜んでくれる人も受け止めてくれる人も必ずいます。
感情がない人なんていません。不器用なだけなんです。
ではまた。