自民党だけでなくNHKの会長までNHKの受信料徴収にマイナンバーを活用したいと言い出してますね。確かにマイナンバーがあれば、地方自治体が保持する住民票の世帯情報にアクセスできるので受信料の徴収ははかどるのかもしれません。しかし、そこに至るまでにはいくつかハードルがあります。
まず、マイナンバーの使用は法律に定められた範囲でしか認められていません。なので、NHKがマイナンバーを使用するには、受信料義務化のための放送法の改正だけでなく、マイナンバー法も改正しなければなりません。まあ、自民党に本当にその気があれば、これはさほど難しくないでしょう。
問題なのは、晴れてNHKがマイナンバーを扱える会社となれたとしても、マイナンバーを活用するにはまず、NHK自身が国民1人1人からマイナンバーを集めないといけないという点です。
マイナンバー制度開始当初、国民1人1人のマイナンバーを把握しているのは、それを発行する地方公共団体だけです。現マイナンバー法で、マイナンバーの使用が認めらている税務署やけんぽ協会やハローワークも、制度開始時は誰のマイナンバーが何番か誰1人として知りません。知りたければ、地方公共団体からではなく、国民1人1人からマイナンバーの提供を受ける必要があります。
なぜなら、マイナンバーを業務に使用するためにそれを誰かから提供してもらう場合、提供してもらう相手に対し、マイナンバー使用の目的を明示し、本人確認及び番号確認を行い、相手の同意のもとでマイナンバーを収集しないといけないとされており、明示した目的以外での使用は禁止されているからです。つまり、誰かのマイナンバーが必要だからといって、すでにそれを知っているほかの機関や団体から聞いてはいけないわけです。
では、NHKに国民1人1人からマイナンバーを提供してもらうなんてことはできるのでしょうか。
また、マイナンバー収集の方法の問題もあります。税務署やハローワークのような役所なら、法律上必ず必要な手続きがあるのでそのついでに集めることができますが、国民全員がNHKに必ず出さないといけない書類など存在しません。
だからといって、受信料の徴収のようにアルバイトを雇って戸別訪問させて収集させれば、マイナンバーを集めた先から盗まれ漏えいするのが目に見えてます。マイナンバーの悪用を考える人間からしたらこんなにおいしい仕事はないわけですからね。結果、NHKはマイナンバー法違反に問われた上、多額の賠償金請求されるのがオチとなるでしょう。ベネッセの二の舞どころではありません。
そもそも、税務署やハローワークのような役所の場合、マイナンバーを提供しないことで十分な社会保障を受けられなかったりといった不利益や、いらないリスクを負う可能性もありますが、NHKの場合それがないので、マイナンバーの提供について国民の多くの同意を得られるかも怪しい。というか、マイナンバーを提供したが最後、NHKから受信料の徴収が延々やってくるのだから提供しようと思うのはよっぽど真面目な人か、相当な情弱だけでしょう。
以上を踏まえたうえで受信料の徴収にマイナンバーを活用したいのであれば、NHKの籾井会長にはぜひ、どうやって国民全員からマイナンバーを集めるのか、それも漏えいすることなく安全に集めるのか、そして、提供することに国民にどんな利益があるのかを示してほしいものです。
川嶋英明(社会保険労務士)
まず、マイナンバーの使用は法律に定められた範囲でしか認められていません。なので、NHKがマイナンバーを使用するには、受信料義務化のための放送法の改正だけでなく、マイナンバー法も改正しなければなりません。まあ、自民党に本当にその気があれば、これはさほど難しくないでしょう。
問題なのは、晴れてNHKがマイナンバーを扱える会社となれたとしても、マイナンバーを活用するにはまず、NHK自身が国民1人1人からマイナンバーを集めないといけないという点です。
マイナンバー制度開始当初、国民1人1人のマイナンバーを把握しているのは、それを発行する地方公共団体だけです。現マイナンバー法で、マイナンバーの使用が認めらている税務署やけんぽ協会やハローワークも、制度開始時は誰のマイナンバーが何番か誰1人として知りません。知りたければ、地方公共団体からではなく、国民1人1人からマイナンバーの提供を受ける必要があります。
なぜなら、マイナンバーを業務に使用するためにそれを誰かから提供してもらう場合、提供してもらう相手に対し、マイナンバー使用の目的を明示し、本人確認及び番号確認を行い、相手の同意のもとでマイナンバーを収集しないといけないとされており、明示した目的以外での使用は禁止されているからです。つまり、誰かのマイナンバーが必要だからといって、すでにそれを知っているほかの機関や団体から聞いてはいけないわけです。
では、NHKに国民1人1人からマイナンバーを提供してもらうなんてことはできるのでしょうか。
NHKはどうやってマイナンバーを収集するのか
まず、現行のマイナンバー法ではマイナンバーを提供しないことについて、国民への罰則はありません。つまり、税務署やハローワークに出す書類にマイナンバーを記載しなかったからといって刑罰にかけられるということはないのです。なので、今のままだと、NHKが法律を盾に強制的にマイナンバーを集めることはできません。また、マイナンバー収集の方法の問題もあります。税務署やハローワークのような役所なら、法律上必ず必要な手続きがあるのでそのついでに集めることができますが、国民全員がNHKに必ず出さないといけない書類など存在しません。
だからといって、受信料の徴収のようにアルバイトを雇って戸別訪問させて収集させれば、マイナンバーを集めた先から盗まれ漏えいするのが目に見えてます。マイナンバーの悪用を考える人間からしたらこんなにおいしい仕事はないわけですからね。結果、NHKはマイナンバー法違反に問われた上、多額の賠償金請求されるのがオチとなるでしょう。ベネッセの二の舞どころではありません。
そもそも、税務署やハローワークのような役所の場合、マイナンバーを提供しないことで十分な社会保障を受けられなかったりといった不利益や、いらないリスクを負う可能性もありますが、NHKの場合それがないので、マイナンバーの提供について国民の多くの同意を得られるかも怪しい。というか、マイナンバーを提供したが最後、NHKから受信料の徴収が延々やってくるのだから提供しようと思うのはよっぽど真面目な人か、相当な情弱だけでしょう。
以上を踏まえたうえで受信料の徴収にマイナンバーを活用したいのであれば、NHKの籾井会長にはぜひ、どうやって国民全員からマイナンバーを集めるのか、それも漏えいすることなく安全に集めるのか、そして、提供することに国民にどんな利益があるのかを示してほしいものです。
川嶋英明(社会保険労務士)