【ソウル聯合ニュース】韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で情報機関・国家情報院の院長を務めた金万福(キム・マンボク)氏は1日に公開した回顧録で、北朝鮮で対韓国関係を統括する金養建(キム・ヤンゴン)朝鮮労働党書記(統一戦線部長)が2007年10月の第2回南北首脳会談の直前に韓国青瓦台(大統領府)を極秘訪問していたことを明らかにした。
回顧録は金元院長が李在禎(イ・ジェジョン)元統一部長官、白鍾天(ペク・ジョンチョン)元大統領府統一外交安保政策室長(閣僚級)と共著したもので、タイトルは「盧武鉉の朝鮮半島平和構想―10・4南北首脳宣言」。
金元院長によると、金養建氏は崔承哲(チェ・スンチョル)統一戦線部副部長ら二人を伴い、1泊2日の日程でソウルを極秘裏に訪問。9月26日に盧大統領と青瓦台で面会したという。
当時、首脳会談の合意文書をめぐり韓国政府は平和体制や経済協力の問題を具体的に盛り込むべきとのスタンスだった一方、北朝鮮は2000年の南北首脳会談で採択した6・15南北共同宣言と同様、包括的な宣言にすることを希望した。
金元院長は「こうした立場のずれをよく認識していた盧大統領は金養建氏一行と会い、南北が合意していながら履行していない問題などを取り上げた後、今回の首脳会談はそうなってはいけないと強調した」と説明した。
韓国政府は07年5月末に開かれた21回目の南北閣僚級会談で金元院長を通じ、北朝鮮側代表に第2回首脳会談を打診。金元院長はその後3回にわたり訪朝し、北朝鮮側と日程や議題などを調整した。
回顧録には、同年10月2日から4日まで北朝鮮・平壌で行われた第2回首脳会談での盧大統領と金正日(キム・ジョンイル)総書記のやりとりも記されている。
金総書記はその席で「北南(南北)間の軍事的敵対関係の解消が重要だ」と強調し、韓国側がこれに関して自主的な態度を見せられずにいると主張したという。
これに対し、盧大統領は「われわれが米国に頼ってきたこと、親米国家であることは客観的な事実。南側(韓国)のどんな政権も、一朝にして米国との関係をきっぱり断ち、北側の水準の自主を行うことは不可能だ。少し時間が必要だ」と答えたとされる。
回顧録は4日に韓国で発売されるという。