受注戦完敗の日本、成長戦略に影響も=インドネシア高速鉄道

 日本の技術を学んだ中国が先端技術の象徴である高速鉄道の受注競争で日本に勝利を収めた。

 共同通信によると、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領の特使として日本を訪れたソフィアン・ジャリル国家開発企画庁長官は29日、菅義偉官房長官と会談し、高速鉄道事業で中国方式を採用する意向を伝えた。

 中国と日本はインドネシアのジャカルタ-バンドゥン間(150キロメートル)の高速鉄道工事の受注を争ってきた。中国は東南アジアで初めて高速鉄道事業を受注することになる。中国は最近、習近平国家主席の訪米を契機として、日本がそれまで狙っていたラスベガス-ロサンゼルス間(370キロメートル)の高速鉄道を受注するなど日本との高速鉄道受注戦争で2連勝した。

■ノウハウが最大の武器

 10年前の段階で中国は高速鉄道に関し、実績は皆無だった。2002年に独自開発に失敗した後、04年に日本の川崎重工業と提携したが、当時までは中国の高速鉄道分野での台頭は想像できなかった。しかし、現在の中国は世界で最も安くて速い高速鉄道を建設する国になった。1キロメートル当たりの建設費用は世界平均の半分、西側の4分の3だ。過去10年間に中国で何が起きたのか。

 中国は「市場を提供するから、技術をくれ」という戦略で基礎的な高速鉄道技術を学んだ。中国市場を開放するから、技術移転してほしいという意味だ。新幹線(日本)、ICE(ドイツ)、TGV(フランス)などが中国市場を掌握するために技術移転競争を展開。中国は一時、西側企業の市場の70%を明け渡さなければならなかった。しかし、中国はそうやって獲得した技術を速やかに消化し、西側に奪われた市場を奪還し始めた。現在は中国の独自標準で高速鉄道を作り、輸出する段階に至った。

 鉄道業界では「敷設経験がある方が勝ち」と言われる。中国は2008年に北京-天津間に高速鉄道を敷設したのに続き、7年で1万7000キロメートルの高速鉄道を敷設し、工事ノウハウを重ねた。全世界の高速鉄道の60%を建設した「経験」は高速鉄道日本など技術先進国が乗り越えることができない財産となった。

北京=アン・ヨンヒョン特派員
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