ニューヨーク=中井大助
2015年10月2日10時43分
「キリスト教の教えに反する」として、同性カップルに婚姻証明を発行することを拒んだ米ケンタッキー州の郡書記官が、訪米したローマ・カトリック教会のフランシスコ法王とひそかに面会した、と弁護士が明らかにした。書記官の弁護士によると「夫と一緒に面会し、励まされた」という。AP通信によると、バチカンのロンバルディ報道官は「コメントしない」と述べ、会談を否定しなかったという。
カトリック教会は同性婚に反対の立場だが、法王は訪米中にこの問題で目立った発言をしなかった。しかし、ローマへ戻る飛行機では婚姻証明の発行拒否について記者から問われ、「良心による拒否の権利はすべての人間にある」「政府の役人にもその権利はある」と述べていた。
ローマ法王と面会したとしているのは、ケンタッキー州ローワン郡のキム・デービス書記官。裁判所の命令に従わずに婚姻証明の発行を拒んだと9月上旬にいったん収監されたが、現在は釈放されている。
デービス書記官の弁護士によると、24日にワシントンで15分ほど面会した。法王は英語で「気持ちを強く持って」と書記官に語りかけたうえでロザリオを手渡したという。法王の訪米中は注目を避けるため、公表しなかったという。デービス書記官はカトリック教徒ではない。(ニューヨーク=中井大助)
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朝日新聞国際報道部
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