Oddly Enough
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[ロンドン 30日 ロイター] - 毒ヘビにかまれたことによる疾病や障害などの被害は、国際機関の推定をはるかに上回り、解毒剤の在庫が危険水準にまで落ち込んでいる──。生物の毒に関する国際専門家会議が30日まで英国で行われ、専門家らが共同声明を出して警告した。
それによると、毒ヘビにかまれて死亡した人の数は、いわゆる「顧みられない熱帯病(NTD)」をすべて合わせたより多いにもかかわらず、世界保健機関(WHO)や各国政府の注目度は低く、対策費用も用意されていない。
専門家らは、インドどバングラデシュでの最新調査結果を引用し、インドでは毎年4万6000人が、バングラデシュでは6000人が毒ヘビにかまれて死亡していると指摘した。インドに関するWHOの推定は1万人。
会議を主催した国際毒素学会の責任者は「毒ヘビにかまれたことによる被害はほぼ完全に無視されており、大幅に過小評価されている」と指摘。「WHOと各国政府は、この問題を正当に評価し、資金、訓練、注目を必要とする極めて現実的な公衆の保健・医療面の関心事と位置付けるべき」と述べた。
コブラなどの毒ヘビにかまれる被害は主に、身近に医療施設の乏しいサハラ以南のアフリカや南アジア、東南アジアで見られる。
また専門家らは、解毒剤の在庫が「危険水準」まで減少していると指摘。最も必要とされる地域で、質、量ともに現実的な危機が発生していると警告した。
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