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大阪 有料老人ホーム 違法な医療行為で書類送検へ10月2日 5時20分
大阪・羽曳野市の介護つき有料老人ホームで、専門の研修を受けていない介護職員らが、入所者の鼻から栄養剤を補給する医療行為などを行っていたとして、警察は施設を運営する会社と元施設長や介護職員ら合わせて22人を、医師法違反などの疑いで2日にも書類送検する方針です。
書類送検されるのは、大阪・羽曳野市の介護つき有料老人ホーム「グランパ羽曳野」を運営する会社と、43歳の元施設長や介護職員ら合わせて22人です。
警察によりますと、「グランパ羽曳野」ではおととしから去年にかけて、口から食事が取れない入所者に鼻から管を通して栄養剤を補給する「経管栄養」などの医療行為を専門の研修を受けていない介護職員らに行わせていたということです。
「経管栄養」などの医療行為は、以前は医師や看護師にしか認められていませんでしたが、3年前に法律が改正され、50時間以上に及ぶ専門の研修を受ければ、介護職員も行えるようになりました。
しかし、この施設では介護職員らに研修を受けさせないまま、元施設長らの指示で、こうした医療行為を日常的に行わせていたということです。
調べに対し、元施設長らは、「費用がかかるので、研修を受けさせていなかった」などと話し、容疑を認めているということです。
警察は2日にも、施設を運営する会社と、元施設長や介護職員らを医師法違反や介護福祉士法違反の疑いで書類送検する方針です。
NHKの取材に対し、この会社は、「何も答えられない」と話しています。
警察によりますと、介護職員らが専門の研修を受けずに医療行為をしたとして、高齢者の介護施設が摘発されるのは、全国で初めてだということです。
警察によりますと、「グランパ羽曳野」ではおととしから去年にかけて、口から食事が取れない入所者に鼻から管を通して栄養剤を補給する「経管栄養」などの医療行為を専門の研修を受けていない介護職員らに行わせていたということです。
「経管栄養」などの医療行為は、以前は医師や看護師にしか認められていませんでしたが、3年前に法律が改正され、50時間以上に及ぶ専門の研修を受ければ、介護職員も行えるようになりました。
しかし、この施設では介護職員らに研修を受けさせないまま、元施設長らの指示で、こうした医療行為を日常的に行わせていたということです。
調べに対し、元施設長らは、「費用がかかるので、研修を受けさせていなかった」などと話し、容疑を認めているということです。
警察は2日にも、施設を運営する会社と、元施設長や介護職員らを医師法違反や介護福祉士法違反の疑いで書類送検する方針です。
NHKの取材に対し、この会社は、「何も答えられない」と話しています。
警察によりますと、介護職員らが専門の研修を受けずに医療行為をしたとして、高齢者の介護施設が摘発されるのは、全国で初めてだということです。
元介護職員「従わざるをえなかった」
この施設の元介護職員は、研修を受けずに医療行為をするのは違法だと知っていたが、上司の指示に従わざるをえなかったと話しています。
元介護職員は「怖かったが上からの圧力があり、やらざるを得なかった。私だけが絶対しないとは言えない空気で、知識がないまま見よう見まねでやっていた。研修を受けることも考えたが、欠勤扱いで行ってくださいという感じで、その期間は給料も下がるので受けられなかった」と話しています。
元介護職員は「怖かったが上からの圧力があり、やらざるを得なかった。私だけが絶対しないとは言えない空気で、知識がないまま見よう見まねでやっていた。研修を受けることも考えたが、欠勤扱いで行ってくださいという感じで、その期間は給料も下がるので受けられなかった」と話しています。
専門家「命に関わる事故も」
大阪・北区にある介護職員を対象にした研修機関で講師を務めている、東孝至さんは、「鼻から管を入れる経管栄養は、飲み込む力が弱っている高齢者が対象になることが多く、食べ物が誤って肺に入ってしまうリスクもある。場合によっては命に関わる事故につながることを認識し、研修で専門的な知識と技術を身につけることが重要だ」と話しています。