「おま……殺すぞ!」西原&高須のホテルでの出来事
毎日新聞の週刊連載マンガ『毎日かあさん』の作者で漫画家の西原理恵子氏と高須クリニック院長の高須克弥氏がトークイベント「村西とおるのナイスな夜~男女のセクシーさ、とは何でしょう~」に登場。20歳差の年の差カップルであるこの2人が出会ったきっかけや、交際に至るまでのなれそめについて振り返ります。イベント参加者からの「一番ときめいた経験は何か」という質問に対し、西原氏は、ガンと重度のアルコール依存症を患った元夫・鴨志田穣氏との家族の再生を高須氏が勧めてくれたエピソードを語りました。
- ログ名
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村西とおるのナイスな夜 / 男女のセクシーさ、とは何でしょう 2015年8月6日のログ
- スピーカー
- AV監督 村西とおる 氏
漫画家 西原理恵子 氏
高須クリニック 院長 高須克弥 氏
西原理恵子氏と高須克弥氏が出会ったきっかけ
村西とおる(以下、村西):高須先生は西原さんをずっと思われていて。どういうきっかけで?
高須克弥(以下、高須):彼女がね、新潮社の雑誌で「下品な高須克弥と友達になりたい」って書いてて、ジョークだと思ったんだけど、本気かもしれない。それで私もね、「友達になってくれませんか?」と。すぐ返事来て。
村西:それってお手紙かなんかですか?
西原理恵子(以下、西原):ファンレターが来たんですよ。私の所に。
高須:すぐに「金ヅルができた、万歳!」って(笑)。
村西:それは何年前……?
高須:もう15年くらい前……。それでね、一番最初にね、丁寧なちゃんとした手紙が来たんですよ。「私はあなたをネタにしてくれることだけでいい。お金も美貌も何もいらない。あなたをネタにするだけで、私は幸せです。ネタにするときは必ずFAXを送って許可を得ます」うそばっかり! 黙って勝手に書いてる。
(会場笑)
高須:やりたい放題だ(笑)。
西原:いやもう、ネタ袋なんで、ネタにさせていただいて……。
村西:数年前からずっとお付き合いで、思いが深まっていったわけですね。
西原:そうですね。でも最終的には私が、ファンに手ぇつけちゃったってことですね。
(会場笑)
「やらせろよおまえ! 殺すぞ!」と怒鳴り、腹を蹴り上げた
西原:すごい元気がなくて。奥様も亡くなって、お母様も亡くなって、愛犬も亡くなって、息子は3人だけど、息子だからいうこと聞くわけないから。ぜんぜん慰めてくんないし。
ちょっとご飯も食べられなくなってたんで、「一緒にご飯食べようか」って言って、時々一緒にご飯食べてたんです。そのあと映画見たりしてて。
ある日、この人、「具合が悪い」って言って。ホテル暮らしなんで、ホテルの部屋に戻りたいって。私、酒飲みだから、部屋でシャンパンとってもらって、シャンパン飲んでたら、この人、上半身脱いで横になってて。
だから、ちょっとつまみがなかったから、乳首をつまもうとしたんですよ。つまもうとした瞬間に「パーン!」と叩かれて、「そんなつもりない!」って言われたの。
(会場笑)
西原:すっごい腹立って、そのまま腹蹴り上げて「やらせろよおまえ! 殺すぞ!」って(笑)。
(会場爆笑)
西原:「おまえ、自分からホテルに女呼んで、何度もデートして、上半身裸になって、女に酒飲まして、おま……殺すぞ!」って(笑)。
高須:いや、もう、すごい怖くて! 震え上がった(笑)。
西原:生まれて初めて女に蹴り入れられた(笑)。すっごい怖かったみたいなの。
高須:今でも蹴り入れられます(笑)。足技ものすごいんだもん。
西原:ときどきやっぱり……、ヤンキーなんでちょっとケンカ売られると(笑)。
医者はすべての患者に不利益なことを言ってはいけない
村西:(会場に向かって)先生にご質問などございましたら、どうぞ。
質問者:一番ときめいた経験ていうのはどんな経験ですか?
西原:私はやっぱり鴨ちゃん(西原氏の元夫・鴨志田穣氏)。この人は医者なんで、私が本当にアルコール依存症の夫に苦しめられてるときに、命からがら別れたのに、「もう1度、彼と暮らしてあげなさい」と。
「あなたの膝で見送ってあげなさい」と言ってくれたのが。「あなたのために」と、そう言ってくれて、家族の再生をすごくすすめてくれたのが、やっぱり思い出深いですよね。
村西:そこがキュンと来たと。
西原:キュンていうか、ものすごい嘘つきな人に対しても嘘をつかないんですよ。だから「あいつ嘘つきで、先生のお金ばかり狙って、お金も返さない人なのに、どうしてあなたはあの人との約束を具合が悪いときでも守るの?」って言ったら、「相手が誰であっても同じだ」と。変わらないと。
「私が嘘をつくかつかないかが問題だ」と。「言った約束は守る」ということで、朝から晩まで働いて、約束を守るということと、常に患者様には、良いことしか言ってはいけないと。
やっぱり代々の医者なので「すべての患者様には不利益なことを言ってはいけない」というのが。
だから、「鴨ちゃんはこのままだともう死ぬんだけれど、あなたに捨てられて、家族に捨てられて、野良犬のようになって死ぬのと、治ったから一緒に暮らしましょう、これからも家族で暮らしましょうと言って死ぬのとでは、天と地ほどの差があるんだよ」って。
「あなたのために、鴨ちゃんはあなたの膝で見送ってあげなさい」って。そうして、鴨ちゃんに「治ったら帰ってきていいよ」って言ったら、本当に重度のアル中だったのに、自分で治して帰ってきました。
本当にアルコール依存症を自分で治す人って、2割いかないんですよ。それもシャブ中とほぼ一緒の状態なので。「毎日家族といるのが楽しい」「君といるのが楽しい」って、子供が可愛いって言って。
本当に恐ろしい、今でも思い出すと吐きたくなるくらいイヤな病気でしたけど、最後に彼は普通の人間に戻って死んでいきました。それはやっぱり、先生のアドバイスのお陰で。
そうじゃなかったら、私は一生彼をクソのような奴だと思って罵って、子供にもそれを言い続けたと思うんですね。
村西:ナイスなお話、でございます。
(会場拍手)
西原:ありがとうございます。