10月1日
ドローン・オブ・ウォー
これさあー、劇場少ないよぉ〜。
映画の日だから許すけどさぁ、都心新宿しかやってないって!
もうつまらない進○の巨○とか、入ってない作品削って、こういうのもっと上映していただけないかしらψ(`∇´)ψ
てなわけで、今年世間を騒がせたドローン機を題材にした作品見て参りました。
あらすじ
アメリカ空軍の軍事パイロット、トミー・イーガン少佐(イーサン・ホーク)は、ラスベガスの空軍基地に設置されたコンテナ内でドローン(無人戦闘機)を遠隔操作し、1万キロ余りも離れた異国で空爆している。エアコンが効いたオペレーションルームで一日の任務を終えると、車でラスベガスをぬけた住宅地で妻モリー(ジャニュアリー・ジョーンズ)とふたりの子供と幸せに暮らす日常を送っていた。ただ、過去に戦闘機に乗り出撃していた彼も違和感を感じている。上官のジョンズ中佐(ブルース・グリーンウッド)は彼の腕前を買っていて異動願いも受けてもらえず、連日の激務に神経をすり減らしたトミーは、いつしかアルコールに依存するようになり、以前は情熱的に愛し合ったモリーとの夫婦仲にも冷たい空気が流れていた。ある日、新人の女性空兵スアレス(ゾーイ・クラヴィッツ)がチームに配属される。さっそくトミーの相棒としてミサイル誘導レーザーの照射を担当することになったスアレスは、現実感の無い任務の恐ろしさと虚しさを痛感することになる。《HPより引用》
監督・キャスト
監督はSF映画の名作ガタカや、なぜ日本であんなにウケたのかわからないTIME/タイムの監督、アンドリュー・ニコル
意外なのがこれが5作目というキャリアの割にはあまり撮ってないんだなぁ、と。
やはり、ガタカはレンタルで見て印象に残っていて、、
近未来の世界で遺伝子的に不適格者の烙印を押された男が、適正者のみ認められる宇宙飛行士になるべく適正者になりすましミッションを遂行する話で、
近未来での社会的差別を題材にしていて、緊迫感漂うサスペンスな空気も出しながら主人公の夢を追いかけるストーリーにドキドキしながら見ていました。
結果、TIME/タイムもよく考えるとガタカと似たような設定の世界でやはり25歳から歳を取らなくなることができる世界なんだけど、
金持ってる富裕層はたくさん時間買えて金持ってない奴はギリギリの生活、そして、死と背中合わせで暮らしている貧困層が差別化された世界。
正にガタカ丸かぶり!これが流行ったのにガタカは認知度低いのがなんかなぁ。
こっちの方が面白いんだけどなぁ。
と、個人的な意見ですがどちらも似たような設定とはいえハラハラドキドキできるサスペンスSF映画です。
でも、今作はSFではなく新たな戦争ドラマなのでどんなものになるか、それはそれで楽しみですね。
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そして、主演はずいぶん老けたな!イーサン・ホーク!
ロビンウィリアムズの名演技と、こんな先生がいたらいいなぁと思わせてくれた名作「今を生きる」での生徒役から、数々のコンビを組んでいるリチャードリンクレイター監督作品、ビフォア3部作、そして、去年公開した同じ主要キャストで12年間にわたり撮影した「6才のボクが、大人になるまで」でのビートルズ好きの父親役は好演技でした。
今年はプリディスティネーションが公開。レンタルで見ましたが、これは面白かった!!
時空警察官が爆弾魔を探し事件を未然に防ぐ為追いかける話で!す!が!
前半はバーで性転換した男とひたすらしゃべってるだけかと思いきや!中盤から急に話のギアが上がり、あれよあれよとジェットコースター並みの展開とラストのオチに驚愕でした。
セリフにもあった、
卵が先か、ニワトリが先か?
これが全てを物語ってます。
そして、ガタカ以来のアンドリューニコル監督とのタッグということで、さぞ息のあった撮影だったことでしょう。
どんなドラマを繰り広げてくれるのでしょうか。
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12年間同じキャストだから成長過程も見てわかるし、3時間の上映中凄いドラマが待ってるわけじゃないけど、どこを切り取っても大切な日常なんだって教えてくれます。
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これは今年公開の中でかなりの掘り出し物!こういうのを劇場で観るのを逃してしまう事を考えるとほんとショック。
果たして、現代の戦争の最前線をテーマにしたこの映画の感想は、
現代の戦争は地味で陰湿でした。
以下、核心は触れずにネタバレします。
戦争の最新事情って、こんななの?
戦の武器は弓矢から銃になり、飛行機、戦車、潜水艦、そして毒ガスに進化し、ダイナマイトから原爆へ、そして現在では、
冒頭の解説で、9.11のテロ以降、無人飛行機、通称ドローンを使った空爆を開始した米軍。
曇り空がなければ、はるか上空3000メートルから敵国を見下ろし、標的めがけてミサイルどーんっ!
もし敵にばれても撃ち落とされても無人機だから人命は確保でき、代わりもいらない。
なんて合理的な戦争なんだ。
新人兵士を集めて指導する中佐。
これはゲームなんかじゃねーぞ、その場にいなくてもお前らは人を殺すんだ、肝に銘じておけ。
なんてセリフをかますけど、やはり世界の警察の元、俺たちは強いぜ!みたいな能天気な奴もいれば、コカイン中毒になるほど精神を蝕まれるやつもいて、任務への影響は様々。
登場人物たちは、最初こそ決まった人物以外には危害を加えないよう配慮しながらの任務が、
やがて、指揮権が移り、先制的自衛を軸にした、該当者は全て敵という括りに主人公たちは苦悩していく様に、
こんな戦争があっていいのか?と嘆いてしまいます。
イーサン・ホークの安定っぷり
主人公のトミー少佐は、元空軍パイロット。6回も派遣され数々の任務をこなしてきた。それだけ空に憧れを抱き、麻痺とも思える恐怖との隣り合わせの中、戦地へ飛び立つコクピットの中が、自分の居場所として確立したものになっていた。
にもかかわらず、とばされた職場は、彼の自慢の翼をもがれ、敵国への飛行任務なんだけど、自国で、家から車で通え、クーラーの効いたワンルーム程度の広さの箱の中。
安全という檻の中、やることは変わらないにもかかわらず、常に恐怖と抱き合って空を飛んでいた時とは別世界。
確かに飛べる、でも、恐怖のない環境でのドローンを飛ばしての監視と、標的への空爆。
時間になれば、車で帰宅。妻と子供とバーベキュー。
パイロットに戻りたくても上司が許可してくれない。
そんな繰り返しの毎日に、とうとうトミーはアル中になり、心にストレスを抱え、妻ともうまくいかなくなっていく。
こんなジレンマを抱えた心情を言葉ではなく表情で訴え、寡黙な男が何か語るときはしゃがれた声で淡々と話すイーサンだからなせる技で、そんな彼に信頼を寄せるアンドリューニコル監督との相性もガタカの時と変わらない、阿吽の呼吸でのやり取りが垣間見れた気がします。
ま、何が一番言いたいって、イーサンが渋くてカッケーんだよ!んで、マブい奥さんとの馴れ初めがデートに戦闘機乗っけて、言わせたセリフが、
「寡黙なのに恐怖も持ってて刺激的!」
って!
なんてカッケーんだ!トミー!いや、イーサン!!
アメリカンスナイパーとの比較
戦争のせいでPTSDになった男の苦悩という点で、今年公開したアメリカンスナイパーと共通し、何か結びつけて考えてしまいますが、
やはり、現地と遠隔地という差はあるものの背負ってる重さは変わらないのかな、と。
ただ、アメリカンスナイパーは内面どうこうよりも、売られたケンカは買うだとか、仲間の仇とか、標的以外は殺さない部分を考えると時代背景が90年代から00年代というのもあり、また違うものだな、と。
対して今作は内面重視で人間ドラマとして色濃く描かれていて、主人公の崩壊していく部分とそこからどう上昇していくのかが焦点になっている気がします。
もうひとつ比較でいうと、今作のなかで、敵国を上空から見下ろし空爆した後、トミーが住むベッドタウンを空から見下ろす街並みが交互に流れ、その対比というか比較させてる部分はまた感慨深いものがありました。
とにかく兵士たちはどこにいようが、身体的にも精神的にも負担の大きい仕事なんだよなぁ。
平和ボケな我々日本人は、彼らがなぜ志願するのか、やはり理解に苦しみます。
派手にドンパチやる戦争ものとは違い、盛り上がりにいささか物足りない部分はありますが、静かに物語は進み、淡々と話は流れ、ズシッとくる内容だったと思います。
ガタカやTIME/タイムなどといった近未来SFサスペンスなどとは違う、監督の新しいパターンが観れた気がしました。
どうでもいいけどトミーの奥さんがめちゃエロかったなあww