(たまえ)あれ?今日の牛乳おいしい。
(たまえの母)フフフ。
ご近所さんに頂いたのよ。
牧場に遊びに行ったお土産ですって。
(穂波)どれどれ?うん。
うまい!
(たまえ)でしょ?この牛乳で作ったソフトクリームも人気なんですって。
へぇ〜どんな味がするんだろう。
《牧場か。
いいなぁ》《緑の草原を走るたまえ》《ソフトクリームに舌鼓を打つたまえ》《子牛と戯れるたまえ》《あ〜傑作が撮れそうな予感が。
よし!》なあたまえ。
(たまえ)えっ?
(まる子)へぇ〜牧場の牛乳ってそんなにおいしいんだ。
(たまえ)うん。
でねお父さんが今度の日曜日牧場にピクニックに行こうって言うんだけどまるちゃんも一緒にどうかな?ピクニック!?行く行く!あっ!んっ?・
(みどり)《あっまる子さん》
(みどり)《今度の日曜日に遊びに伺ってもよろしいですか?》《ああ。
別に用事ないからいいけど》みどりちゃんと遊ぶ約束してたんだ。
そうなんだ…。
《どうしよう。
断っちゃおうかなぁ》《まる子さんは私と遊ぶよりたまえさんと牧場に行きたいんですね》
(泣き声)《あっ…。
みどりちゃん絶対大泣きだよ》《駄目か…》よかったらみどりちゃんも一緒にどうかな?えっ!いいの?うん。
お父さんに聞いてみるよ。
たまちゃんありがとう。
フフフ。
そして日曜日
(友蔵)今日は絶好のピクニック日和ですな。
(穂波)ええ。
大いに楽しみましょう。
たまえさんお誘いありがとうございます。
どういたしまして。
いってきま〜す!
(穂波)さあみんな着いたよ。
(一同)わぁ〜!
(たまえ)広〜い!うん!あっ見て見て子牛がいるよ。
(みどり)カワイイですね。
行ってみようか。
うん!
(一同)アハハハ。
(牛の鳴き声)
(たまえ・まる子)うわ!
(シャッター音)おいしい!
(シャッター音)
(穂波)《青い空緑の草原》
(シャッター音)
(穂波)《はじけるたまえの笑顔》
(シャッター音)
(穂波)《いいぞいいぞ》《イメージどおりだ》
(シャッター音)
(一同)いただきま〜す!やっぱり牧場で食べるお弁当は一味違うね。
うん。
空気までおいしいよね。
んっ?みどりちゃん何やってんの?お土産です。
おじいちゃんに牧場の空気をプレゼントしようと思って。
あっいいねぇ。
あたしもお土産それにしようかな。
《フフフお金も掛からないし逆にお母さんがお小遣いくれるかもね》
みどりちゃんはお小遣いを期待してやっているわけではない
ねえおじいちゃん空き瓶ない?んっ?空き瓶は…ないのう。
(穂波)あっまるちゃん。
んっ?ちょっと小さいけどこれならどうかな。
ありがとうございます。
フフ。
じゃあ早速…。
まる子さんせっかくですからあのお花の近くにしたらどうですか?いいねぇ!フフフ。
(蜂の羽音)うわ!キャー蜂!嫌っ嫌ー!
(フィルムを踏む音)
(みどり)あっ!
(穂波)ああっ!あっ…。
大丈夫?みどりちゃん。
ええ。
でも…。
(穂波)予備のフィルムが…。
ごめんなさい。
私そそっかしくて。
うぅ…。
ああいやいや心配ないよ。
フィルムなら売店で買えるからね。
(穂波)えっ売り切れ!?
(店員)すみませんね。
あいにく今日はお客さんが多くって。
何てことだ…。
(穂波)《36枚撮りだからあと5枚しか撮れないぞ》《あっここへ来る途中に雑貨屋があったな》《車で戻れば30分ぐらいで…》・
(男性)これから乳搾り体験を始めま〜す。
おっ。
(男性)希望者の皆さんはお並びくださ〜い。
おじさまフィルムは買えましたか?あっああ大丈夫だよ。
(みどり)よかった。
《買いに行く暇はなしか》《よしこうなったら残り5枚を慎重に撮るしかないぞ!》そう。
根元をしっかり持ってね。
(たまえ)はい。
たまえいいぞ頑張れ!あれ?出ない。
《おっ。
困ってるたまえもカワイイなぁ》《よしここは1枚…》《んっ待てよ。
本当にいいのか俺》《これが最高のシャッターチャンスなのか?》あっ出た!《おっこの笑顔!今だ!》
(シャッター音)
(穂波)うわ!
(牛の鳴き声)《え〜!たったまえの姿が…》《ひぃ!》
(穂波)《残るは4枚か》ハァ…。
うわぁ!これホントに牛乳!?おいしいよね。
(穂波)《よし今度こそ》
(みどり)ホントにおいしいですね。
みどりちゃん…。
(穂波)んっ?んっ?プッ!
(みどり)えっ?何ですか?あっいや…。
《駄目だ。
笑ったりしたら女の子に対して失礼だぞ》《ここは我慢だ…》
(シャッター音)あっ…。
(友蔵)お〜今度はお花摘みか。
楽しそうですなぁ。
(穂波)そうですね。
《ああ…俺としたことが2枚も無駄にしてしまうなんて》《いやこうなったら渾身の3枚を撮るしかないぞ!》よかったら皆さんで撮りましょうか?えっ?
(友蔵)穂波さんも一緒に写りましょう。
(穂波)あっええしかし…。
そうしようよお父さん。
《みんなの好意をむげにはできないな》《よし》じゃあお願いします。
はいいいですか?いきますよ〜。
はいチーズ。
(シャッター音)あ〜ん目をつぶっちゃったよ。
じゃあもう1枚。
(穂波)《ええっ!?》はいチーズ。
(シャッター音)
(穂波)《ああ…》あっ念のためにもう1枚撮りますか?えっ!?あっいやいやもう大丈夫だよ。
ありがとう。
(穂波)《ハァ…何てことだ》《残り1枚になってしまうなんて…》・
(たまえ)見てまるちゃん。
んっ?わぁ!奇麗だね。
エヘヘヘ。
《本当に奇麗だよたまえ》《よし最後の1枚を決めてみせるぞ》
(穂波)《いいぞいいぞ。
今度こそシャッターチャンスだ》《焦るなよ俺。
じゅうぶんに狙って…》・
(みどり)あ〜!
(穂波)えっ!?何どうしたの?みどりちゃん。
見てくださいこのヤギさん。
(まる子・たまえ)んっ?「シゲル」?ええ。
藤木さんと同じ名前なんです!
(まる子・たまえ)ああ…。
名前もですがどことなく似ていると思いませんか?う〜ん…。
そうだね…。
あっお父さん。
(穂波)んっ?みどりちゃんと一緒に撮ってあげて。
ぜひお願いします!《えっ!?そんな最後の1枚なのに…》
(穂波)《たまえ…。
分かったよ》よしみどりちゃん撮るよ〜。
(シャッター音)
(みどり)ありがとうございます。
(穂波)《ああ…》《ハハハ…》
(友蔵)えっ?じゃあの後結局フィルムは買えなかったと。
ええ。
(友蔵)それは残念なことを…。
しかしいい勉強になりました。
普段何げなく撮っている1枚の写真がこんなにも貴重な一瞬を捉えていたんだと分かったんですから。
(友蔵)ほうよかったですな。
さあ着いたよ。
(友蔵)おやおや。
無邪気な顔をして寝ておるわい。
よほど楽しかったんでしょうね。
あっもしかして…。
もう1枚くらいなら…。
(シャッター音)
数日後
おっ!
思い出深い1枚となったこの写真の出来栄えにはたまちゃんのお父さんも大満足なのであった
あっ…。
どのフルーツをキャッチするか当ててね。
よっ!ほっ!フフフ。
正解はバナナ。
当たったかな?
(雷の音)あ〜楽しかった。
早く帰っておやつおやつ。
うわ雨だ。
うわ〜!あっ。
すいませ〜ん!傘に…んっ?かかし…。
まあいいや。
あたしも入れて。
よくできたかかしだね。
人かと思ったよ。
プッ!おじいちゃんにそっくり。
んっ?あらら破けちゃってるよ。
えっ?あっ野口さん。
(野口)入ってく?うん。
ありがとう。
あんたのおかげでびしょぬれにならずに済んだよ。
ありがとう。
さっきのかかし何かいいね。
えっ?ああそうだね。
(友蔵)ほう。
わしによく似たかかしとな。
うん。
顔なんておじいちゃんそっくり。
でも…。
でも何じゃ?服が破けてたんだ。
おおそれはふびんじゃのう。
よし。
わしのお古をあげよう。
えっいいの?もちろんじゃ。
まる子を助けてくれたんじゃしそっくりさんと聞いては放ってはおけんよ。
確かもう着なくなった服がこの辺に…。
おおあったあった。
おっ!なかなかいいね。
ずいぶん色あせておるけどな。
破けてるよりはいいよ。
早速あした行こう。
雨宿りさせてもらった恩返しだよ。
翌日
あっねえおじいちゃん。
んっ?それ持ってきたのはいいけど勝手に着替えさせてもいいのかな?おおそうじゃのう。
やっぱりかかしの持ち主…というか田んぼの持ち主に断っておくべきじゃろうなぁ。
ちょうどいるといいけど。
そうじゃのう。
あれだよ。
(友蔵)おや?このかかしさん追い払わなきゃいけないはずのスズメと仲良しなんじゃのう。
これじゃ駄目だねぇ。
(友蔵)フフ確かに似ておるのう。
でしょ?う〜ん…。
誰かいないかな。
見当たらないのう。
・
(鳥の羽音)
(友蔵・まる子)あっ!おじいちゃん。
よしきた!
(カラスの鳴き声)
(友蔵・まる子)ひぃっ!シッ!シッ!・
(男性)こりゃー!
(友蔵・まる子)うっ!
(男性)あっちへ行け!
(カラスの鳴き声)まったく困ったもんだ。
あのすみません。
つかぬことをお尋ねしますがこのかかしを作られたのはあなたですか?えっ?あっはいそうですけど。
(男性)へぇ〜雨宿りを。
こんなやつでも役に立つことがあるんだね。
かかしとしては頼りないけど。
確かに鳥たちはまったく恐れていませんのう。
ええ。
特にカラスっていうのは賢い鳥でね。
すぐに人じゃないって気付いてしまうんですよ。
そうなんだ。
あの…それでお礼といってはなんですがこれわしのお古なんですがよかったら着替えさせてあげたいんですけどよろしいでしょうか?そりゃありがたいんですけどこいつもそろそろお役御免かなと思ってたところなんですよ。
(まる子・友蔵)えっ!?このかかしなくなっちゃうの?ああ。
おじさんも一生懸命作ったんだけど役に立たないものをいつまでも置いておいてもねぇ。
だったら何とかします。
(友蔵・男性)えっ?カラスに人だと思わせるようにすればいいんでしょ?おじいちゃんと一緒に何とかします!ええっ!?ねっ?おじいちゃん。
あっはい…。
何とかなればありがたいことだけど何だか申し訳ないな。
このかかしおじいちゃんに似てるから何だか放っとけなくて。
まる子…。
《そうか。
わしに似ておるからこそお払い箱になるのは耐えられないんじゃな》ここは!
(男性)はい?ここはひとつわれわれにお任せいただけませんか。
きっと…いいえ必ずや立派なかかしにしてみせましょう!おじいちゃん!分かりました。
そこまでおっしゃるならお任せしましょう。
よろしくお願いします。
(まる子・友蔵)ありがとうございます!重くない?何のこれしき…。
(一同のざわめき)あっ野口さん。
こんにちは。
(野口の祖父)ハローハロー。
(野口)それどうしたの?うん。
このままじゃ役に立たないからあたしたちで何とかすることになったんだ。
何とかって?鳥に負けないように立派なかかしにするんだ。
私たちも手伝おうか?ホント?そりゃ助かるよ。
OK!そうと決まれば早速このかかしちゃんにばっちり似合う衣装を用意してくるよ。
どうもありがとう。
鳥を追っ払うにはどうすればいいのかな。
う〜ん…。
怖いふうにしてみるのはどうかのう。
ちょっと頼りない感じじゃし。
そう?おじいちゃんにそっくりだしあたしは頼りになる感じするけどな。
まる子…。
でもそんなこと言ってる場合じゃないね。
よし。
あれを使おう。
どう?いいのう。
どうせならもっとこう迫力のある感じにしてみてはどうじゃ?迫力か…。
だったら!これでどう?お〜!もう一押しじゃのう。
(おばあちゃん)いったい何をやっとるんじゃ?
(まる子・友蔵)んっ?それじゃ!
(おばあちゃん)はぁ?うん。
こりゃ迫力あるのう。
そうだね。
何だかよく分からないけど迫力だね。
いい感じいい感じ。
でももっと派手派手にした方がいいかもね〜。
(野口)うん。
(野口の祖父)そこで…。
こんなのどう?
(まる子・友蔵)お〜!
(野口)他にも色々持ってきたよ。
アハハハお笑いの人みたいだね。
アハハそうじゃのう。
あとはおなかにあれを巻くのよ。
「あれ」?これ!
(野口の祖父)それそれ〜。
(まる子・友蔵)んっ?
(野口の祖父)これをこうすれば…。
迫力満点!わぁ!これなら鳥たちもびっくりだね。
そうじゃのう。
あっこれも持たせてみたらどうかなぁ。
完成!これなら鳥たちも驚いて近づけないね。
(一同のざわめき)重い…。
(友蔵・男性)フゥ…。
(野口の祖父)OKよ〜。
それじゃちょっと離れた所から見てようか。
(一同)うん。
来た。
まったく怖がってないね。
そうじゃのう。
やっぱり駄目か…。
おい見ろよ!このかかし。
変なの。
ホントだ!面白えの。
変な服。
「ワーハッハッハ」
(少年たち)うわ!
(友蔵・男性)あっ!えっ何で?クックック…。
んっ?
(野口)ポケットに笑い袋入れておいたんだよ。
(少年たち)うわ〜!「ワーハッハッハ」カラスには意味ないみたいだけどね。
おじさん。
んっ?捨てないでください。
えっ?あたしあのかかしのおかげで雨にぬれないで済んだし。
鳥には怖がられないかもしれないけど色々と役に立つことがあると思うんです。
私もこのかかしのことが気に入っていてね。
だから雨にぬれるのがかわいそうで傘を持たせてやったりしたんだよ。
それじゃ…。
うん。
あいつにはまだまだ頑張ってもらうよ。
ありがとう!
(一同)あっ!カラスめ!んっ?
(カラスの鳴き声)あっ!カラスを追い払ったぞ!グッジョブ!
(野口)やるじゃん。
よかったね。
また立派なかかしとして頑張るんだよ。
「ワーハッハッハ」
(一同)アハハハハ!
こうして再び田んぼを守ることになったかかし
その表情がどこか誇らしげに見えるまる子であった
あの芋虫がこんなツヤツヤで奇麗な糸を出すなんて驚きだね。
おいしそうだけど食べちゃ駄目なキノコなんてのもあるし世の中見掛けだけで判断しちゃいけないんだよ。
次回の『ちびまる子ちゃん』は…。
(サザエ)サザエでございます。
・「お魚くわえたドラ猫」2015/09/27(日) 18:00〜18:30
関西テレビ1
ちびまる子ちゃん[字][多][デ]【たまちゃんのお父さん大ピンチ!の巻/まる子とかかしの巻】
『たまちゃんのお父さん、大ピンチ!』の巻
『まる子とかかし』の巻
詳細情報
番組内容
雨宿りさせてくれたおじいちゃんのそっくりさん、ありがとう。お礼に用意した新しい服を着て一緒に記念写真を撮ってもらおう。見違えたその姿に誰もが驚くに違いないよ!
今回のちびまる子ちゃんは『たまちゃんのお父さん、大ピンチ!』『まる子とかかし』の2本だよ。お楽しみにね。
出演者
まる子: TARAKO
おじいちゃん: 島田敏
お父さん: 屋良有作
お母さん: 一龍斎貞友
お姉ちゃん: 水谷優子
スタッフ
【原作】
さくらももこ
【OP曲】
「おどるポンポコリン」
【END曲】
「100万年の幸せ!!」
【脚本】
牟田桂子
富永淳一
【絵コンテ】
青木佐恵子
入好さとる
【演出】
青木佐恵子
【作画監督】
あべじゅんこ
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
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