「3人で組むと、お話と絵を見せ合いながらキャッチボールを通じてキャラクターを深め、物語を膨らませていける」
公開中のアニメ映画「心が叫びたがってるんだ。」について長井龍雪監督からうかがった言葉です。涙の名作「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」と同じ、脚本の岡田麿里さん、キャラクターデザイン・作画監督の田中将賀さんと組み、オリジナル劇場作品を作り上げました。傑作です(あ、ネタバレです)。
3人の「キャッチボール」がいかに濃密であったかは、こまやかに作り込まれた作品からうかがえます。そして自分と相手との直接的なやり取りだけでなく、例えば長井さんがボールを投げて岡田さんがキャッチしてそれを見ていた田中さんが何かに気づく、そんな相互作用もあったに違いありません。劇中のキャラクターたちが、そんな連鎖反応の中から自分を見つめ直し、それぞれが一歩ずつ前に踏み出すことで、大きなうねりを作り出す物語ですから。
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1967年、東京生まれ。91年、朝日新聞社入社。文化くらし報道部でアニメやマンガを担当。ツイッターでもつぶやいています。単行本「1面トップはロボットアニメ 小原篤のアニマゲ丼」(日本評論社)発売中。
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