92年前の関東大震災で、流言がもとで起きた朝鮮人虐殺。その記録をまとめた本を東京韓国学校高等部(新宿区)の生徒たちが韓国語に翻訳した。縮んでは広がる日韓の距離、各地で繰り返されるヘイトスピーチ。生徒たちは「歴史を学んだうえで韓日関係をよくしていきたい」と願う。

 フリーライターの加藤直樹さん(48)が昨年春に出版した「九月、東京の路上で」(ころから刊)を、2年生の玉才沅(オクゼウォン)さん(17)ら5人が翻訳した。

 加藤さんは新大久保で生まれ育った。「朝鮮人をぶっ殺せ」などと憎悪や差別をあおるヘイトスピーチに危機感を抱き、関東大震災での朝鮮人虐殺を思い起こした。虐殺の記録を調べ、関東大震災からちょうど90年後の2013年9月1日からブログで発表。加筆して著書にまとめた。