Updated: Tokyo  2015/09/30 13:00  |  New York  2015/09/30 00:00  |  London  2015/09/30 05:00
 

8月鉱工業生産、予想外の低下-7~9月マイナス成長の可能性 (1)

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    (ブルームバーグ):8月の鉱工業生産(速報値)は予想外に2カ月連続のマイナスとなった。経済産業省は「総じてみれば、生産は弱含んでいる」と判断を下方修正した。市場ではこの数字を受けて、7-9月の国内総生産(GDP)がマイナス成長になる可能性が高まったとの声が出ている。

経産省が30日に発表した生産指数は前月比0.5%低下した。はん用・生産用・業務用機械、電気機械、輸送機械などが低下要因となった。ブルームバーグによる予想中央値は1.0%上昇だった。出荷指数は同0.5%低下、在庫指数は0.4%上昇。

これまで経産省は鉱工業生産の判断を「総じてみれば、一進一退で推移している」としていた。製造工業生産予測指数は9月が0.1%上昇、10月は4.4%上昇になった。7-9月期のGDPも4-6月期の1.2%減(改定値)に続き、マイナス成長になる可能性を指摘する声が増えている。

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは指標発表後のリポートで、「生産が予想よりも大幅に下振れ。7-9月期GDPは前期比年率でほぼゼロ、ないしは若干マイナス転じるイメージ」とした上で、「これまではどちらかと言えばプラス成長に転じる可能性が高いと予想してきたが、むしろ2期連続マイナス成長に陥る可能性がどちらかと言えば高くなっている」と述べた。 

野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは「明らかにネガティブなので今期のマイナス成長の可能性を見ないといけない。政策判断としては補正予算や追加緩和というのが考慮されてくると思う」と述べた。日本銀行の金融政策についても「短観でも景気の弱さが確認されれば追加緩和を待つ理由はないと思う。10月30日あるいは来週の会合でも動きはあるかもしれない」と予想した。

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記事についての記者への問い合わせ先:東京 淡路毅 tawaji@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Brett Miller bmiller30@bloomberg.net 上野英治郎, 淡路毅

更新日時: 2015/09/30 10:50 JST

 
 
 
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