2015/9/9のiPhone 6s等の新製品発表イベントにて同時に発表されたのが、iPhone Upgrade Program。
AppleがiPhoneを毎年買い換えたい人のために用意したプランで、月額約32ドル〜45ドルを払うことで12ヶ月ごとに(つまり毎年)新しいiPhoneと交換できるというもの。
ただしこれは、現時点(2015/9/29)でアメリカのみのサービスとなっています。
- Apple公式ページ(英語):iPhone Upgrade Program – Apple
これにヒントを得たのか呼応したのか、日本でiPhoneを販売するキャリア3社(ドコモ・au・SoftBank)が一見似たようなプランをそれぞれ開始しました。
月額300円を払うことで毎年iPhoneを交換でき、残債も7ヶ月分(あるいはその相当額)割り引くというもの。
(iPhone以外の機種でも利用できるようですが、実質はiPhoneのためのプランと言って差し支えないでしょう)
「月たった300円で毎年iPhoneを買い替えられる」と聞くとなんとなく得のような気になりますが、果たして本当にそうなのか?検証してみることにします。
ドコモ「機種変更応援プログラム」
ドコモの買い替えプログラムの名称は、「機種変更応援プログラム」。
通常は19ヶ月目以降に機種変更できるキャンペーンなのですが、iPhone 6sの発売に合わせて期間限定で13〜18ヶ月目までに機種変更した場合にも適用できるようになっています。(2016/3/31までに加入が必要)
概要は以下の通りです。
▼月額料金
300円
▼13〜18ヶ月目で機種変更した場合の追加料金
2,000円
※ただしiPhone 6s・6s Plusを2015/12/31までに購入すると無料
▼還元される金額
iPhone 6s/6s Plus 16GBの場合21,000ポイント
64GB、128GBモデルの場合27,000ポイント
au「アップグレードプログラム」
auでの名称は「アップグレードプログラム」。その中でも1年ちょいで買い換えるものに関してはスーパーアップグレードキャンペーン(2016/3/31まで)と称しているようです。
概要は以下の通り。料金はドコモと全く同じで、還元される金額が異なります。
▼月額料金
300円
▼13〜18ヶ月目で機種変更した場合の追加料金
2,000円
※ただしiPhone 6s・6s Plusを2015/12/31までに購入すると無料
▼還元される金額
7ヶ月分(19〜25ヶ月目)の支払い残金が無料
※iPhone 6s 16GBの場合:3,510×7 = 24,570円
※iPhone 6s Plus 128GBの場合:5,115×7 = 35,805円
(出典:アップグレードプログラム | スマートフォン・携帯電話 | au)
SoftBank「1年で機種変更キャンペーン」
SoftBankでの買い替えプログラム名は「1年で機種変更キャンペーン」。(2016/3/31まで)
内容はauと全く同じですが、機種代金が違う分還元される金額が異なります。
▼月額料金
300円
▼13〜18ヶ月目で機種変更した場合の追加料金
2,000円
※ただしiPhone 6s・6s Plusを2015/12/31までに購入すると無料
▼還元される金額
7ヶ月分(19〜25ヶ月目)の支払い残金が無料
※iPhone 6s 16GBの場合:3,360×7 = 23,520円
※iPhone 6s Plus 128GBの場合:4,980×7 = 34,860円
(出典:1年で機種変更キャンペーン | キャンペーン・プレゼント一覧 | キャンペーン・プレゼント | モバイル | ソフトバンク)
1年で買い替えるプログラムは得か?損か?
では、これらのプログラムが得なのか、はたまた損なのかを考えてみましょう。
私が購入したiPhone 6s 64GBを例に取り、13ヶ月目で機種変更した場合を考えます。
13ヶ月目までに支払った金額:300×13 = 3,900円(3キャリア共通)
還元される金額は、
・ドコモ:27,000ポイント
・au:4,045×7 = 28,315円
・SoftBank:3,900×7 = 27,300円
よって、差し引くと
・ドコモ:27,000-3,900 = 23,100ポイント
・au:28,315-3,900 = 24,415円
・SoftBank:27,300-3,900 = 23,400円
旧機種との交換で新機種が手に入るため、実質的には上記金額で旧機種(この場合はiPhone 6s 64GB)を下取りしてもらったのと同じことになります。
iPhone 6sが現在のiPhone 6と同じ金額程度で下取りされると考えて、以下の記事でiPhone 6 64GBの下取り額を確認してみましょう。
こちらの記事に掲載した表を再掲します。今回の例に対応する金額は赤文字で表示。
docomo | au | SoftBank | ||
---|---|---|---|---|
iPhone 6 Plus | 128GB | 37,800円 | 37,000円 | 35,640円 |
64GB | 35,640円 | 34,840円 | ||
16GB | 33,480円 | 32,860円 | ||
iPhone 6 | 128GB | 34,560円 | 33,760円 | 32,400円 |
64GB | 32,400円 | 31,600円 | ||
16GB | 30,240円 | 29,440円 | ||
iPhone 5s | 64GB | 25,920円 | 31,600円 | 25,560円 |
32GB | ||||
16GB | ||||
iPhone 5c | 32GB | 26,200円 | ||
16GB | ||||
iPhone 5 | 64GB | – | ||
32GB | ||||
16GB | ||||
iPhone 4S | 64GB | 20,800円 | ||
32GB | ||||
16GB | ||||
iPhone 4/3GS/3G | – | 2,400円 |
はい、もうわかりましたね。
結論としては、3社の買い替えプログラムは損です。大損。
こんなプログラムなど加入せず普通に旧機種を下取りに出した方がマシ。
もっと言えば、上記下取り額よりも高額で買い取ってくれる量販店もあるので(例えばソフマップなど)、キャリアに下取りに出すことですら損です。
あとがき @ushigyuをフォロー
iPhoneを毎年買い換える当ブログの読者様におかれましては、くれぐれもこのような一見得しそうにみえて大損するプログラムに加入することのなきよう。
正直、本当にユーザーをなめきった施策だなあと思いますよ。私は。
(「計算で見落としがあるよ!本当は得だよ!」といったご指摘あれば教えてください……)
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