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東レ 伊の会社買収で炭素繊維事業強化へ9月30日 4時02分
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自動車メーカーの間で車の軽量化が課題となっているなか、大手繊維・化学メーカーの「東レ」は、鉄よりも軽い炭素繊維を加工する技術に強みを持つイタリアの化学メーカーを買収し、自動車向けの炭素繊維事業の拡大を図ることになりました。
関係者によりますと、東レは、イタリアの化学メーカー「デルタテック」の株式の55%を取得するということです。投資額はおよそ50億円とみられます。
このイタリアの会社は、自動車部品向けに炭素繊維を加工する技術に強みを持っていて、主にヨーロッパの高級車メーカーなどと取り引きしてきたということです。
炭素繊維は、鉄より軽いものの、コストが高いため、これまで自動車向けとしては、高級車のボンネットなどとして使われるのにとどまっていました。しかし、自動車メーカーの間で燃費改善につながる車の軽量化が課題となっているため、繊維や化学メーカー各社は、今後、車のほかの部分などでも採用の動きが広がるとみて、この事業の強化に乗り出しています。
こうしたなか、東レとしては、イタリアの会社が持つ、炭素繊維の加工技術や自動車メーカーとの取り引き関係を活用することで、この事業を拡大し、ライバルに先行するねらいがあります。
その一方で、鉄鋼メーカーも、軽くて強度の高い鋼材の開発を進めており、自動車を巡る素材各社の競争はさらに激しさを増しそうです。
このイタリアの会社は、自動車部品向けに炭素繊維を加工する技術に強みを持っていて、主にヨーロッパの高級車メーカーなどと取り引きしてきたということです。
炭素繊維は、鉄より軽いものの、コストが高いため、これまで自動車向けとしては、高級車のボンネットなどとして使われるのにとどまっていました。しかし、自動車メーカーの間で燃費改善につながる車の軽量化が課題となっているため、繊維や化学メーカー各社は、今後、車のほかの部分などでも採用の動きが広がるとみて、この事業の強化に乗り出しています。
こうしたなか、東レとしては、イタリアの会社が持つ、炭素繊維の加工技術や自動車メーカーとの取り引き関係を活用することで、この事業を拡大し、ライバルに先行するねらいがあります。
その一方で、鉄鋼メーカーも、軽くて強度の高い鋼材の開発を進めており、自動車を巡る素材各社の競争はさらに激しさを増しそうです。
炭素繊維 市場拡大の予測も
炭素繊維は、鉄の4分の1の軽さで10倍の強度があると言われ、主に旅客機の機体や風力発電の風車などに使われています。
一方、自動車向けとしては、ドイツの自動車メーカー「BMW」が、おととし、およそ500万円で発売した、電気自動車の車体の骨格部分や、ポルシェなどの高級車のボンネットなどとして使われるのにとどまっています。これは、車で広く使われている鉄と比べて、コストが10倍以上高いとされているためです。
しかし、自動車メーカーにとって、燃費改善に向け、車の軽量化が課題となっているため、今後、炭素繊維の部品を採用する動きが広がるという見方もあり、経済産業省は、2011年には70億円にすぎなかった、自動車向けの炭素繊維の世界全体での市場規模が、2020年には910億円に拡大するという予測を発表しています。
炭素繊維を製造しているメーカーも、鉄に代わる素材として採用してもらうため、自動車メーカーと共同で研究するなど、コスト引き下げに向けた開発を加速させています。
これに対し、自動車メーカーを主要な取り引き先としている鉄鋼メーカーも、軽くて強度の高い鋼材の開発を進めており、自動車を巡る素材各社の競争はさらに激しさを増しそうです。
一方、自動車向けとしては、ドイツの自動車メーカー「BMW」が、おととし、およそ500万円で発売した、電気自動車の車体の骨格部分や、ポルシェなどの高級車のボンネットなどとして使われるのにとどまっています。これは、車で広く使われている鉄と比べて、コストが10倍以上高いとされているためです。
しかし、自動車メーカーにとって、燃費改善に向け、車の軽量化が課題となっているため、今後、炭素繊維の部品を採用する動きが広がるという見方もあり、経済産業省は、2011年には70億円にすぎなかった、自動車向けの炭素繊維の世界全体での市場規模が、2020年には910億円に拡大するという予測を発表しています。
炭素繊維を製造しているメーカーも、鉄に代わる素材として採用してもらうため、自動車メーカーと共同で研究するなど、コスト引き下げに向けた開発を加速させています。
これに対し、自動車メーカーを主要な取り引き先としている鉄鋼メーカーも、軽くて強度の高い鋼材の開発を進めており、自動車を巡る素材各社の競争はさらに激しさを増しそうです。