【コラム】クムホタイヤが韓国を去る日

【コラム】クムホタイヤが韓国を去る日

 「CEO(最高経営責任者)が年に2-3か月も労働組合との賃金交渉にかかりっきりになる状況で、経営に専念できるわけがない」(セルジオ・ホシャ韓国GM社長)

 「率直に言って、今米国の企業が中国ではなく韓国に投資する理由はない」(エイミー・ジャクソン駐韓米国商工会議所代表)

 今月17日に韓国経済研究院の主催で行われた座談会で、韓国に進出している外資系企業のCEOからはこうした「本音」が相次いだ。ホシャ社長は「GMインド工場では人件費などを含めた生産コストは韓国の半分程度だ」として「最近は市場がグローバル化しているにもかかわらず、韓国の労働者たちは他国の労働者との競争が避けられないという事実を忘れているようだ」と指摘した。

 年収6000万-9000万ウォン(約600万-900万円)という高賃金の職場で今年何が起きているかを見れば、こうした指摘が的を射ていることが分かる。35日間にわたりストライキを繰り広げ、次期執行部の選出のために今月20日に一時的にストを中止した錦湖タイヤがその代表例だ。昨年、社員1人当たりの給料が6200万ウォン(約617万円)だった同社は、ここ3年間で売り上げが18%減少したにもかかわらず、給料は逆に17%増えている。今年の上半期も売り上げは前年同期比12%減、営業利益は半減した。それでも労組は「賃金と業務手当をもっと上げろ」と訴えてストを繰り広げ、これまでに1300億ウォン(約130億円)以上の売上損失を計上した。年収9000万ウォンを超える現代・起亜自動車もそろって賃上げを要求し、ストを決議した。

辛殷珍(シン・ウンジン)産業1部記者
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