【記者手帳】海外進出に消極的な韓国のホテル業界

 東南アジアの奥地に挙げられるミャンマーに、近ごろ海外のホテルチェーンが意欲的に進出している。

 フランスのホテルチェーン、アコーホテルズは繁忙期に宿泊料が1泊250ドル(約3万円)になる高級ホテルブランド「Mギャラリー」を昨年、首都ネピドーにオープンし、今年5月には最大都市のヤンゴンに「ノボテルホテル」を開業した。16のフロアに366室の客室を備え、1泊料金は160ドル(約1万9000円)と決して安くないが、外国人客でにぎわっている。「宿泊客の75%がビジネス目的の滞在で、日本人、中国人、シンガポール人が多い」(ホテル関係者)という。

 アコーホテルズはさらに、年末には1泊100ドル(約1万2000円)未満のお手ごろな「イビスホテル」のオープンを予定している。2019年までに計8店舗のホテルを開業する計画だ。

 また、ヒルトングループは第2の都市であるマンダレーと仏教遺跡群のあるバガンにホテルを、スターウッドホテル&リゾートはヤンゴンに「シェラトンホテル」をそれぞれオープンする予定だ。シンガポールのケッペルグループは来月、ヤンゴンに422室の客室を備えた「セドナホテル」を開業する。

 海外ホテルチェーンがこうした動きを見せているのは、ミャンマーが外国人の集まるホテル業の有望地に浮上しているためだ。ミャンマーを訪れた外国人は昨年316万人で、3年前に比べ370%急増した。

 海外のホテルは新たな成長エンジンを求めてミャンマーにまで進出しているのに対し、韓国のホテルは狭苦しい国内でばかり競争を繰り広げている。

 ロッテホテルはニューヨーク、モスクワ、ホーチミンなどに進出したが、まだ先は長い。06年に中国のホテルを委託経営し、韓国のホテルで初めて海外に進出した新羅ホテルは、その後10年近く海外進出実績は「ゼロ」だ。新世界朝鮮ホテルは国内事業しか行っていない。この現状に、業界関係者は「ホテル経営は企業ブランドのPRに最適な手段。韓国人が持つ進取の精神で積極的に海外進出にチャレンジすべき」と指摘する。

 サムスン電子や現代自動車も初めは国内だけで事業を行っていたが、大胆なリーダーシップと不断の努力で今や誰もが認めるグローバル企業に成長した。「井の中の蛙(かわず)」の韓国ホテル企業も、国内ビジネス環境のせいにばかりするのではなく「ホテル業界のサムスン電子」を目指して刷新を図るべきだ。

イ・ミジ産業第1部記者
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