中堅海運会社で東証1部上場の第一中央汽船は29日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、即日受理されたと発表した。負債総額は1196億円で、同時に再生手続きを申請した子会社分も含めると1764億円。石炭や鉄鉱石を運ぶ事業を主力としているが、運賃低迷で経営が悪化。中国景気の減速も逆風となり自力再建を断念した。法的枠組みのもとで再生をめざす。
29日午前に臨時取締役会を開き、海外に本社を置く100%子会社とともに再生法の適用申請を決めた。負債総額は簿外債務も含めると、さらに膨らむ可能性がある。
東証は第一中央株を同日付で整理銘柄に指定し、10月30日付で上場廃止にすると発表した。
第一中央は3月末で約170隻を運航し、国内では売上高5位の海運会社。石炭や鉄鉱石などを運ぶばら積み船に特化している。中国の資源需要拡大を背景に運航隻数を増やしてきたが、ここ数年は市況低迷などで業績が悪化。2015年3月期まで4期連続で最終赤字になっていた。
同社は借りた船の用船料が資源を運んで得られる運賃を上回る逆ざやが続いている。自力再建に向け、船舶の売却などを進めてきたが、最近の中国景気の減速で一段と業績が悪化していた。法的枠組みを活用してこれらの契約を見直し、収益回復を目指す考えだ。